あまりの惨状に「思わず二度見」、誰にも助けてもらえなかった地域猫の“運命”は?

109

2020年09月29日 07:30  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

写真ボランティアスタッフが目を疑った、地域猫“にどみちゃん”(写真:ねこけんブログより)
ボランティアスタッフが目を疑った、地域猫“にどみちゃん”(写真:ねこけんブログより)
 NPO法人『ねこけん』のブログは、猫を保護した際のリアルな状況、悲惨な姿まで隠すことなく伝えており、多くの読者に動物愛護の必要性を問いかけている。地域猫だった通称『にどみちゃん』の惨状にも、多くの反響が集まった。当時の状況について、あらためて代表理事・溝上奈緒子氏に取材。その後の様子についても聞いた。

【写真】あまりの姿に「思わず二度見」、誰にも助けてもらえなかった地域猫のその後

■大きな毛玉のせいで神経にも異常…悲惨な地域猫「それがこの子の運命ですから」

 その姿は、まるで妖怪のようだった。体中にこぶのようなものがあり、とても普通の猫には見えない。保護に向かったボランティアメンバーが思わず“二度見”してしまったことから、この猫は『にどみちゃん』と名付けられた。

 保護後によく見てみると、猫にぶら下がっていたこぶのようなものは大きな毛玉だった。「きっと動くたびに毛が引きつって痛かったでしょうね」という溝上氏が自ら、にどみちゃんの毛を剃り始める。身体中が毛玉になり身動きが取れずにいたようで、四肢の筋肉は落ち、神経にも異常が出てしまっていたと、ブログには悲しい現実が綴られていた。

 バリカンで慎重に毛が刈られ、ようやく毛玉の鎧から脱出。ケガしていた後ろ右足にも、治療が施された。溝上氏はブログの中で「もう外には出ていかなくて良いんだよ」と優しく語りかけている。こうして『ねこけん』の保護猫になったにどみちゃん。丸刈りでまるでスフィンクスのような姿だが、ご飯も食べられるようになった。

 「この子にはVカットが入っていました。地域猫だったんです」と溝上氏は当時を振り返る。Vカットとは、耳の先端がV字にカットされていることで、不妊手術を受けた目印。飼い主がいなく、地域住民やボランティアが見ている猫のことを地域猫という。

 溝上氏は、地域で猫の世話をしていた人に話を聞いたそうだ。

 「『こういう状態になってしまっていたのに、どうにかしてあげようとは思わなかったんですか? たとえ地域猫であっても、ご飯をあげているんだったら、きちんとケアをしてあげるべきじゃないんですか?』と、聞きました。するとその人は、『それがこの子の運命ですから』とおっしゃっていました」。

 確かに、餌をあげていたからといって、猫のすべてをケアできる人ばかりではない。だが、にどみちゃんの姿は、あまりにもひどかった。溝上氏は「ならば、その運命を変えましょう。それもまたこの子の運命ですから」と言い切ったそうだ。

 やがて「“にどみちゃん”のままではかわいそう」ということで、千代ちゃんと改名。久々にブログに姿を現した千代ちゃんには、以前の妖怪のような面影はなく、つやつやとした白黒の毛が生え、立派な白いヒゲがピンと立っていた。ちなみに、丸刈りをしても2ヵ月ほどで毛は生えそろうようだ。とても可愛くなり、あとは幸せな道へと進むだけ。誰もがそう信じていたなか、千代ちゃんは体調を崩した。検査の結果、極度の貧血であることがわかった。2回の輸血をするも体調は変わらず、その上、心臓に病があることも発覚。つらい現実だが、千代ちゃんが回復することは、今後ないという。

 呼吸をラクにするため、酸素室の中で過ごす千代ちゃん。「免疫介在性溶血性貧血で、リンパ腫もあるなど、いろいろな病気が重なっていました。抗がん剤を飲ませ、支援していただいた酸素室で安定を保っています」とのこと。

 ブログには、「千代ちゃん大好きだよ。止まることのない流れる時間の中で、ゆっくり、ゆっくり過ごそうね」と綴られている。みんなに見守られた千代ちゃんは、気のせいかもしれないが、とても穏やかで優しい表情をしているように見えた。

 千代ちゃんら、数多くの病気の猫を見てきた溝上氏は、今では獣医師から猫の症状について尋ねられる機会も多いとか。「症例数だけでいったら、相当な数を見ているので」ということだが、裏返してみれば、それだけ不幸な猫がいたということである。「地域猫の最後はこうなってしまうということを知ってほしい」、そう願う『ねこけん』の活動は、今後も続いていく。

(文:今 泉)

このニュースに関するつぶやき

  • “止まることのない流れる時間の中で、ゆっくり、ゆっくり過ごそうね”この言葉が泣ける。
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 地域猫って本来はきちんと世話をするもねなんですが、この猫を放置した人は不妊手術をして餌をやればOKという程度の連中だったのでしょうね。それじゃ無責任な餌やりの人と大差ないですよ(;・ω・)
    • イイネ!64
    • コメント 3件

つぶやき一覧へ(62件)

前日のランキングへ

ニュース設定