妊娠期のインフルエンザ感染によって深刻な周産期合併症を誘発する

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2020年09月30日 12:01  妊活・卵活ニュース

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妊娠期におけるインフルエンザの危険性
ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の研究チームは、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」にて、妊娠期のインフルエンザ感染は、母体に深刻な周産期合併症を誘発すると発表した。

妊娠中の女性がインフルエンザA型(A型インフルエンザウイルスによって発症するインフルエンザ)に罹患した場合、胎盤を介する垂直感染リスクはないものの、母体における深刻な周産期合併症リスクが高まる。

つまり、インフルエンザウイルスは胎児に対して直接的には影響を及ぼさないが、母体に深刻な合併症を引き起こす要因になるという。

インフルエンザウイルスが妊娠期の母親の身体に与える影響
研究チームは、妊娠していないマウス、妊娠しているマウスを用いた動物モデル実験を行い、インフルエンザウイルスが妊娠期の母親の身体に与える影響を比較した。

妊娠していないマウスの場合、感染は自己解決型であり、肺のみがウイルスを含有していた。一方、妊娠しているマウスでは、ウイルスが大動脈を含む血管を介して全身に広がり、肺以外の身体部位にて確認された。インフルエンザウイルスは、血管を介して肺から全身に拡散し、免疫反応の過剰活動を含め、循環系まで到達する。

ウイルスの拡散によって末梢血管は炎症し、炎症誘発性および抗ウイルス性メディエーターの増加、白血球への流入が引き起こった。血管循環に悪影響を及ぼし、健康な血管では血液が自由に流れるように約90%から100%拡散するが、インフルエンザウイルスに感染した血管は僅かに20%から30%に留まった。

研究チームは、動物モデル実験を通じて、妊娠期のインフルエンザA型感染により、母親の全身血管に異常が生じ、胎盤および胎児にとって重要な血流が抑制されると結論付けている。

(画像はPNASより)

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