次世代機で盛り上がるゲーム業界、今後は何がトレンドに? 「東京ゲームショウ」で有識者が議論

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2020年10月01日 12:23  ITmedia NEWS

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写真PS5と新型Xboxの比較
PS5と新型Xboxの比較

 家庭用ゲーム機の2大巨頭である「PlayStation」(PS)と「Xbox」。いずれも次世代機が11月に発売される予定になっており、既にECサイトでは予約が争奪戦になるなど話題を呼んでいる。こうした背景を踏まえ「東京ゲームショウ2020」(オンライン開催、9月23〜27日)の専門セッション「2021年に向けたゲーム業界最新技術トレンド」では、ゲーム業界の有識者が登壇し、次世代機で注目すべきポイントや、今後のゲーム業界の動向について意見を交わした。



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 PSとXboxの次世代機としては、標準モデルの「PS5」「Xbox Series X」に加え、それぞれ光学ドライブ非搭載の低価格版「PS5 Digital Edition」「Xbox Series S」というモデルが発表されている。



 いずれも、まず注目すべきはそのグラフィック性能だ。PS5のグラフィック性能は最大10.28TFLOPS、Xbox Series Xは12.15TFLOPSと公表されている。前世代機はそれぞれ、PS4で1.84TFLOPS、PS4 Proで4.20TFLOPS、Xbox Oneで1.3TFLOPS、Xbox One Xで6TFLOPSであるため、少なくとも約2倍以上の性能を実現している。



 PS初期からのユーザーであるというゲームジャーナリストの新清士さんは、「PS4の『Ghost of Tsushima』でも圧倒的なグラフィックだと感じたのに、ここからさらに性能が上がると考えると、5年先を見たハードという意味ではものすごいインパクト」と述べた。



 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平さん(プロダクト・エヴァンジェリスト/教育リード)は「画面の美しさばかりが注目されるが、解釈できる画面上の情報が増えることでゲームの作り方も変わってくる」と、影響が作り手にも及ぶことを指摘した。



 その他のスペックも前世代機から向上している。PS5は容量825GB(5.5GB/s)、Xbox Series Xは容量1TB(2.4-4.8GB/s)のSSDを搭載しており、ロード時間が減ることでユーザーの体験価値向上につながるという(前世代機の内蔵ストレージ容量は、PS4でHDD 500GB/1TB、PS4 ProでHDD 1TB/2TB、Xbox OneでHDD 500GB/1TB)。



 3Dオーディオ技術として、PS5では「Tempest Engine」、Xbox Series Xでは「Dolby Atmos」を採用しており、テクニカルジャーナリストの西川善司さんはサウンドについても「両社とも気合が入っている」と評価する。



●VRやソーシャル化による次世代のゲーム体験



 続いて話題はVRやソーシャル化などによる「ゲーム体験」へと移った。



 “VR元年”と呼ばれた2016年から4年。20年1月には、ソニー・インタラクティブエンタテイメントが「PlayStation VR」(PSVR)の世界販売台数が500万台を突破したと発表した。10月には、米Facebookが一体型VRヘッドセットの新製品「Oculus Quest 2」を発売する予定だ。



 ゲームジャーナリストとしての活動の傍ら、Thirdverse(東京都新宿区)の代表取締役としてVRゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」を開発する新さんは、Oculus Quest 2がPCやケーブル不要のスタンドアロン型であることに着目。「スタンドアロン型では没入感が上がる。ソード・オブ・ガルガンチュアでも、例えば剣を振り回す動作においては、体を動かせば動かすほど入り込んでいくような気分になる」とスタンドアロン型VRヘッドセットのメリットを語った。



 簗瀬さんはVRについて、その用途の広がりに期待しているという。



 「ここ2〜3年でコミュニケーションにVRを使う人が増えてきた。もともとOculusは比較的技術に強い人が使っている印象だったが、最近ではゲームをやっていなかったような人が『VRChat』を使っているという話もある。コミュニケーションの手段としてVRを利用し、そこからゲームに入っていくという流れも今後生まれてくるのでは」(簗瀬さん)



 西川さんは「FacebookがOculusを買収した背景には、VRをコミュニケーションに活用したいという狙いがあったのでは」と考察した。



 「コロナ禍によってバーチャルの世界が注目されたが、どうしても物理的な距離ができてしまう。しかし、VRでは存在感的なものも伝わる。Facebookは人と人とが触れ合えるような感覚をVRでもたらしたいという目標があるのではないか」(西川さん)



 一方で、オンラインゲーム「Fortnite」や「あつまれ どうぶつの森」に代表されるように、ゲーム自体においてもコミュニケーション要素が増えつつあるといえる。



 こうしたトレンドについて簗瀬さんは「ネットワークを通じたコミュニケーションが当たり前になる中、ゲームにおいても同様の現象が起きていくことは自明。フォートナイトは、コミュニケーションを目的としたものではなかったが、体験共有の場が起点となりコミュニケーションが発展した」と分析した。



 「逆にFacebookのようなコミュニケーションの場がゲームの場になっていくケースもありえる。人が集まればゲームの場になるし、ゲームの場があれば人が集まる。ゲームとソーシャルの垣根は今後なくなっていくのでは」(簗瀬さん)



●2021年のゲーム業界に期待すること



 最後は「2021年のゲーム業界に期待すること」というテーマでトークが繰り広げられた。



 新さんはテーマに対し「リアル・バーチャルを問わないコミュニケーション」を挙げ「アバターを通して自分とは違うアイデンティティーをゲーム内で実現するということが起きている。この流れがPS5やXbox、VRのハードでも進んでいくと思う。リアルとバーチャルを分けることに意味がなくなってきている」と、その理由を説明した。



 「ウルトラワイドへの対応を望む」とするのは西川さん。装着が煩わしい、長時間プレイに向いていない、酔いやすいといったVRのデメリットを挙げたうえで、直視とVRの間のような体験として、ウルトラワイドモニターを推奨した。「32:9のウルトラワイドモニターでは、画角がおよそ90度になる。視野角いっぱいにゲームを楽しめるため、VRにかなり近い体験となる」という。



 簗瀬さんは「クリエイターの頭の中にあることでも、ハードのスペック上実現できていないことは多くある。そうしたことができるようになった瞬間こそが、新しいハードの醍醐味(だいごみ)」とし「今想像できないものを遊びたい」と希望を述べた。


このニュースに関するつぶやき

  • いずれPS5は買うつもりだけど、まさかゲーム機が希少品になる時代がくるとは思わなかったわ。。。
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  • ゲーム業界は半世紀足らずで大きく変わった。今のゲーマー世代も後10年経てば付いていけないゲームが増えると思うよ。
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