登板すれば“炎上”の投手も… 今季限りで退団が濃厚な「新助っ人」は?

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2020年10月01日 16:00  AERA dot.

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写真開幕から苦しい投球が続くスコット (c)朝日新聞社
開幕から苦しい投球が続くスコット (c)朝日新聞社
 毎年多くの外国人選手が大きな期待を背負って来日するが、長く日本で活躍できる選手はわずかである。そこで今回は今年新加入した外国人選手の中で、残留が難しそうな選手をピックアップして紹介したいと思う。※成績は9月30日現在のもの

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 セ・リーグではDeNA、広島、ヤクルトの3球団に微妙な立場の選手が多い。まずDeNAで最も厳しい状況にあるのが投手のピープルズだ。先発の一角として期待されて入団し、ここまで9試合に登板(うち先発は7試合)して2勝をマークしているが防御率は5点台と安定感を欠くピッチングが続いている。多くの球種を操るが、組み立ての中心となるようなボールがないのが現状だ。外国人枠の問題もあって、登板機会が不規則で調整しづらかったというのは不運だったが、残りの試合でよほどの快投を続けなければ今季限りとなる可能性が高いだろう。

 DeNAでもう一人評価が難しいのがオースティンだ。メジャーリーグで放ったヒットの約3割がホームランという長打力を期待されて加入し、度々その力を見せつけるような場面はあったが、とにかくコンディションが安定せずに全体の半分以下の出場試合数にとどまっている。守備のプレーをきっかけに故障することも多いだけに、指名打者制のないセ・リーグには向いていないという声が聞かれるのも確かだ。今年で29歳とまだ若く、ソトの去就が微妙なだけに残留の可能性も十分にあるが、安定して試合に出られない状況が続くようだと今年限りで退団ということも考えられる。

 下位に沈む広島は既にD.Jジョンソンが楽天にトレードとなったが、もう一人リリーフとして期待されたスコットも今年限りとなる可能性が高そうだ。クローザーを任されたものの、開幕3戦目のDeNA戦で一つのアウトもとれずに4連打を浴びて逆転サヨナラ負けを喫すると、その後も投球に改善の兆しは見られず、6試合に登板して防御率は22.50という散々な成績に終わっている。速いスライダーとツーシームで組み立てるがどちらも制球はアバウトで、打者を圧倒するような球威も見られない。唯一の話題となったのが初の南アフリカ出身選手というのは寂しい限りである。

 ヤクルトも弱点である投手陣を補強するために獲得したイノーア、クックという二人が期待外れの状況だ。イノーアは高い制球力が武器でオープン戦、練習試合から先発の一角として度々マウンドに上がっていたが、立ち上がりから失点する試合が続いて7月下旬には登録抹消。約1カ月の調整期間を経てリリーフとして一軍昇格を果たしたものの、9月1日の阪神戦ではサンズにサヨナラホームランを浴びるなど、そこでも結果を残すことができなかった。高い制球力が売りだったがストライクゾーンで勝負できるボールがなく、かわそうとしてカウントを悪くして自滅するというパターンが多い印象だ。

 もう一人のクックも開幕から調子が上がらずに二軍での調整が続き、ようやく8月下旬に一軍初登板を果たしたが、2度の先発はいずれも序盤から失点して敗戦投手に。その後リリーフに配置転換となったが、安定感には欠ける投球が続いている。150キロを超えるスピードが持ち味という触れ込みだったが、実際は140キロ台中盤が多く、必殺の武器となる変化球も見当たらなかった。

 パ・リーグの投手では西武で先発の一角として期待されたノリン、楽天の抑え候補だったJ.T.シャギワが苦しい状況だ。ノリンは開幕から出遅れて二軍での調整が続き、8月29日にようやく一軍初登板。最初の2試合こそ6回を投げて3失点以内に抑えて試合を作ったが、その後は序盤に崩れる試合が続き、9月26日の楽天戦では左肩の不調を訴えて1回で降板している。トルネード気味の独特のフォームが話題となったが外国人投手にしては球威がなく、パ・リーグの強打者相手には厳しい印象だ。

 シャギワは開幕から7試合連続で無失点と好スタートを切ったが、徐々に調子を落として崩れる試合が増え、ここまで防御率6点台に沈んでいる。150キロを超えるスピードはあるものの数字ほどの威力が感じられず、ボールの角度もない。少し変則的なモーションが徐々に慣れられてしまったというのが現状である。何か大きな変化がないと、このまま敗戦処理で終わる可能性が高いだろう。

 ここまで去就が厳しい新外国人選手をピックアップしたが、彼らにとってもプラス要因はある。今年アメリカではマイナーリーグが中止となり、新外国人選手の調査が難しくなっているのだ。そうなると国内でプレーしている選手に白羽の矢が立つことも十分に考えられる。シーズン終盤に活躍を見せれば他球団からオファーが届く可能性もあるだろう。そういう意味でも彼らのここからの奮闘に期待したいところだ。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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