コロナ禍でも変わらず輝く。郷ひろみが教えてくれる“当たり前”の凄さとは?

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2020年10月02日 06:41  ダ・ヴィンチニュース

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ダ・ヴィンチニュース

写真写真提供/ソニー・ミュージックレーベルズ/ソニー・ミュージックレコーズ
写真提供/ソニー・ミュージックレーベルズ/ソニー・ミュージックレコーズ

 2020年10月1日のNHKホール公演より、郷ひろみのコンサートツアー「The Golden Hits」が開幕した。

 例年ならば、6月に始まり全国で50以上の公演を行うハードなツアーも、今回はコロナ禍により日程が大幅に変更されたほか、ステージの内容も当初の企画を完全にリセット。今年発売された105枚目となるシングル曲『ウォンチュー!!!』のほか、『お嫁サンバ』など誰もが知る自身のヒット曲を中心に構成するなど、ライブイベントが激減し活気を失ったエンタメ界や、オーディエンスにエールを送るかのようなコンセプトに変更したという。

 1955年生まれ。今年で65歳を迎えるのだから、世間一般の基準では完全にシニアである。それだけにテレビ番組やCM、雑誌のグラビアなどで見かける容姿や言動が、年齢をまったく感じさせないことに対し、驚異の念を抱く人も多いことだろう。

黄金の60代
『黄金の60代』(郷ひろみ/幻冬舎)

 今年の夏に発売されたエッセイ集『黄金の60代』は、そんな郷ひろみにまつわる不思議の謎を解くヒントが詰まった1冊である。

 とはいえ、60代に到達したことを契機につづり始めたという数年分のメッセージで構成された本書に、いわゆる“◎◎健康法”のように突飛な習慣や、意外なエピソードが含まれているわけではない。

 定期的に運動をする、よく噛んで食べる、夜間の食事を避ける、十分な睡眠をとる。

 たとえば健康についての言説を抜き出してみても、そこにあるのは、驚くほど“当たり前”な基本事項のオンパレードだ。仕事や人生に対する考え方もまた、いささかストイックな面が強いものの、個別にみればいたって“当たり前”の範囲内といえる。きらびやかな「ザ・芸能人」の舞台裏的な内容を期待していた人ならば、ちょっとした肩透かしを食らうかもしれない。

 しかし、よくよく考えてみれば、これこそ郷ひろみの“凄さ”なのである。生活習慣ひとつにしても、起床から就寝まで、すべてにおいて“当たり前”を通すことができる人間なんて、実際には皆無に近いわけなのだから。

つまり、普通のことをコツコツやっていけば、人は勝手に、特別と判断するのでは、と思うようになった。初めから特別なことをやろうとすれば、じつは、人から、風変わりな奴、と一笑に付されるだけなのだ。
(「まえがき」より)※P10

 1972年のデビューから50年近く。日々“当たり前”を積み重ねることにより、結果的に“特別な存在”となった郷ひろみ。人生の大半を第一線で活躍する歌手として生きることに対しても、本人曰くすでに“当たり前”になっているため、公私の区分という感覚がほとんどないのだという(もちろん、人はその感覚を“特別”というわけだが)。

 先行きがまったく見えない社会情勢を考えれば、ツアー自体の中止という判断も十分にあり得たはず。しかし厳しい感染予防策を講じた上に、敢えてコンセプトを変更してまでステージに立つことを選んだのは、歌手・郷ひろみにとって、やはり“当たり前”のことだったのかもしれない。

 ゴージャスな衣装に、キレのあるダンスパフォーマンス。加えて今回のツアーでは、楽器演奏まで披露するという盛りだくさんのステージを、来年春まで展開する郷ひろみ。65歳の誕生日にあたる10月18日には、初の配信ライブ「HIROMI GO Live Online“65th BIRTHDAY from HIDEOUT STUDIO”」も予定されている。

 タイトルでもある「黄金の60代」の、今まさにど真ん中。誰もが認める希代のスターが歌い、踊る姿を観て、そして本書を読めば、あらためて“当たり前”に生きることの大切さ、そして難しさを理解することができるのではないだろうか。


写真提供/ソニー・ミュージックレーベルズ/ソニー・ミュージックレコーズ

文=石井敏郎


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