――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
私の髪形は、ちょっと長めのボブ。この髪形をかれこれ2年ほど続けています。一時期は髪を伸ばしたこともあったのですが、髪を乾かすのに時間がかかるし、周りから「長い髪似合うね！」と言われることもなかったので、ボブでいっかぁと思い至ったのです。
とはいえ、2年も同じ髪形をしていると飽きが来るのも事実。毎回、美容師さんに「伸びた分をカットしていただいて、根元染めをお願いします」と言うのも飽きてきました。
今日こそはなんかこう、面白い注文をしてみたい。知らない自分を発見してみたい。そう思った私は、芸能人でもYouTuberでもないのに、美容師さんにこんな注文をつけました。
「ちょっとスパイスのきいた雰囲気にしてください！ おまかせで！」
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美容師さんはちょっと驚いた顔で、「今と全然違う髪形ってことですか？ それだとかなり短くなりますけどいいですか？」と聞いてきます。おお……そう言われると……ちょっと怖くなってきたぞ。
「あ、長さは……それほど変えずにお願いできますか？」
ビビった私はそう答えました。長さをそれほど変えないならお任せとか言うなよ！ って話なのですが、美容師さんは怒らずに提案してくれました。
「じゃあ、髪色で変化をつけてみますか？ インナーカラーとかどうでしょう？」
インナーカラー？ 美容師さんいわく、髪の外側は普通の茶色のままで、髪の内側をピンクや黄色にするとのこと。そうすると、髪をかき上げたときに、ピンクや黄色の髪が見えるというわけです。おっしゃれ〜〜〜！
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「それでお願いします！」
私はワクワクしながら頷き、インナーカラーなるものを入れてもらうことにしました。しかし、そこからが長かった……。
インナーカラーを入れるためにはブリーチをしなければならないらしく、めちゃくちゃ時間がかかるのです。「ブリーチをするので、トリートメントもしたほうがいいですよ」という美容師さんの申し出に頷いたので、さらにトリートメントにも時間がかかりました。
そして3時間後……。ついにインナーカラーが仕上がりました。髪を下ろした状態ではまったくわからないのですが、髪を耳にかけるとチラチラとピンク色が見えて、可愛い！
「外ハネするようにスタイリングすると、インナーカラーが見えて可愛いですよ〜」と美容師さん。ヘアアイロンを使い、ピョンピョンと外側に跳ねるようにヘアセットしてくれました。わお、なんかちょっと私、アメリカ帰りのダンサーの卵みたいよ!? 35年間、まったく自己主張してこなかった髪が、アメリカ留学から帰ってきたかのようだわ!? 今なら「ヘイ、ガール！ 世界は広いわ！ ちっちゃなことで悩まないことよ、HAHAHAHAHA！」って陽気に笑えそう。
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千葉「こういう髪形もいいですね！なんかすごく明るい人って感じで！」
美容師さん「そうですね！ 千葉さんはお仕事もおうちでの作業ですし、髪色は遊んじゃってもいいと思いますよ！」
千葉「ですね！ ピンクに飽きたら緑とかにしてみようかな〜♪」
そして意気揚々と椅子から立ち上がり、私はレジへと向かいました。ああ、気分がいいからこのまま買い物に出かけちゃおうかな♪ 洋服屋さんを覗いて、明るいトップスでも買おうかなあ♪ 私はダンサー、今にもステップを踏んで踊り出しそうよ？
美容師さん「2万4,980円になります〜♪」
WHAT!?!?!?!?!?!?!?!? まさか美容室で2万円超えの価格を提示されるとは夢にも思わず、私は笑顔のまま絶句しました。い、いっても1万3,000円くらいだと思っていたよ〜〜〜！ 技術料ってお高いんですね〜〜〜（涙）!!
まあ……考えてみれば、美容師さんだって3時間もつきっきりで施術してくれたわけですから、安いわけないですよね……。ううむ、インナーカラーおそるべし。髪形もおしゃれに保つためには金がかかるのねえ……。
「今度は緑色ですね♪」と美容師さんは送り出してくれましたが、私は早くも、次回この店に来た時の言い訳を考えていました。「やっぱり、いつもの自分じゃないと落ち着かなくて〜」って言おうかな……うん。奇抜な髪形をしている人って、高いお金を払って自己表現しているんだなあ。これからインナーカラーをしている人を見たら、尊敬のまなざしで見てしまいそうです。
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