松下洸平 役に命を吹き込む秘訣は想像を膨らませた“架空の履歴書作り”だった

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2020年10月20日 11:30  AERA dot.

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写真AERA 2020年10月17日売り表紙に俳優・松下洸平さんが登場
AERA 2020年10月17日売り表紙に俳優・松下洸平さんが登場
 俳優・松下洸平さんがAERAに登場。32歳で朝ドラ出演を掴み、長かった下積み時代について尋ねると、繰り返し語ったのは仲間への思いだった。AERA 2020年10月26日号から。

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 朝ドラ「スカーレット」で印象的なシーンがある。松下演じる八郎が、絵付け師の深野を訪ね、戦争中に深野の絵を売り、食べ物に換えたことを詫びる。飢える苦しみ、惨めさ、代金で買った米と卵がどんなにおいしかったか。短い一人語りのシーンから、八郎の半生が見えてくる。そう伝えると「うれしいです」と目を細め、顔をくしゃっとさせた。

「役を豊かにするために、台本に書かれていない人生を想像して、頭の中で履歴書みたいなものを作るのが、僕なりのやり方なんです」

 両親の名前、きょうだい構成、幼い頃の思い出に至るまで、事細かに想像を膨らませる。その「履歴書」が脚本や演出の意図とずれないよう、現場でのコミュニケーションも大切にしている。

 ドラマ「MIU404」で演じた、逃走犯・加々見も彼によって命を吹き込まれた“一人”。物語のラストで加々見は逮捕される。パトカーに乗り込む前、因縁のある故郷の富士山を少し見つめた後、逃走を手助けした夫妻に一礼する。実はこの「富士山を見つめる」というト書きは、元々台本には書かれていなかった。

「監督と『加々見はこの後罪を償い、新しい一歩を踏み出すに違いないと、どうすれば視聴者に感じてもらえるか』と話し合い、『(加々見は)自分の育った景色を見た時に、またここに戻ってこようと思うのでは』とお話しして。そしたら、あのシーンを撮ってくださったんです。本当に幸せな現場でした」

 ドラマ「#リモラブ〜普通の恋は邪道〜」に出演中で、公開待機作も多い。多忙な日々の息抜きを聞くと、「こういうのがすごい好きなんです」と、机に散らばった雑誌の角をぴしりと整えた。

「たまにわざと部屋を散らかしておいて、『フンッ、帰ったらものすっごい綺麗にしたるからな』と家を出ています(笑)」

(ライター・市岡ひかり)

※AERA 2020年10月26日号

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