“日本サッカー界期待の星”から伸び悩んだ選手も…「J1で活躍できそうな」J3の男たち

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2020年10月20日 17:00  AERA dot.

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写真世代別の日本代表に選ばれるなど、将来を嘱望された坂井大将 (c)朝日新聞社
世代別の日本代表に選ばれるなど、将来を嘱望された坂井大将 (c)朝日新聞社
 新型コロナウイルスの影響で入場者数制限は続いているものの、各地で熱戦が繰り広げられている今季のJリーグ。J1では川崎が圧倒的な強さで首位を快走し、J2では福岡、徳島、北九州、長崎の四国・九州勢が上位を独占。そんな中、J3では秋田が10月11日に開催されたC大阪U−23戦に勝利し、開幕20戦無敗(15勝5分け)というJリーグ新記録を打ち立てた。ここで改めてJ3の選手個人に注目し、「J1でも活躍できそうな選手」をピックアップしたい。※以下、順位と成績は全て10月18日終了時点のもの

 まず初めに推薦すべきは、首位・秋田の守護神、GK田中雄大だ。1995年11月17日生まれの24歳。青森山田高時代に選手権に2年連続で出場し、桐蔭横浜大を経て2018年にJ3相模原へ加入。今季から秋田に完全移籍すると抜群の反射神経とコーチングでゴールに鍵をかけ、開幕から7試合でわずか1失点。シュートセーブ率95%という驚異的な数字を残してJ3リーグの月間MVPを受賞した。その後も全試合出場を続けながらビッグセーブを連発し、22試合中16試合でクリーンシートを達成。22試合7失点というのは、どれだけ優れたDF陣が揃っていたとしても、GKの能力が高くないと実現は不可能な数字だ。

 その秋田の攻撃陣で目立つのが、MF江口直生だ。1992年3月22日生まれの28歳。大阪産業大から2014年にJ2愛媛に加入し、2017年から秋田に所属。ボランチとして攻守のバランスを取るが、何と言ってもセットプレー時の右足精度が抜群。第16節の鳥取戦でFKとCKから2アシストをマークするなど、常に高質なボールを送り続け、ここまでリーグ最多の9アシストを記録。さらに第8節のYS横浜戦では左斜め45度の位置からのFKでニア上をぶち抜くと、第19節の岩手戦でもFKで直接ゴール。セットプレーからの得点が全体の30%を占めると言われる中、江口に触手を伸ばすJ1チームがいても不思議ではない。

 3位につける熊本では、FW谷口海斗に注目だ。1995年9月7日生まれの25歳。四日市中央工高時代はBチーム、岐阜経済大2年次にセンターバックからフォワードに転向したという遅咲きのストライカー。2018年にJ3盛岡(現岩手)に入団して15得点の活躍を披露すると、昨季は9得点と数字を落としたが、熊本に移籍した今季はここまで全試合に先発出場してリーグトップの12得点をマーク。3トップの左の位置から積極果敢に相手ゴールに迫り、体力、フィジカル的な強さを生かしながら、カットインや鋭い切り返しからの右足ゴール、難しい態勢での左足ボレーなど、多彩なパターンでゴールを量産している。

 熊本にはもう1人、3トップの中央を務めるFW高橋利樹も絶賛成長中だ。1998年1月20日生まれの22歳。埼玉栄高から国士舘大を経て熊本入りした大卒ルーキー。開幕戦から体を張ったプレーを続けながら、高さを生かしたヘディングと裏への抜け出しでゴールを重ね、第13節の富山戦では前線からのチェイシングで自らボールを奪い、そのままエリア外から豪快な右足ミドル弾で今季7点目。高さと強さ、得点力を兼備した1トップ型の日本人FWは希少価値が高く、このまま結果を残し続ければ、さらなるキャリアアップが可能になってくる。

 一度は落とした評価を再浮上させて“覚醒”が期待されるのが、鳥取で奮闘するMF坂井大将だ。1997年1月18日生まれの23歳。大分の下部組織出身で2015年にトップ昇格。各世代別代表に選ばれ、2013年U−17W杯と2017年U−20W杯に出場。2014年のブラジルW杯では、日本代表のトレーニングパートナーに選ばれてA代表に帯同した経験も持つ。

 その肩書に相反し、J2大分で出番を得られず、ベルギー2部や新潟、群馬での武者修行先でも状況は変わらずに伸び悩んだが、今季レンタル移籍した鳥取では、シャドーストライカーとして22試合中20試合(先発15試合)に出場してチームトップタイの6得点。ボランチを本職にしていた以前はフィジカル的な弱さが目立ったが、より攻撃的な位置で高い技術が発揮されるようになった。器用貧乏から脱することができれば、再び陽の当たる場所に戻ることができるはずだ。

 また、坂井と同じ大分の下部組織出身のFW吉平翼も期待の存在だ。1998年1月5日生まれの22歳。2016年にトップ昇格を果たした後、昨年までは大分に保有権があったが、今季より藤枝に完全移籍すると、ここまで22試合中19試合(先発14試合)に出場して7得点。第10節のC大阪U−23戦で後半途中出場から決勝弾をマークすると、タイミングの良い裏への抜け出し、ゴール前でのポジショニングと鋭い嗅覚で得点を重ね、第13節から17節にかけて5試合6得点と大爆発した。FWは結果がすべて。得点数を増やし続ければ、J1への扉も開かれるだろう。

 Jリーグの発足以降、若年代の育成システムが整備され、近年は情報伝達のスピードも格段に上がった日本サッカー界だが、28歳までJ3以下のカテゴリーでプレーしながら31歳となった現在はJ1神戸でプレーするFW藤本憲明のような存在もいる。日本よりも長い歴史のある欧州リーグでも、工場勤務のセミプロからプレミアリーグ制覇の主役に成り上がったFWジェイミー・ヴァーディがいる。「ネクスト・藤本」、「ネクスト・ヴァーディ」は誰か。令和の新時代。新たなシンデレラ・ストーリーの誕生を期待したい。





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