重症化した悪阻は妊娠中および産後の鬱リスクを高める

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2020年10月21日 14:01  妊活・卵活ニュース

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妊娠悪阻が精神状態に与える影響
インペリアル・カレッジ・ロンドン、インペリアル・カレッジ・ヘルスケアNHSトラストは、「BMJ Open」にて、妊娠悪阻(重症化した吐き悪阻・つわり)により、妊娠期の鬱病リスクは8倍、産後の鬱病リスクでは4倍になると発表した。

悪阻・つわりとは、妊娠に伴って起こる吐き気・嘔吐などの消化器症状を示す。一般的な悪阻は妊娠5週から8週から始まり、妊娠12週から16週頃に治まるといわれるが、なかには、重症化するケースもある。

吐き悪阻が重症化した場合、妊娠悪阻(HG:にんしんおそ)となり、激しい吐き気・嘔吐により体重減少と脱水症状に苦しみ、悪阻の期間中、あるいは妊娠期間中、入院を余儀なくされることも少なくない。

妊娠悪阻と妊娠中・産後の鬱リスク
研究チームは、ロンドンの医療機関3ヶ所にて妊娠初期の女性214人を対象に、妊娠初期および産後6週間の精神状態に関するアンケート調査を実施した。被験者のうち半数は妊娠悪阻により入院中であり、妊娠前の一年間、メンタルヘルスケアを必要とする女性はいなかった。

妊娠期に悪阻が重症化し、妊娠悪阻を経験した女性は、49%が妊娠中に鬱状態であり、30%は産後鬱であったと回答している。一方、妊娠悪阻を経験しなかった場合、妊娠期に鬱状態になった女性は僅か6%、産後鬱では7%であった。

調査を通じて、妊娠悪阻によって妊娠期の鬱病リスクは8倍、産後の鬱病リスクでは4倍になることが認められた。なかには妊娠悪阻の苦しさから自傷行為をする女性もいたと報告された。また、妊娠悪阻を経験した女性のうち半数は、鬱状態を理由に妊娠中あるいは産後に4週間以上、休職していた。

なお、今回の調査では、妊娠悪阻と母子の絆において、直接的な関連性は確認されなかったが、他研究にて鬱は母子の絆に対して否定的な影響を及ぼすと報告され、被験者8人が出産に至らなかった。研究チームは、妊娠悪阻に対する認識を改め、医療ガイドラインの変更が必要であると訴える。

(画像はプレスリリースより)

Imperial College London

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