ディープフェイクポルノ 被害女性は耐えがたい苦痛、法整備を…元歌手平松まゆき弁護士

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2020年10月21日 16:20  まいどなニュース

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写真「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画が出回っている/takasuu(c)123RF.COM
「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画が出回っている/takasuu(c)123RF.COM

 人工知能(AI)技術を使って女性芸能人のわいせつ動画を無断で作成し、インターネット上に公開したとして、警視庁保安課が名誉毀損などの疑いで男2人を逮捕した。ともに容疑を認めているという。「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画で、AV女優の画像と合成していた。技術の進化とともに犯罪も巧妙化する。問題点を、かつて歌手デビューも果たした平松まゆき弁護士にQ&A方式で解説してもらった。

 Q 最近、AI技術を駆使した「ディープフェイクポルノ」で初の逮捕者が出たということです。ほかにもアイコラや透かし画像といった違法な加工技術が進化し、女性芸能人や女性アスリートに被害が及んでいます。どのような犯罪となりますか?

 A 名誉棄損罪、わいせつ物頒布等罪あたりが成立する可能性が高いと思います。名誉毀損罪は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金、わいせつ物頒布等罪は2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する等、決して軽い犯罪類型ではありません。このほか著作権法違反としての刑事罰が課される可能性もあります。

 Q 民事上はどのような法的問題がありますか。

 A 民事上は不法行為にあたるとして損害賠償義務を負います。ほかにも商業行為に利用したと評価できるような場合にはパブリシティ権の侵害に基づく損害賠償義務を負うこと等も考えられます。

 Q 実際の法の運用の難しさや、被害女性が受ける心理はどのようなものでしょう?

 A 運用の難しさについては次々と登場する新たな犯罪について、果たしてどこまで現在の刑法だけで対応できるのかという問題もあります。いずれにせよ、被害者にとって警察や弁護士に相談することは耐えがたい苦痛です。技術が精巧であればあるほど苦痛は増します。犯人が逮捕されても画像や映像はネット上に残存する場合もあります。

 Q 今後、規制は必要でしょうか?

 A 本来は、映像分野におけるAI技術の進化は、私たちが未知のエンターテインメントを享受するために向けられるはずのものです。「悪用される可能性があるから」という理由だけで技術の進化に規制をかけるべきではないとは思いますが、少なくとも被害者が泣き寝入りしなくてすむような法整備が急がれるところです。

◆平松 まゆき 弁護士。大分県別府市出身。12歳のころ「東ハトオールレーズンプリンセスコンテスト」でグランプリを獲得し芸能界入り。17歳の時に「たかが恋よされど恋ね」で歌手デビュー。「世界ふしぎ発見!」のエンディング曲に。20歳で立教大学に入学。芸能活動をやめる。卒業後は一般企業に就職。2010年に名古屋大学法科大学院入学。15年司法試験合格。17年大分市で平松法律事務所開設。ハンセン病元患者家族国家賠償訴訟の原告弁護団の1人。

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