阪神・福留の退団が持つ意味…リーダー不在の懸念も、ベテラン頼みから脱却へ

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2020年10月23日 16:00  AERA dot.

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写真阪神から戦力外通告を受けた福留孝介 (c)朝日新聞社
阪神から戦力外通告を受けた福留孝介 (c)朝日新聞社
 阪神・福留孝介の戦力外報道。

 公式発表前のフライング気味のニュースだったが、周囲に驚きはなかった。

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 世代交代、イメージ回復のため、球団挙げての一大プロジェクトの1つ。日米で活躍したレジェンド、そして阪神の今後はどうなるのか……。

「来季残留は最初からなかった」

 在阪テレビ局スポーツ担当者は今回の戦力外報道を解説する。

「戦力外の実質的な公式発表。本来なら福留ほどの選手なので、本人の口から語るべきこと。しかし本人は阪神への愛着もあって答えを出せずにいた。先手を打つような形で、球団に近い人物がマスコミ各社にリークしたとも考えられる。そうでなければ、広報部からクレームが入るはず。同日に各社一斉に報じたのはそういった事情もあったのはないか。今回の報道は各社ともしがらみなく伝えたはずで、特ダネではなかった」

 昨年の鳥谷敬(現ロッテ)や藤川球児はシーズン中でも公式の場で退団、引退を発表した。福留もここ数年は調子の波が激しく往年の輝きこそないが、大功労者であることには変わりない。

 またスター選手の去就問題などはセンシティブな部分。信憑性がなければ、球団広報部が異議を申し立てるのはどのチームも同じ。マスコミ情報に神経質で細かいことで知られる阪神なら尚更だ。

「体力や視力の衰えはある。しかし打撃技術はまだトップレベル。柔らかいリスト使いとバット使いの巧みさは変わらない。また堅実性のある外野守備も魅力。走力は落ちても経験によるポジショニングは秀逸。送球の正確性などは若手の見本にもなる。年間フル出場は難しくても、他選手との併用なら戦力として行けたはず。ベンチにいるだけで(相手チームにとっては)嫌な存在だけにもったいないが、それも編成の判断でしょう」(在京パ・リーグ球団スコアラー)

 プロ22年目の大ベテランは阪神8年目の今年は打撃不振で43試合出場、打率.154、1本塁打、12打点と低迷している。しかし昨年は104試合出場、打率.256を記録するなど、使い方によっては戦力になれる選手だ。またグラウンド内外で精神的支柱として欠かせない存在でかつては主将も務めた。『将来の監督』とも言われ、最悪でも『打撃コーチ兼任』での残留が基本線と思われていた。

「大山悠輔のブレークが大きい。最近は良い感じでスイングできていたが、ここまで結果を残すとは誰も想像していなかった。大山が1人前になるまでは打線の柱になれる福留は必要だ、と考えられていた。しかし今年の成績を見ると話は変わってくる。また打撃だけでなく守備も器用で、本職の三塁手のみでなく外野手もできるので、福留の後の右翼手を任せるにはうってつけ。福留も内野手から外野手に転向して名手になった。生え抜きの和製大砲に周囲は大注目している」(阪神担当記者)

 阪神は昨年のCS出場をはじめ、明るい未来も見え始めた。今年は巨人の独走を許してしまったが、可能性を感じさせることもあった。生え抜き選手が少しずつ台頭しており、ベテラン頼みからの脱却が必要な時期にも差し掛かっていた。大山は本塁打王争いを繰り広げるなど、世代交代の中心にいる。大山を外野に専念させれば、ドラフトなどで内野強化できる。また中堅・近本光司、右翼・大山の外野陣は阪神のウリにでき、熱狂的な右翼席の虎党も大喜びだ。

「9月に発覚した新型コロナウイルス感染予防のための内規違反も関係しているのではないか。親会社の阪急阪神ホールディングスとしては、鉄道会社として安全面を最優先している。国難の状況下、中心選手の軽率な行動は看過できなかった。コンプライアンス重視を世間的にアピールするためにも、福留残留は難しい判断だったと考えられる。春先にコロナ感染者が出た際にはチームを代表して謝罪、世間を巻き込んで絶賛された。それが半年後には同じコロナ問題で総スカンを食らい退団。まさに天国から地獄、いろいろなことが積み重なったタイミングだった」(阪神担当記者)

 開幕前、藤浪晋太郎をはじめ3選手が新型コロナウイルスに感染しチームは活動休止となった。福留はオンラインの取材においてチームメートの軽率な行為を謝罪した。自ら矢面に立つ形だったため、福留の男気溢れる行動は絶賛された。しかし今度はシーズン中、感染予防のための内規を破る人数で会食したことが発覚、球団から制裁金を課されていた。感染リスクが高い行為を自ら行った問答無用の行為。球界内外から批判の声が上がり懲罰は必至と見られていたが、戦力外通告にまで結びついてしまったのか……。

「若手の台頭やコンプライアンス問題などもある。年齢的にも遠くない未来での現役引退は考えられたため、戦力外通告を行うのも理解できる。しかし現在の阪神を客観的に見るとチームリーダーがいなくなってしまう。結果を出し始めた大山をはじめ、野手の主力選手には真面目な選手が多く牽引力あるタイプがいない。投手陣も藤川球児のように言動で引っ張るタイプはいない。エースの西勇輝もグラウンド内外で何かと騒がしい。少しでもボタンを掛け違えるとチームが空中分解しかねない。巨人には坂本勇人、菅野智之という投打のリーダーがいるのとは大違いです」(阪神担当記者)

 阪神の行く末がどうなるかも興味深いが、それ以上に福留自身の今後の選択が見ものだ。

 肉体的に衰えはあるかもしれないが、高い技術力と存在感は未だ健在である。どこでプレーしようがチームにとって大きな影響を及ぼすことは想像できる。

 同じ阪神レジェンドでも、東京出身・鳥谷敬のようなスマートな姿勢とは違うイメージ。これまでのように紆余曲折、泥臭い実直な野球人生を最後まで見せて欲しい。
今こそほえろ孝介だ。薩摩隼人の意地を期待したい。










このニュースに関するつぶやき

  • 阪神担当記者の思い込み記事やろ。 プロなんだから、結果が残せなかったら、終わりなんだよ。
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  • コンプライアンス云々は関係ないと思うな。ベテランで打率.256なら若手を使いたい気持ちは分かる。問題は、使いたい若手がいるの?年俸が引っかかってくる年齢と成績のバランスもね。
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