ドラフト候補、明石商・中森&来田が互いの性格を語る。意外な一面も

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2020年10月23日 17:12  webスポルティーバ

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 高校に入学した2018年4月からここまでの2年半、中森俊介、来田涼斗のふたりは、明石商の投打の軸として常にスポットライトを浴び続けてきた。

 中森は1年春の県大会からベンチ入りし、県大会決勝に続き、近畿大会初戦(大阪桐蔭戦)でも先発のマウンドを任された。

 来田も1年春の県大会からベンチ入りし、いきなり1番打者として起用され、近畿大会の大阪桐蔭戦では先発した根尾昂(現・中日)からサードへの強襲安打を放った。




 そしてその夏、来田は1番、中森は3番手として甲子園デビューも飾った。華々しい高校野球人生を歩み始めたふたりは、ともにメディアに取り上げられることも多かった。そんなふたりを間近で見ていたのが狭間義徳監督だ。中森と来田について、次のように語る。

「ふたりとも根本的にはすごく性格がいい。中森が高校生なら、来田は中学生に見える時もありましたが......(笑)。いずれにしても、この2年半でよう成長してくれたと思います」

 中森は兵庫県丹波市の篠山東中学の軟式野球部出身で、来田は硬式のヤングリーグ・神戸ドラゴンズ出身と、ステージは違ったがお互いの存在は知っていた。そんなふたりが初めて顔を合わせたのが中学3年の夏休みだった。

「夏休みに明石商のオープンスクールがあったんです。来田はいいバッターというのは聞いていましたが、練習で人一倍すごい打球を飛ばしていたのを覚えています。やっぱりほかの選手とは違うなって」(中森)

 一方の来田も中森の剛球に衝撃を受けた。

「中学時代に見たことのないボールを投げていました。体も大きいし、すごいピッチャーがおるんやなと思いました」

 それから1年後、幸運にも甲子園の舞台に立ったふたりだが、中森は来田のある姿が今も強く印象に残っているという。

「(初戦の八戸学院光星戦で)来田は試合前からバットを振るというよりも、振り回しているような感じでした。試合では大きいファウルを打ったら、その感触に浸って両手を振り上げていたり(笑)。初めての甲子園なのに堂々としているなぁと思いました」

 その時のことを来田はこう振り返る。

「相手の3年生ピッチャーに負けたくなかったんです。試合になれば1年生も3年生も関係ない。だから、堂々としていたかったんです。でも、その試合は自分のエラーで負けてしまって......初めての甲子園で1球の大事さを学びました」

 周囲を気にせず、いわゆる「我が道を行くタイプ」に映る来田だが、そのたびに指揮官から「調子に乗るな!」とクギを刺された。ただ、自分から行動を起こしたり、発言したりするのではなく、どちらかといえば先輩についていくタイプだった。そんな来田が変わったのが、昨年秋にキャプテンに就任してからだ。中森がその変化についてこう語る。

「周りのことをよく考えるようになりました。とくに3年生になってからは、チームのことを最優先して、その次に自分みたいな感じで。キャプテンになって静かになったというか、すごく落ち着いたと思います」

 そんな中森は、中学時代の成績はオール5で、商業高校では毎週のように行なわれる資格取得のための検定試験にも積極的に取り組む典型的な優等生だが、意外な一面があると教えてくれたのは来田だ。

「中森は集団よりもひとりで行動したいタイプ。ピンチで伝令が来て、マウンドに内野手が集まる時があるじゃないですか。でも、中森は『集まらなくていい』と素っ気ない態度を取る時をよく見ます。センターから見ていて、自分の世界があるんやなって思っていました」

 すると、中森はすかさず反論した。

「絶対に来てほしくないわけではないんです。試合の流れを見て、ここぞという時に来てほしいタイミングというのがあるんです。(来田が目にしたのは)自分の思う時と違っていた場面だったからだと思います。自分はもともと崩したくないリズムがあって、野球でも『ひとりでいたい』という時があるんです。それは普段の生活でも同じ。とにかく自分のペースを守りたいので、マイペースだと思います」

 そんなふたりに共通するのは"飾らなさ"だ。1年夏からともに甲子園に出場し、2年時には春夏連続して甲子園ベスト4。注目度はどんどん高まり、マスコミに取り上げられることも増え、雑誌の表紙を飾ることもあった。学校でも一目置かれる存在となったが、それでも互いに意識しすぎることもなく、ふたりの距離感は初めて会った時から変わらない。中森が言う。

「一緒にいるのが当たり前。本音も言い合えて、しょうもないことも話せる仲です。素のままでずっと仲良くしているので、特別な感情とかはまったくありません。来田はほんと見たままのキャラクターです」

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 以前ある取材で、互いにプロに進めば違うチームで対戦したいと語っていたそうなのだが、本音は少し違うらしい。

「正直なところ、どっちでもいいんです。同じチームになっても、別のチームになっても......。そのうち、何らかの形で戦うことができれば。この2年半は、中森が頑張っているのを見てきたから自分も頑張れたし、試合でも助けられました。中森がいてくれて本当によかったと思っています」(来田)

「自分も同じです。来田のほうが試合に出るのが早くて、自分はそれが刺激になっていました。来田はバッターボックスに入るとオーラがあるし、際どいところを攻めないと抑えられないバッター。お互い成長してから、将来どこかで対戦できたらいいなというのはあります」(中森)

 コロナ禍の影響で思うように野球ができない時期もあったが、この2年半という時間はふたりにとっていかに有意義であったかがわかる。そして悩みに悩んだ末に提出したプロ志望届。その先にある輝かしい未来を信じながら、10月26日の運命の日を待つ。

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