「体調不良だから車に頼る」は間違い! 高齢者が安全運転するには?

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2020年10月25日 08:00  AERA dot.

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写真高齢者講習で校内のコースを走る参加者 (c)朝日新聞社
高齢者講習で校内のコースを走る参加者 (c)朝日新聞社
 75歳以上の運転者が免許更新時に受検する認知機能検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっています」という判定結果が出る割合は、総受検者数の2〜3%しかない。多発する高齢ドライバーの交通事故は、必ずしも認知機能の低下によるものではなく、むしろ身体能力の衰えや判断能力の低下によるもののほうが多い。

【図解】75歳以上は何が違う?高齢者の免許更新までの流れはこちら

 高齢ドライバーが安心して参加できる車社会づくりを目指すNPO法人高齢者安全運転支援研究会事務局長の平塚雅之さんは、肉体的な衰えを意識していても、運転に及ぼす影響までは理解できていない人が多いと指摘する。

 特徴として、

「違反や事故がない人は運転がうまいと錯覚し、自信過剰になる」

「長い運転経験から、気づかないうちに自分だけの癖が身についている」

「頑固で、家族の忠告を受け入れない」

「事故の報道があっても、自分には関係ないと判断材料にしない」

「車の性能向上が、自身の運転をカバーしていることに気がついていない」

 などを挙げる。

「75歳以上のドライバーが認知機能検査と高齢者講習を受ける現行制度に意義はあります。ところが受講者が多すぎて、実車教習でのアドバイスも不十分なのが現状。免許を取得したらその後一切、運転技術のチェックはなし。本来は高齢者に限らず、全免許保持者が定期的に実車指導を受けるべきなんです」

 では、高齢ドライバーが事故を起こさず安全運転を続けるためにはどうすればいいのだろうか。

「ハンドル操作ミスは筋肉の衰え、ブレーキとアクセルの踏み間違いは注意力や判断力の低下などが原因。こうした弱点があることを自覚した上で、対処することです。必要に応じて早めに減速すれば、視野が広がり、対向車や飛び出しの有無などをゆっくり見て確認できます。夕方や夜の見えづらい時間帯や、子どもの登下校時は運転を避けるのも有効です」

 見落としがちなのは、

「体調がすぐれない時には車に乗らない」

 ということだ。

「1トン以上もある車を公道で運転するのに、体調が万全でなくて本当に大丈夫ですか? 足腰が痛い、しんどい、疲れているから車に乗って楽しよう、というのは間違っています」

 高齢ドライバーが自分の衰えを自覚し、緊張感を持って運転していれば、免許返納のタイミングも、本人が一番よくわかるはずだ。しかし、長年運転してきた自負が決断を鈍らせがちだ。

「家族が高齢ドライバーの運転を『危ない』と感じたら、本人に尊敬と感謝の念を示しつつ、時間をかけて高齢者の死亡事故率の高さなどのデータを見せながら、冷静に説得しましょう」

 同研究会では、運転継続判定アプリ「運転脳チェック11」を用意。各12秒以内に「曲がる時にウインカーを出し忘れることがある」など11項目に答え、「運転脳」を判定する。

 今年6月、75歳以上で一定の違反歴のある運転者に実技試験の「運転技能検査」を義務付けることや、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などの先進安全機能を備えた安全運転サポート車(サポカー)に限って運転できるサポカー限定免許の創設などを盛り込んだ改正道路交通法が成立した。また、2種類ある高齢者講習の一元化も予定されている。

 高齢ドライバー問題に詳しい山梨大学大学院総合研究部の伊藤安海教授は、同法改正に関して、「運転技能検査」はもっと若いうちから全免許保持者に導入すべきだと指摘する。

「悪い運転習慣は現役世代から形成されるため、遅くとも60代からは免許更新時に運転技能検査や運転指導を行うべきです。サポカーも高齢になってからではなく、まだ適応力が高い60代のころに買い替えをお勧めします。自分の能力の衰えは気づきにくいため、ドライブレコーダーの映像を子どもなどに確認してもらうのもいいでしょう」

(ライター・吉川明子)

※週刊朝日  2020年10月30日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • おはようございます。風邪薬飲んで運転とか、歩行者からしたら恐怖でしかないよね。以前言及したように、具合悪いなら寝てろという風潮が広まらないと無理する運転者は減らないです。
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