ハミルトンがポール・トゥ・ウインで通算92勝目、史上最多記録を樹立。フェルスタッペン3位【決勝レポート/F1第12戦】

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2020年10月26日 00:21  AUTOSPORT web

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2020年F1第12戦ポルトガルGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
10月25日現地時間午後1時10分、F1第12戦ポルトガルGP決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインで通算92勝目を飾った。

 土曜とは違い上空には雲が多く、気温は20度ながら路面温度は土曜より10度も低く25度までしか上がっていない。新舗装の路面は依然としてグリップレベルが非常に低く、グレイニングが懸念される。さらに土曜までに比べて風が強く、マシン挙動に与える影響が懸念されるなかでの決勝スタートに。降水確率は40%、小雨がパラつき始めるなかでのスタートとなった。

 Q3進出組のなかではメルセデスAMG勢とシャルル・ルクレール(フェラーリ)だけがミディアムタイヤを履き、それ以外はソフトタイヤ。予選11番手以下では17番手のキミ・ライコネン(アルファロメオ)がソフト、19番手のケビン・マグヌッセン(ハース)がハードを履いた以外は全車がミディアムタイヤで決勝のスタートに臨んだ。

 スタートではハミルトンがトップを守り、出遅れたバルテリ・ボッタス(メルセデス)の前にターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が出たものの、ターン3でインを突いてボッタスが2番手を奪い返す。続くターン4でフェルスタッペンのアウトからセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が並び掛けるものの、接触してスピンし最後尾に後退してしまった。そこでピットインしてミディアムタイヤに履き替えてフリーエアで追い上げを図る。

 セクター2ではやや雨脚が強く、ミディアムタイヤのメルセデスAMG勢はペースダウン。ターン8でボッタスがハミルトンをパスして首位へ。ここでソフトタイヤのマクラーレン勢が好走を見せ、ターン10〜11ではカルロス・サインツJr.がアウトから前に出てトップに立つ。

 このトリッキーなコンディション下でソフトタイヤスタートのライコネンはアグレッシブな走りで6番手まで浮上してきた。ランド・ノリス(マクラーレン)もフェルスタッペンをパスして4番手に上がるが、雨が弱まると5周目のターン1でフェルスタッペンは4番手を取り戻す。さらに6周目のターン1ではボッタスがサインツJr.を抜いて首位を奪い返し、翌周ハミルトンもサインツJr.をパス。フェルスタッペンも8周目のターン1でディプロイメントの切れたサインツJr.をDRSを使ってパスし3番手に戻った。

 これでオーダーは首位ボッタス、2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペン、4番手サインツJr.、5番手ノリス、6番手ライコネンという順。しかし路面が完全に乾いてくるとライコネンはポジションを落とし、5番手にルクレール、6番手ノリス、7番手ダニエル・リカルド(ルノー)、8番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)という順になる。10周目にはガスリーがリカルドを抜いて7番手に上がった。

 トラックリミットを守るのは難しく、10周目を迎える頃にはすでにランス・ストロール(レーシングポイント)が3度目のリミット違反で黒白旗を受ける。

 ソフト勢は想定よりも早く左フロントのグリップ低下でペースが落ち、11周目にはルクレールがマクラーレン勢を抜いて4番手へ。ミディアムのストロールも入賞圏内に駒を進めてくる。ライコネンは11周目にはピットインを余儀なくされた。しかしガスリーはソフトタイヤながらグレイニングを上手く抑えてノリスをパスし6番手に浮上してきた。

 14周目にはリカルドがピットイン。1ストップ作戦で走り切ることは諦め、ハードタイヤではなくミディアムタイヤに履き替える。

 18周目のターン1でストロールがアウトからノリスを抜きにかかるが、僅かに接触してスピンオフし11番手まで後退してしまう。これで5秒加算ペナルティが科され、ストロールはその後トラックリミット違反4回でさらに5秒加算ペナルティを受けてしまう。ノリスはフロントウイングにダメージを負ってピットインを強いられ、ハードタイヤに履き替えて最後まで走り切る1ストップ作戦に賭ける。翌周ピットインしたアルボンはミディアムタイヤに交換した。

 ハミルトンはファステスト連発の走りで首位ボッタスに迫り、20周目のターン1でDRSを使ってパスしトップに立った。20周目を迎える頃には3番手フェルスタッペンとの間に12秒以上のギャップが広がる。ハミルトンはボッタスより0.3秒ほど速いペースで走り、ボッタスとのギャップを8秒まで広げていくが、28周目にはボッタスのペースは完全に落ちてしまう。

 ソフトタイヤのままハイペースを保つガスリーは21周目のターン1でサインツをパスして5番手へ上がる。ここで再びセクター2〜3で小雨が降るが、レーダー上は大きな雨雲はなく小雨に留まる。

 23周目にフェルスタッペンがピットインしミディアムタイヤに交換。エステバン・オコン(ルノー)の前6番手でコースに復帰した。26周目にサインツJr.がピットインしこちらもミディアムに交換。27周目にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がピットインしてハードタイヤに交換しアルボンの後ろでコースに戻った。

 28周目にガスリーがピットインし、ミディアムに変えてリカルドの前8番手でコース復帰。しかしタイヤに熱が入る前にリカルドに抜かれ10番手ライコネンからもプレッシャーを受けるが、なんとかこれを凌ぎきった。

 33周目、各車がそれぞれ1回のピットストップを残す状態で順位は首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手ルクレール、4番手フェルスタッペン、5番手はターン1からターン7までサイドバイサイドのバトルでオコンを抜いたペレス、7番手ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、8番手リカルド、9番手ガスリー、10番手サインツJr.となった。

 34周目に1ストップ作戦のルクレールがピットインし、ハードに交換して4番手、フェルスタッペンの9秒後方でコースに復帰。フェルスタッペンとしてはルクレールとの争いになり、3番手を守り切るためにはこのまま最後まで走り切るしかなくなってしまった。フェルスタッペンはルクレールのペースを見ながらほぼ同じタイムでギャップを維持しながら走る。36周目にはラッセルもピットインしハードタイヤに交換して15番手へ。

 40周目にハミルトンがピットインしてハードタイヤに交換。2番手を走っていたボッタスもよく41周目にピットインするが、ボッタスはソフトタイヤを希望したもののハードタイヤを履いてハミルトンの後方2番手でコースに戻る。

 ガスリーは45周目のターン1でリカルドを抜いて7番手を取り戻す。これを見てペレスはピットインしソフトタイヤに履き替えてガスリーの2秒前で戻り6番手を守る。これで4番手ルクレール、5番手にミディアムのまま走り続けるオコン、6番手ペレス、7番手ガスリー、ペースが落ちたリカルドをサインツJr.が抜いて8番手、10番手にライコネン。

 53周目にようやくオコンがピットストップを行い、新品ソフトタイヤに交換。作業に手間取って4.5秒かかってしまったが、リカルドの前8番手でコースインしなんとかポジションを守る。これで首位ハミルトン、15秒後方に2番手ボッタス、25秒後方に3番手フェルスタッペン、45秒後方に4番手ルクレール、75秒後方にソフトがタレてきた5番手ペレス、6番手ガスリー、7番手サインツJr.、8番手オコン、9番手リカルド、10番手ベッテル、11番手ライコネンまでがずらりと繋がる。

 63周目のメインストレートでインにブロックしたペレスと抜きにかかったガスリーがあわや接触という場面も。ガスリーは翌周のターン1でアウトからペレスを抜いて5番手に上がり、その次にはサインツも同じターン1でペレスを抜いた。

 首位ハミルトンは足が攣っていると言いながらもファステストラップを更新しながら後続を引き離していく。最終的に2番手ボッタスに25.592秒の差を付けて今季8勝目をポール・トゥ・ウインで挙げた。これでミハエル・シューマッハーの記録を抜き、通算92勝目で史上最多記録を樹立した。2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手にルクレールが入り、5番手ガスリー、6番手サインツ、7番手ペレス、8番手オコン、9番手リカルド、10番手ベッテルという結果になった。

このニュースに関するつぶやき

  • ジャッキー=スチュワートの27勝が大記録と言われていたのは40〜50年前。文字通り隔世の感だ。
    • イイネ!2
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