国内では貴重なCore i7搭載のハイエンドChromebookを試して分かったこと

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2020年10月26日 11:02  ITmedia PC USER

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写真ハイエンド仕様の「ASUS Chromebook Flip C436FA」。OSの違いを除けば、一般的な14型のモバイルPCとして通用する
ハイエンド仕様の「ASUS Chromebook Flip C436FA」。OSの違いを除けば、一般的な14型のモバイルPCとして通用する

 10月26日に発表(発売は10月28日から順次)されたASUS JAPANの「ASUS Chromebook Flip C436FA」(以下、C436FA)は、同社初となるコンシューマー向けのハイエンドモデルだ。一般的にChromebookというと、文教向けで安価だがスペックが低いモデルという印象があるだろう。



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 このC436FAは、第10世代Coreプロセッサに16GBのメモリと、Windows PCでも上位モデルに迫るハイスペックなモデルも用意された珍しいシリーズだ。Chromebookの利用者が多い米国ではハイエンドなChromebookも豊富だが、日本国内では数が少なく、貴重なモデルとなっている。



 早速、最上位モデルの「C436FA-E10162」を見ていこう。



●Chromebookらしからなぬハイスペックな仕様



 米国などでは高いシェアを誇るChromebookだが、日本ではデル テクノロジーズや日本HP、レノボ・ジャパンに日本エイサーといった、海外PCベンダーのリリースが数多い。今回取り上げるASUSも、2014年から国内市場で展開しており、文教や法人、コンシューマー市場にクラムシェル型のノートPCや2in1型のPCを投入している。



 実際、MM総研の調べでは、Chromebookの稼働台数は教育現場での好調な需要を背景に急伸しており、2020年以降は大幅な伸びを示している。



 そのような中で、このC436FAの大きな特徴となるのが、Chromebookとしては群を抜く高性能なパーツで構成されていることだ。CPUは第10世代Coreプロセッサを採用し、メモリは8GB〜16GB、ストレージのSSD(PCI Express 3.0 x2)は128GB〜512GBと、WindowsのモバイルPCやMacBook Proとしても通用するスペックを備えている。



 C436FAシリーズはCPUとメモリ、ストレージ容量別に複数のモデルが用意(税込み11万9800円〜)されているが、最上位となる評価機(C436FA-E10162)は、CPUに4コア8スレッドのCoire i7-10510U(開発コード名:Comet Lake、1.8GHz〜4.9GHz、TDP 15W)、メモリは16GB、ストレージは512GBで構成される。



 筆者が2017年に購入した2in1モデル「ASUS Chromebook Flip C101PA」のスペックが、CPUにOP1 Hexa-core(2GHz)、メモリは4GB、ストレージはeMMC 16GBと、いわゆるChromebook的なスペックであることを考えると、まさに天と地だ。



 10.1型の液晶ディスプレイで約900gと軽量なボディーもあってよく持ち歩いていたC101PAだが、Chromebookだけにそれほど不満なく使っていた。しかし、やはり最新鋭のC436FAを使ってしまうと、起動時間はもちろんのこと、Web画面の表示速度やアプリの切り替え、文字変換のちょっとしたラグなどが大きく改善されている。iPhone 12のキャッチフレーズではないが、「早い話、速いです。」という言葉に尽きる。



 試しにGeekbench 5やOctane 2.0で比較したのが以下のスコアだ。体感速度の向上はベンチマークテストのスコアに如実に反映されており、まさに圧倒的な差だ。現状ではβ版提供となっているLinuxを使った開発用途でも、これだけのスペックを備えていれば快適に使えるだろう。



 Geekbench 5を連続して行うと冷却ファンが回転し始め、やや耳障りなノイズを発生するが、Webブラウズやテキストの入力、YouTubeでの動画再生ではファンがほぼ回らず、静かな環境でも利用できる。



●こだわりの外装と4つのスピーカーを内蔵



 本機は内部スペックだけでなく、外装にもこだわりが見られる。ボディーの天面部分には、エアロジェルホワイトと呼ばれるカラーが採用されており、角度や光の具合で淡く紫がかって見える。このあたりは、先行して販売されている11.6型のモバイルPC「ASUS E210MA」に近い仕上がりだ。



 つや消しタイプで落ち着いた白色なのだが、指の脂などは目立ちやすかった。逆に底面部分やパームレストはシルバーで、こちらは指紋などが気にならなかった。



 14型の液晶ディスプレイを備えながら、液晶ディスプレイの左右の枠は約5.5mmと狭く、ボディーサイズも約319.5(幅)×208(奥行き)×13.76(厚さ)mmと比較的小ぶりだ。また、天板とパームレスト底面にマグネシウム合金を採用し、ボディーの端をつまんで持ち上げてもしなることはなかった。



 4つのスピーカーを内蔵しているのもポイントで、液晶ヒンジ部分に1W×2、左シフトキーの横とカーソルキー横に1W×2のユニットを内蔵する。さらに同社のChromebookでは初となるharman/kardonの認証を取得しており、スリムボディーながら迫力のあるサウンドを楽しめる。



 設置面積はA4用紙より一回り大きい程度で、重量は約1.15kg(実測値は約1133g)と目を引く軽さではないが、カバンなどへの収まりはよく、持ち運びも苦にならない。



 バッテリー駆動時間は、Googleの制定した測定方法による公称値で約11.4時間だ。試しに無線LANをオンにしてYouTubeで4K映像を全画面、輝度最高、音量は半分で連続再生したところ、約8時間15分(バッテリー残量は1%)動作した。



 続いて、液晶ディスプレイやインタフェースを見ていこう。



●タッチ操作やペン操作に対応した液晶ディスプレイ



 14型液晶ディスプレイの画面解像度は1920×1080ピクセルで、タッチ操作(静電容量方式)にも対応する他、4096段階の筆圧検知をサポートしたスタイラスペン「ASUS USI Pen」(SA300)が付属している。グレア液晶のため画面への映り込みはやや気になるが、同社がIPS方式相当とうたうだけあって、画面に角度をつけても色の変化が少ない。2in1タイプなので、液晶ディスプレイを180度回転してタブレット状態で使う際は重宝するだろう。



●インタフェースは割り切った構成



 バックライト機能を備えたキーボードは、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.2mmと十分なサイズを備える。カーソルキーがやや細い点を除けば、パームリジェクション対応のタッチパッドは約128.9(幅)×64.7(奥行き)mmと巨大で、マルチジェスチャーもサポートするなど総じて扱いやすい。



 4つのスピーカーを内蔵するのと同様に、ASUSのChromebookとして初めて指紋認証機能を内蔵したり、Wi-Fi 6(IEEE802.11 ax)対応の無線LAN(Bluetooth 5.0もサポート)を装備したりと、こちらも隙がない。



 インタフェースは左右の両側面に並んでいる。USB Type-A端子は省かれているが、2基あるUSB Type-C 3.1(Gen1)はUSB Alternate ModeとUSB Power Deliveryをサポートしており、柔軟に扱える。



●Parallels for Chromebook Enterpiseも使える数少ない選択肢



 アプリはGoogle Play ストアからも導入できる他、細かいところでは、Parallelsから提供が始まった仮想化ソリューション「Parallels for Chromebook Enterpise」を使えば、仮想環境でWindowsなど異なるOSを扱うこともできる。



 動作条件はCPUがCore i5/Core i7以上、メモリが16GB以上、SSDは128GB以上とかなりのスペックが必要で、現状の国内モデルではデル テクノロジーズのLatitudeシリーズの一部と、日本エイサーのChromebook Spinシリーズの一部に限定されていたが、そこに本機が加わった格好だ。



 利用にはChrome Enterprise Upgradeなどのライセンスが必要になるが、仮想環境でWindowsアプリを使うことができるという意味では数少ない選択肢の1つとなる。



 他にも、Chrome OSにはGoogleが定める自動更新ポリシーがあるが、本製品は2028年6月までOSアップデートの自動更新に対応しており、末永く利用できるという点でも安心感が高い。



 加えて、本機はストレージサービスの「Google One」(容量は100GB、年間税込み2500円)を1年間無料で利用可能なのもうれしい。同社のWindows PCと同じようにサポートサービス「あんしん保証」(製品購入後30日以内にMyASUSにユーザー登録が必要)に対応するのも心強いところだ。



 確かにChromebookとして見ると高価(税込み16万9800円)な本機だが、優れたパフォーマンスを備えたハイエンドモデルとして貴重な存在と言えるだろう。


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