おでこにかざしてなんで体温が計測できるの? 脇に挟む体温計とは異なる測り方とは

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2020年10月27日 06:41  ダ・ヴィンチニュース

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写真『文系でもよくわかる 日常の不思議を物理学で知る(文系でもよくわかる物理学)』(松原隆彦/山と溪谷社)
『文系でもよくわかる 日常の不思議を物理学で知る(文系でもよくわかる物理学)』(松原隆彦/山と溪谷社)

 少なくない子ども、そして大人が苦手な教科。それはおそらく数学と理科。そして、理科の中でも難解な式や複雑な計算が求められ、数学のイヤなところを併せもつのが物理学だと文系の筆者は思う。物理学はテクノロジーの進化に欠かせず、人々の快適な生活に多大な貢献をし続けてきた。難解なイメージの物理学を、身近な題材とセットでやさしく解説してくれるなら、苦手意識が払拭できるかもしれない。例えば、指紋認証でスマホのセキュリティロックを解除できるメカニズムや、コロナ禍で活躍している非接触式体温計の仕組みなど、身近にある疑問を解説してくれるとしたらどうだろう。

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『文系でもよくわかる 日常の不思議を物理学で知る』(松原隆彦/山と溪谷社)によると、物理学の恩恵で社会はどんどん便利になっているが、同時に前述のような身近な疑問が増えているはずだという。こういった疑問を一つひとつ解こうとすることで、きっと物理学への親しみは増していき、知的好奇心を取り戻せるだろう。本書は、人々が日常でふれている物理学について、やさしく解説している。前述の疑問について、本書に教えてもらおう。

 まずは、指紋認証によるセキュリティロック解除について。物理学に詳しくない人でも、人体が電気を帯びていることは知っている。なんとなく、それが関係しているのかな? と予想はつく。本書によると、指紋認証によるセキュリティロックは、指紋センサーに触れた指の部分に電気が集まることで解除される。指紋には凹凸があることがポイントだ。センサー面と凹面凸面との距離は、人の目で見ると微々たるものではあるが、差がある。指紋の形に電気が集まることで、登録データと照合した指紋のみがロック解除できるのだ。見事な発想だが、アイデアだけでは形にならない。このアイデアを実現させたのが物理学。指紋程度の微々たる距離の差を読み取るために、指紋センサーにはかなり細かい解像度で感知するための、極小の電極が多数並んでいるのだ。

 次は、目にすることが多くなってきた非接触式体温計。新型コロナウイルス感染予防の観点で急速に増えてきた。おでこや首にかざすだけで良い安全性、ものの数秒で検温できる手軽さが人々を助けている。これも物理学の恩恵によって生み出された。ところで、先に、脇などで測る電子体温計について知っておきたい。本書によると、測定部分に、温度が高くなると電気が流れやすくなる物質が入っており、電流の変化を測定することで検温できる。それにしても、たった数十秒で体温を教えてくれるのはありがたい。短時間の検温を可能にしたのは「予測体温」という考え方だ。実は、電子体温計がピピッと鳴った時点では、温度は上がりきっていない。しかし、「このまま測定し続ければ、この温度になるだろう」という温度を体温計が予測し、精度が高い予測値を表示しているのだ。

 さて、非接触式体温計は、さらに短時間で検温する。テクノロジーが計算速度や予測精度を高めたのだろうか? 実は、非接触式体温計は電子体温計とは別の測り方をしている。人間の体温ではなく、人間から発せられる微弱な赤外線を計測しているのだ。物理学では、法則で温度とエネルギー量と波長の関係が明らかになっている。赤外線のエネルギー量を測ることで、体温を割り出しているのだ。ちなみに外気にさらされにくい鼓膜付近を測る耳式体温計では、より高い精度で検温できるそうだ。

 私たちの身の回りにはいぜん「なぜ?」が多く、これからも世の中が便利になるほど、増えていくのだろう。新しく生まれる疑問が、私たちの生活を楽しいものにしてくれるはずだ。

文=ルートつつみ

このニュースに関するつぶやき

  • 電気を帯びてるというか、そもそも人間は電気で動いてるからなw正確には電気信号によって命令を伝達しあちこち動かす訳だが。それを応用した義手とかの研究とかもされてるしな。
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