東京メトロ新アプリ スマホ苦手筆者が使い勝手を試してみた

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2020年10月27日 07:00  AERA dot.

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写真アプリを開くと、まず登録した路線の列車位置情報や運転状況が表示される(写真/岸田法眼)
アプリを開くと、まず登録した路線の列車位置情報や運転状況が表示される(写真/岸田法眼)
 東京メトロは、大都市型MaaS(Mobility as a Serviceの略)、「my! 東京MaaS」の一環として、MaaS機能を搭載したスマートフォン向けの「東京メトロmy! アプリ」を2020年8月27日から使用を開始した。東京メトロでは、すでに「東京メトロアプリ」を提供しているが、新アプリはその進化版で、いずれはアプリの統合が予定されている。

【写真】筆者がすごいと思った「東京メトロmy! アプリ」の機能はこちら

 最大の特長は、鉄道の枠にとらわれず、4つのアプリと連携パートナーを組んだこと。ビジネスだけではなく、東京観光にも使え、ガイドブックのような感覚で使えそうである。私のようにスマートフォンに慣れていない方でも、ものの10分も操作したら使いこなせるだろう。

*  *  *
■NTTとの協業の一環として開発

 東京メトロは2019年3月26日、中期経営計画「東京メトロプラン2021」を発表し、その一環として「新たなモビリティサービスの実現に向けた取組み」を挙げた。このとき、すでにMaaSに取り組んでいた。

 4カ月後の7月29日、東京メトロとNTTが協業に合意する記者会見を開く。双方はTDM(Transportation Demand Management:交通需要マネジメント)、Mobility連携の一環として、下記の取り組みを発表した。

○東京メトロ
 駅間混雑情報や各駅混雑予想の発信、「東京メトロネットワーク×様々なモビリティー=シームレスな移動サービス」を挙げた。

○NTT
 NTTのモバイルデータと東京メトロの駅の入出場データを融合し、駅間混雑状況の予測、交通経路の最適化。東京メトロとNTTドコモのバイクシェア(自転車)を連携することで、観光、商業、飲食、通勤など移動の円滑化を挙げた。

 東京メトロとNTTの技術を融合した協業の第1作が「東京メトロmy! アプリ」である。さらに2つのタクシーアプリ、2つのシェアサイクルを連携パートナーとすることで、移動手段の多様化を図った。

■最大のウリはマルチポータルな経路検索

「東京メトロmy! アプリ」のウリは、主に4つある。

(1)リアルタイムな運行情報
 東京メトロ9路線、都営地下鉄4路線の計13路線の運行情報をリアルタイムで表示する。おおむね平常通りは◎、15分以上遅れている場合は△、運転見合わせや折り返し運転などが発生した場合は×を大きく表示する。

 また、まるで運転指令所から見た景色(と言っても、私はテレビ番組や東京メトロが放映したVTRでしか見たことがない)をソフト化したような、列車走行位置を4秒間隔で自動更新するほか、列車の行先を表示(一部の路線では急行などの種別も表示)する。

 さらに運行情報通知設定もあり、東京すべての地下鉄13路線に対応している。通知対象路線、通知頻度、通知曜日、通知時間帯(全時間帯も選択可)を設定すれば、遅延等の情報がいち早く入ることだろう。

(2)混雑の見える化
 銀座線渋谷〜表参道など、1区間ごとの列車内の混雑状況、各駅の改札口の混雑状況(日比谷線の北千住や中目黒など、他社線管理駅を除く)を時間帯別にグラフ表示する。
さらに、銀座線渋谷駅は、カメラ画像による改札口の混雑状況を平均(棒グラフ)、本日(折れ線グラフ)の2種類を表示する。

(3)マルチモーダルな経路検索&タクシー、シェアサイクル機能
 「一番の目玉」と東京メトロが自負したのは、マルチモーダルな経路検索だ。例えば、銀座から東京BRTの晴海BRTターミナルまでの経路を検索しよう。出発地点で「銀座」を入力すると、駅、バス停、スポット、住所が表示される。

 駅やバス停は、東京メトロや都営バスで「銀座」の名が付くもの、東急電鉄池上線の戸越銀座駅、神奈川県小田原市の銀座通り停留所が表示される。スポットはいずれも都内の銀座三越、松屋銀座など。住所は東京都中央区のほか、埼玉県熊谷市と本庄市、栃木県鹿沼市と、詳細に表示されている。

 目的地の「晴海」を入力すると、「晴海BRTターミナル」は表示されなかったが、「晴海BRT」にし直すと、表示される。

 経路条件などを設定すると、銀座〜晴海BRTは、複数のルートが表示される。一番早くてラクなのは、銀座から日比谷線に乗り、築地で下車(大人運賃はきっぷ170円、IC168円)。ここからタクシーに乗ると、「2.4km 6分」「概算運賃820円」が表示される。きっぷの運賃を含めた交通費は990円(ICの場合、988円)、所要時間は13分。

「東京メトロmy! アプリ」のすごいところは、「タクシーを呼ぶ」にタッチすると、タクシーアプリにアクセスでき、配車できることだ。素早く手配することで、タクシーの行列がない駅でも、すぐ乗車できるのである。

 ほかのルートでは、都営バスの業10系統とうきょうスカイツリー駅前行きが表示され、「走行位置を確認する」にタッチすると、どの位置を走っているかを把握できる。乗車後、晴海一丁目で下車。ここから晴海BRTターミナルまで歩く。交通費はバス代のみ210円(ICも同額)で、所要時間は23分。

 さらに、銀座駅からACホテル・バイ・マリオット東京銀座まで歩いたあと、桜の散歩道までシェアサイクルを利用するルートも表示される。画面下の「シェアサイクルを予約する」をタッチすると、予約できる。

 2.7キロの道のりを12分かけて走ったあと、徒歩で晴海BRTターミナルに向かう。所要時間23分、中央区内でドコモのシェアサイクルを利用する場合、「1回会員」だと最初の30分で150円(延長料金は30分100円)を要する。

■画期的なのは東京メトロを利用しないルートを案内すること

 「東京メトロmy! アプリ」という鉄道アプリで画期的なのは、先ほど取り上げた3つのルートのうち、2つ目と3つ目は、「東京メトロを利用しないルート」である。東京メトロとNTTグループが共同で取り組む「東京の魅力・活力の共創」のひとつ、TDMとMobilityによる「移動の円滑性向上」がこのアプリに込められているのだ。

 なお、経路検索の対象は、東京メトロや都営地下鉄など首都圏の鉄道各線、東京BRT、都営バス、台東区「めぐりん」などのコミュニティーバス、空港連絡バスなどである。将来は高速バスやほかの地方の鉄道など、広範囲に及ぶことを期待したい。

■2つのルートチェッカーも注目

 私が注目したのは、ベビーカールートチェッカーとバリアフリールートチェッカー。東京メトロ9路線の駅構内のベビーカーや車椅子が通れるルートを案内するもので、路線と駅を選択すると、駅の情報、乗車位置案内、地図・構内図が表示される。

 特にバリアフリールートチェッカーは、駅の段差と隙間も詳細に案内しており、車椅子利用者などは要チェックといえよう。

■ダウンロードは東京メトロのウェブサイトから

 「東京メトロmy! アプリ」は、こちら(https://bit.ly/312Qen7)にアクセスし、Apple StoreもしくはGoogle Playからダウンロードできる。既存の「東京メトロアプリ」から機能性や扱いやすさが向上しているので、従来のアプリを使っている人も、ぜひ試してほしい。ただし、現行はスマートフォンのみ可で、パソコンやガラケーはできない。ダウンロードの範囲を広げることが今後の課題かつ、期待となるだろう。

 ちなみに、記者発表会で配布される報道資料にはQRコードが印刷されており、その場でダウンロードができるようになっていたが、私はやり方がわからず、スマホで検索する”遠回り”をしてしました。

 しかし、ダウンロードしてしまえば、これまで解説したように便利な機能が満載で、地下鉄を降りた後のバスやタクシー、さらにシェアサイクルまで表示される。まさに、東京都心での移動に欠かせないアプリだろう。

 この便利なアプリでは、都営地下鉄の運行情報も表示できるのだから、将来は東京の地下鉄を一元化(私案ながら東京メトロに統合するのが望ましい)し、乗り継ぎによる割高運賃の解消など、利便性のさらなる向上を切に願う。(文・岸田法眼)

取材協力/東京地下鉄

岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある。また、好角家でもある。引き続き旅や鉄道などを中心に著作を続ける。

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