安東弘樹のクルマ向上委員会! 第40回 安東弘樹、土地を買う!? ホンダeに乗りながら考えたEVライフ

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2020年10月27日 11:21  マイナビニュース

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ホンダの電気自動車(EV)「ホンダe」に試乗中の安東弘樹さん。その出来栄えには感心しきりな様子だったが、実際にEVを持って、自宅のある千葉から東京都内に通勤する生活を送るには、いろいろとハードルがあるようだ。ただ、欲しいと思っているEVもあるらしい。

※文と写真はマイナビニュース編集部・藤田が担当しました

○EV購入への布石? 妙に安い土地に興味津々な安東さん

安東さん(以下、安):実は、「DS3 クロスバック E-TENSE」というEVがありまして、今、ちょっと惹かれているんです。航続距離が398キロで、だったら通勤に使えるかなという気がしていて。通勤距離は往復で大体100キロくらいですから(編集部注:お住まいは千葉、テレビやラジオの仕事は東京都内が圧倒的に多い)、カタログの航続距離が400キロ弱であれば、実際のところ、最低でも250キロくらいは走るとして、それなら余裕がありますよね。

安:ただ、その航続距離でも、アメリカとかだとどうにもならないんでしょうね。郊外に出て、(ルート66などの)ヒストリックロードなどを走っていると、次のスタンド(充電スポット)がどこにあるか、見当もつかないのではないでしょうか。アメリカだと、限られた都市部じゃないと……命を預けられないでしょうね。

マイナビニュース編集部(以下、編):砂漠の真ん中で立ち往生ってなことにもなりかねませんし……。

安:テスラが発売されてから1年くらいの頃、アメリカのジャーナリストが北米大陸横断に挑戦してましたよ。途中、まさに砂漠の真ん中を通っているような道を走るんですけど、「皆さん、これが私の人生最後のレポートになるかもしれません、さようなら」と冗談をいいながら、その地点をスタートしてました(笑)。

編:(笑)実際、アメリカ横断とかだと、もう会えないかもしれませんよね。

安:もちろん、スーパーチャージャー(テスラの急速充電機)の位置を把握したうえで走ってましたが、次の充電器まで600キロって表示が出たりしてましたから、それは、お別れをいいたくもなるかもしれませんね(笑)。ただ、最近は劇的に充電スポットが増えているそうです。

編:米国で乗るのは無理かもしれませんけど、どうでしょう、ホンダeについていえば、日本の都市部なら向いてますかね?

安:そうですね。都市部ならいいんでしょうけど、例えば、都心部や郊外の住宅街に住む家族が所有するクルマの1日あたりの平均走行距離は10キロちょっとらしいんです。身体が健康で、クルマに1日10キロくらいしか乗らないのなら、自転車でいいんじゃないかって気もするんですよね。そういう人には、価格も含めて過剰な乗り物といえるかもしれません。いろいろな機能が付いていても、そういう人は、せっかくの凝った機能も一生、使わないでしょうね。難しいところですねー。

まあ、私みたいに通勤で毎日100キロ乗る人がめったにいないことは、分かっているんですけどね。

編:通勤30キロで、帰りに買い物をするくらいであれば、全く問題なさそうですね。

安:そういう意味では、地方にお住まいの方にも向いているんじゃないですかね。広大な駐車場があれば、充電設備の設置も楽だろうし。

安:あとは、ほぼ500万円という価格が、どうですかねー。

編:標準グレードが451万円、アドバンスが495万円ですから、まあ、遊びで出せる金額ではないですね。

安:そこが難しいところで、DS3のE-TENSEがやっぱり、500万円くらいなんですよ。あちらはアバンギャルドなデザインの室内で、シートやトリムに上質な革も使っているし、そういったことを考えると、E-TENSEに500万円を払う人がいるのは、なんとなく分かる気がするんですけど、これは難しい。

編:もしもE-TENSEを買うことになれば、メルセデスと乗り換えるんですか?

安:いや、増車ということです。給油なしで1,000キロ走るクルマは手放せません!

編:今はメルセデスとロータス「エリーゼ」をお持ちですから、3台目としてですか。でも、ご自宅で3台のクルマを持つことは、ガレージが建築法の関係で増築できないとかで、断念されてませんでしたっけ?

安:そうなんですけど、実はこの間、近所で土地を見つけたんですよ(笑)。

編:土地!? クルマを置いておくためのですか!?

安:はい。近所の土地を探してみたら、34坪の土地が400万円で売りに出されていて(笑)。周辺の土地の価格を見ると、同じくらいの広さでは900万円くらいが普通なんですけど、そこだけ400万円で、何か訳ありの可能性は否定できませんが、今度、見に行こうかなと思っています。400万円って、ホンダeより安いですもんね(笑)。

編:確かに(笑)。すごく変な形をしているとか?

安:いや、真四角なんですよ。いわくつきというか、何か事件でも起きたところなのかなと疑ってみましたが、住む家を建てるわけじゃないからそれでもいいかなとも思っています。

編:そこにガレージを立てて、クルマを置いておくということですか。

安:はい。

編:ちょっとだけ、居住空間も併設したりして?

安:もしかしたら、1部屋とバス・トイレだけ付けるとか……。舗装だけして屋根を付けるくらいにしてもいいんですけど、まあ、値段との相談ですかね。ただ、ビルトインにはしようと思っています。

編:夢が広がりますね!

安:幅が12mと書いてあったんで、可能であればクルマを横に3台くらい置いて、そこに充電設備も付ければ、EVでもいけますから。

編:夢だなー。

安:そうですね、ただ、そこで1人で寝てたら、何か出るかもしれませんね。

編:(笑)。

安:まあ、もし何か幽霊のようなものが出たとしても、彼らも元はといえば人間だったわけで、自分の先輩ですよね。いつかは自分もそうなるんでしょうから、恐怖感はないですね。

編:いわくつきの土地である可能性は高い(笑)。

安:どう考えても、相場と違うんですよ。だから、興味津々ですね。もう、不動産屋さんにはメールを送ってあります。家からは歩こうと思えば歩けるくらいの距離ですけど、2キロ以内ですので、車庫証明は確実に取れます。電気も通せるはずなんで、そこにソーラー発電の設備なんかも付けられたらいいですね。

編:ガレージができたら、ぜひ見に行ってみたいですねー。

で、ホンダeなんですけど、試乗してみてはっきりと出てきた不満といえば、ルームミラーの映り込み問題(デジタルルームミラーに鏡に映る像とカメラからの映像が二重に見えた問題)くらいですかね?

安:そうですね。あとはやっぱり、航続距離がね。今は充電が76%で航続可能距離が136キロと表示されていますが、これから高速道路で千葉の自宅に帰るのだとすれば、ちょっと心配ですよね。

編:なんとなく、7割以上も充電が残っているのに130キロちょっとというのは、計算が合わないというか、変な感じがしますね。

最後に、何か言い残したことは?

安:ドアが閉まる音がよかったです。ただ、シートの剛性はもうちょっと欲しいですね。それと、ウィンカーを出すとサイドミラー(モニター)にオレンジ色のガイドラインが表示されるんですけど、それがあることで、斜め後ろのクルマと自車との距離がつかみやすい。こういう工夫はすばらしいと思います。

ほかのEVも絶対に付けるべきだと思ったのは、パドルを使った回生(減速度)の調節機能ですね。これは優秀でした。

しかし、今週は試乗会が3回あるんですけど、そのうち2回はEVです。いよいよ、そういう時代になってきたのかなという思いになりますね。

編:日産の「リーフ」が出たころは、ほぼそれしかなかったわけですもんね。では、戻りましょうか!

安:オッケー、ホンダ! 「横浜ハンマーヘッド」(試乗の発着拠点)に行きたい。

(車載AIのHondaパーソナルアシスタントが起動、発話をバッチリと聞き取りナビを設定)

安:あ、目的地が北海道になってる(笑)。

編:小樽ですね(試乗会の拠点となった横浜ハンマーヘッドは新しい施設なので、登録されていなかった模様)。では、「カップヌードルミュージアム」(横浜ハンマーヘッドは、カップヌードルミュージアムのすぐ近くにある)だったらどうでしょう?

安:オッケー、ホンダ! カップヌードルミュージアムに行きたい。

(Hondaパーソナルアシスタントがしっかりと仕事をする)

安:お、できた! 結構、時間はかかりましたけど、聞き取り能力は今まで乗ったクルマの中で一番ですね。

試乗を終えた安東さんは、ホンダe開発陣との意見交換へ向かった。次回はその模様をお届けしたい。ちなみに、後日確認したところによれば、例の土地は見学前に売れてしまっていたとのこと。残念!

安東弘樹 あんどうひろき 1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。 この著者の記事一覧はこちら(安東弘樹)
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