理にかなわないが…帯津医師「ホメオパシー」のがん患者への「有効性」実感

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2020年10月27日 21:20  AERA dot.

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写真帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「ホメオパシー」。

*  *  *
【不合理】ポイント
(1)理にかなわない事象の代表であるホメオパシー
(2)私はホメオパシーの有効性を実感している
(3)医学知識なしにはホメオパシーを使うべきでない

『まだ科学で解けない13の謎』(草思社)という本があります。英国の科学ジャーナリスト、マイケル・ブルックス氏が現在の科学では説明ができない13の事柄を取り上げて、解説しています。ブルックス氏は「理にかなわない事象こそが、理にかなわないがゆえに重要なのだ」と語り、そこから世紀の大発見が生まれるのだと説きます。

 その最終章で取り上げられているのが、「ホメオパシー」です。「明らかに不合理なのになぜ世界じゅうで普及しているのか?」というサブタイトルがついています。

 ホメオパシーはドイツ人の医師、サミュエル・ハーネマン(1755〜1843)によって体系化された治療法です。原料は自然界の物質で70%が植物。これをアルコール溶液で希釈して、仁丹の大きさほどのピルに吹き付けます。これを口内で溶かして、口腔(こうくう)粘膜から吸収させるというものです。

 ところが、問題になるのが希釈の度合いです。原料をどんどん希釈して、1分子も入っていないレベルにしてしまうのです。当然のことながら、「1分子も入っていない液になぜ効果があるのだ」という疑問が上がります。つまり、現在のところ、ホメオパシーの効果は科学的に説明できないのです。

 ホメオパシーが日本以上に普及しているヨーロッパでは、ホメオパシーを巡る論争が盛んに行われました。前述の著書に詳しいのですが、世界的に権威がある学術雑誌「ネイチャー」や医学雑誌「ランセット」もホメオパシーに関する論文を取り上げています。

 日本でも、ホメオパシーが問題になったことがあります。しかし、残念なことに日本では科学論争というより、ホメオパシーを断罪するというものでした。きっかけは、2009年に起きた乳児の死亡事件です。ビタミンK欠乏症の生後2カ月の女児がビタミンK2シロップを与えられないことで死亡しました。助産師がホメオパシーの錠剤をシロップの代わりにしていたというのです。この事件は親が助産師を訴える訴訟になりました。

 私はがんの患者さんにホメオパシーを処方しています。その有効性は20年の経験を踏まえて実感しています。ですから医師、歯科医師、薬剤師を会員とする日本ホメオパシー医学会もつくりました。現在は無理でも、将来にはホメオパシーの原理が科学的に解明されることを願っています。

 私は「理にかなわない事象」であっても、それが患者さんのためになるなら利用すべきだと考えています。ただし、それは西洋医学、東洋医学、様々な代替療法を踏まえた上でのことです。ビタミンK欠乏症などは西洋医学が最も得意とする分野です。しっかりした医学知識を持たずにホメオパシーを振り回すことは戒めなければいけません。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

※週刊朝日  2020年10月30日号

【おすすめ記事】「マスクを過信することの方が危険」帯津医師がマスクをしない理由


このニュースに関するつぶやき

  • エビデンスレベルVIの最もあてにならない話 東大卒という肩書きで意見に説得力を持たせようと企んでるだけじゃないか 医者による犯罪だな https://mixi.at/agz4hoV
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  • ホメオパシーでアレルギー性鼻炎がかなり改善されました。
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