外交デビュー真理子夫人 「出すぎぬ妻」は海外ではNG?

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2020年10月28日 07:00  AERA dot.

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写真外遊先のベトナムで、女性団体幹部の案内で女性博物館に入る真理子夫人。令和のファーストレディー像を示せるか (c)朝日新聞社
外遊先のベトナムで、女性団体幹部の案内で女性博物館に入る真理子夫人。令和のファーストレディー像を示せるか (c)朝日新聞社
 菅義偉首相の妻・真理子夫人がファーストレディーとして外交デビューした。10月18日に政府専用機で日本を出発し、ベトナム、インドネシアの2カ国を訪問して21日に帰国した。

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 ベトナムの空港に到着した際は、夫が手を振っても真理子夫人は一歩引いたところでお辞儀をするだけで、夫の少し後ろについてタラップを降りていた。前ファーストレディーの安倍昭恵氏が夫と並んで手をつないでタラップを降りていたのとは対照的な光景だ。菅首相の地元・横浜市の後援会関係者はこう話す。

「真理子さんは夫が首相になるなんて思ってもみなかったでしょうから、心の準備ができていなかったのでは。控えめな性格で社交的な場はどちらかというと苦手だと思います。夫のために手料理を作るとか、家庭で夫を支えるタイプですから。逆に『私は目立ちたがりの昭恵夫人とは違う』ということを見せたかった面もあるかもしれない」

 9月の自民党総裁選では、ライバルの岸田文雄氏や石破茂氏の妻たちが積極的にテレビ局のインタビューに答えていたのに、真理子夫人だけは「取材を申し込んでも、どこの社も断られていました」(テレビ局スタッフ)という状況。独自の行動が多くの批判も生んだアッキーに比べたら「安全運転」なのは間違いないが、「出すぎない妻」スタイルには懸念の声もある。20年以上にわたり欧州の王室を取材するジャーナリストの多賀幹子さんはこう語る。

「何だか時代がかなり昔に戻ったような光景ですね。昭恵さんはその行動がたたかれはしましたが、夫に付き従うのではなく対等に振る舞うという点では世界の標準に近い、新しい感覚を持っていたとも感じます。鳩山由紀夫元首相の幸夫人も、元宝塚歌劇団の女優だったこともあったのか、夫と手をつないで歩く姿を堂々と見せていましたね」

 世界経済フォーラムが昨年12月に発表した「男女格差ランキング」で、日本は153カ国のうち121位という不名誉な結果だった。背景には女性の地位や権利の向上、政治進出が遅れていることがある。「真理子さんにはそれを裏付けするような存在になってほしくはない」と多賀さんは言う。

「『言葉が出ない』『控えめ』は海外では美徳というより『何も考えていない』『冷たい人』と誤解されかねない。繰り返し頭を下げるばかりでは何も通じないし、認めてもらえません。外国語が不十分だとしても自分から積極的に話しかけるフレンドリーな人が好まれます。ただ、たとえ控えめで物静かな性格でも、相手の歴史や文化をよく理解して尊重する会話をすることができれば、リスペクトが得られるでしょう」(多賀さん)

 真理子夫人の戦いも、まだ始まったばかりだ。(本誌・上田耕司)

※週刊朝日  2020年11月6日号

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