「瞳に映るモニター画面」でドライアイ検出 東大が深層学習で開発

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2020年10月28日 09:52  ITmedia NEWS

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写真(上段行)ドライアイ状態な時、瞳の中の一部が乱れている(下段行)正常時の目
(上段行)ドライアイ状態な時、瞳の中の一部が乱れている(下段行)正常時の目

 東京大学大学院の研究チームが開発した「コンピュータ使用時に目の乾燥状態を検出する手法の検討」は、ユーザーの瞳に映り込んだコンピュータディスプレイの画面の乱れ具合を分析することで、目の乾燥状態を検出する手法だ。



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 コンピュータのディスプレイを長時間見ていると、目が乾燥してドライアイに起因する目の症状を患う人は多い。症状には眼精疲労、異物感、充血眼、霧視、複視などがあり、まとめてCVS(コンピュータ・ビジョン・シンドローム)と呼ばれている。



 コンピュータを使う際、適切に休憩を取ることで目の乾燥は予防できるため、ユーザーに警告するシステムを構築できれば、目の乾燥を防ぐことができる。



 目の乾燥を事前に検出するこれまでの手法では、瞬きに着目する手法が採用されてきた。しかし、個人差や周辺の湿度といった異なる要因があり、精度が安定していなかった。



 今回の手法では、眼部表面を保護している薄い涙の層である涙液層を観察するアプローチで高精度な検出に挑戦した。特別な機器を使ったり侵襲的な手法を用いるのではなく、コンピュータディスプレイが映り込んだ瞳をカメラで観察することで行った。



 具体的には、モニターディスプレイを用いて瞳にグリッド照明を投影し、モニター上部に設置したカメラでそのグリッドパターンを捉え、涙液層を観察した。



  計算コストを削減するため、グリッドパターン画像が映り込んだ部分を切り取り、分類器のCNN(Convolutional Neural Network) ResNet50アーキテクチャに入力。分類器ではグリッドパターンのゆがみを検出し、目が乾燥しているかを判定した。



 被験者に裸眼で実験してもらった結果、95.1%の精度で分類に成功した。特に、まつ毛が画像に含まれていても涙液層の破壊を正確に検出できたことが高精度の結果につながった。



 今後は裸眼だけでなく、異なる虹彩色を持つ人や眼鏡・コンタクトレンズ使用者への実験も試みたいとしている。今回はモニター上にグリッドパターンを連続的に表示したが、ユーザーの邪魔にならないように、気が付かない短い間に表示し撮像するシステムの構築も目指している。



※この記事は、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。


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  • <気が付かない短い間に表示し撮像するシステム> 体温測定のため、として個人の画像をアチコチで自由に撮らせているが、そのうちに「コイツ、こんな病気だぜ」ってトコまでバレちまうワケか。 便利っちゃ便利だが・・・な。
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