カンニング竹山 原発処理水海洋放出は保留 いま話し合わないでどうすんの?

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2020年10月28日 11:30  AERA dot.

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写真カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
 当初は10月27日と予想されていた東京電力福島第一原発の処理水海洋放出の決定を菅首相はひとまず「保留」とした。お笑い芸人・カンニング竹山さんは、海洋放出しか方法はないとし、その理由をわかりやすく、そして強く訴える!

【写真】水素爆発を起こし屋根や壁が吹き飛んだままの東京電力福島第一原発の原子炉建屋

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 ここ何年間か原発周りへ通ってきたりだとか、いろいろな方とお話させてもらったり、東京電力福島第一原発も2回視察させてもらいました。

 原発に「反対」「賛成」はおいといて、重要なのは東京電力福島第一原発のいまの現状ですよね。東京電力福島第一原発の放射能を封じ込めるために使った冷却水は、いまのペースでタンクに貯めていくと2年後の2022年夏にはそのタンクを置く場所がなくなるんですよ。でも、水でずっと冷やさないといけないわけで、あと、そこには地下水も流れているから、それらの水を貯めておく場所は必要不可欠になる。結局、いまはタンクに貯めているんだけど、その水を浄化処理したものに含まれている物質はトリチウムだけだから、全世界の原発でトリチウムは海洋に流している。それを海洋に流さないとタンクを置く場所がないというのがまず東京電力福島第一原発の問題のひとつ。

 トリチウムを海洋に流すことに反対派の人は、砂とコンクリートで固めるモルタル固化を提案しているんですけど、モルタル固化をやろうとするといまの8倍の用地が必要になる。これからモルタル固化をやる場合にはその準備にも少し時間がかかる。また、そのモルタル固化をやるお金はどこから出すのかという問題もある。だから、なかなか現実的ではない。もちろん、世界にはアメリカのサバンナリバー核施設などで、モルタル固化をやっているところもありますよ。

 モルタルで固めてしまうということは、その場所は永久処分場になる。その永久処分場になった場所はどうするんだっていう課題もある。一方、海洋放出は、原発を動かしているどこの国でもやっていること。原発があればトリチウム水は出るから、海洋放出しか答えはないと思うんですよね。

 いまメディアでトリチウムの海洋放出を取り上げないと、みんな誤解しているというか、知らないままに「そんなものを海に流すのは反対だ!」ということになる。テレビも新聞も、雑誌もラジオもみんなこのことをきちんと報じなければいけないと思うんですよ。

 ちゃんと知ったら、海洋放出しかないわけで、きちんと知ることで福島の海に対する風評被害もおさえられると思う。きちんと報じないから風評被害があるわけですよね。福島の漁連の人も海洋放出を「反対」しているとされているけど、正しくは風評被害になったらどうするんだってことを反対している。何にも知識がなかったら、「そんなもの海に放出して魚に放射能が入ったらどうするんだ!」ってなるわけです。何にも知らないで反対している人も多い。だから、そうじゃないよってちゃんと教えなきゃいけない、伝えなきゃいけない。

「そもそも原発なんて造るからだ!」「東京電力が原発事故を起こしたからだ!」って怒る人もいるけど、もちろんそうだけど、現実問題起きてしまったことを解決しなきゃしょうがないでしょ? 目の前に起きていることを解決するには、結局、海洋放出しか方法はないわけで、海洋放出をしないならモルタル固化でと言ったところで土地はどうやって用意するんだ? その土地は一生モルタルの処分場ですよ? 海洋放出でもないモルタルでもないってなったら、解決するにはチェルノブイリ原発事故の処理みたいに、コンクリートで原発ごと固めてしまうしかない。固めたあとも、その土地は一生そのままです。

 だから、何度も言うけど原発そのものの「賛成」「反対」というよりいまの現状を皆さんに知って欲しい。事故が起きた原発は冷やさないともっと危ないことになるから冷やすしかなくて、それには水を入れていくしかない。そうなると放射性物質がいっぱいついた水になる。その水は多核種除去設備ALPS(アルプス)で浄化処理されるとトリチウム水になるわけです。

 原発を水で冷やしている限りはその水が出続けるわけですよ。処理した水であって、イチかバチかの危ないものを海に捨てるって話ではないんです。元素記号でいっても水素(H)の一種で水とほぼ変わらないんですよ。「たぶん大丈夫だと思うけど流してみます」っていうものを海洋放出しているのではないんです。原発を稼働するとトリチウム水というものができて、それを全部目の前の海に流してきたんですよ、みなさん、それは全世界でやっていること。きちんと説明すればみんなわかると思うので、メディアは、そのことを冷静に訴えかけたほうがいいと思うんです。

 26日に韓国の全羅南道の知事が「原発汚染水の放流は大災害のはじまりだ」と反対を主張したんだけど、いや、おまえの国の釜山の原発だってトリチウム水をガンガン流してるぞ! 他の近隣アジア諸国も日本がトリチウム水を流したら反対するみたいなことになっているけど、あんたんトコの原発でもガンガン流しているものですよ? 

 福島への風評被害は台湾や中国、韓国ではどっちみち起きてしまっているから、さらなる風評被害は避けられないかもしれないけれど、トリチウム水を海洋に流さない限り、日本には方法がないんですよね。だからこそ、せめて日本国内においては「これはこういうことですよ」という正しい知識と情報をいまこそメディアでガンガンやるべきだと思うんですよ。「賛成」「反対」という理論ではなく、いかに風評を拡げないようにするかって話で、原発推進か反対かという意見もちょっとおいといて、どう福島の魚が風評を食らわないようにするかってことを考えないといけない。

 こういうニュースを地上波の報道番組で掘り下げているかワイドショーで取り上げているかというと、避けがちじゃないですか。いますごく大事なことなのに。東京電力福島第一原発の問題って、福島だけの問題じゃなくて、電気を使っていた東京の問題でもあるし、海洋放出に対するアジアからの風評の被害となれば日本の国としての問題でもあるわけですよ。

 日本全体の問題なのに、それを何もやっていない。当初27日と予想されていた海洋放出決定を菅総理は「保留」としている。2022年というリミットは迫っているわけだから、それって、日本学術会議の政治弾圧問題のことより、よっぽど切羽詰まった問題だと思うんですよ。26日に臨時国会が召集されて、野党は日本学術会議のことで菅さんのことを質問攻めにしてくるのかもしれないけど、そうじゃなくて、トリチウム水のことを与党、野党でちゃんと話し合わないと。リミットくるんだからどうすんのよ? そこでしょ、話し合わないけないのは!

 なおかつ、風評被害が出ないように福島の漁業のこともきちんと考えてくださいよ! そうしないと福島の人たちは困ってしまいますよ! 

■カンニング竹山(かんにんぐ・たけやま)/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。竹山報道局は、ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録

このニュースに関するつぶやき

  • 「後世の事や地元含め、皆で認識を話し合おう」ってのに排除して「政治家が責任を取る」を名目に、国民が忘れた頃に、有無を言わさず法案を数の力で通すんだろ?それが独裁だっての。
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  • 竹山さんの仰るとおり。
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