パートの社会保険加入者が増える?2022年からの厚生年金加入基準とは

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2020年10月29日 08:11  All About

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写真昨年から議論されていた年金制度改革ですが、5月の国会で年金改革法が正式に成立しました。その中の1つであるパートで働く方の厚生年金加入について考えてみたいと思います。
昨年から議論されていた年金制度改革ですが、5月の国会で年金改革法が正式に成立しました。その中の1つであるパートで働く方の厚生年金加入について考えてみたいと思います。

パートで働く人の年金はどうなっているのか

日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2つに大別されています。

現在パートとして働いている方たちの年金加入状況はさまざまで、例えばサラリーマンの妻でパートで働いている方を考えると、夫の扶養要件に当てはまるため保険料負担なく国民年金に加入している人もいれば、パート先の会社の規模や本人の働く時間・収入が一定の条件に達しているので厚生年金に加入し保険料は給与から引き落とされている人もいます。

一方で規模の小さい会社で働いていてパート収入が多く(130万円以上)国民年金に加入し自ら保険料を負担している人もいるなど、その方の背景によって加入している年金も保険料の負担も変わってきます。

今後はパートの厚生年金加入基準が見直されることに

今回の年金制度改革では、パートの厚生年金への加入基準が拡大されることになりました。これまでも501人以上の規模の会社で働くパートが一定の条件(注1)に当てはまる場合は厚生年金への加入が義務付けられていました(注2)。

その基準が2022年10月からは101人以上の会社は加入義務づけとなったのです。

なお2024年10月からは51人以上の会社へとさらに基準が拡大します。これらのことにより今後厚生年金に加入するパート人口はさらに増えていきます。

*注1:「週20時間以上」「1年以上働く見込み(2022年10月より撤廃)」「月額賃金8,8000円以上」「学生でない」のすべてを満たす場合
*注2:2017年4月以降は労使の合意があれば500人以下の会社でも加入可能です

厚生年金加入のメリット・デメリット

パートが厚生年金に加入することのメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。まず何と言っても、最大のメリットは将来の年金額が増えることです。

日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2つに分かれていることは前述した通りですが、厚生年金に加入している期間は自動的に国民年金にも加入しています。そのため加入により将来受け取る年金は老齢基礎年金(国民年金)にプラスして老齢厚生年金が加わりますので、受け取る年金額は多くなります。

そのほかにも厚生年金に加入することで一定の障害状態になった場合、障害基礎年金(国民年金)に加えて障害厚生年金が支給されます。なお障害基礎年金(国民年金)が障害等級(1級・2級)が対象なのに対し、障害厚生年金は3級も対象であり、仮に3級に至らない場合でも一時金制度があるなど障害の幅が広いのも特徴です。

また遺族年金に関しても遺族基礎年金(国民年金)が18歳未満の子どもと子のいる配偶者しか対象にならないのに対し、遺族厚生年金は妻や子、一定の孫、55歳以上の夫、親、祖父母も対象となるなど、その対象が広いためこれも厚生年金に加入するメリットといえるでしょう。

一方で厚生年金加入のデメリットとしては、今までサラリーマンの夫の扶養に入り保険料負担をしていなかったパートの方などは、今後は毎月の給料から厚生年金保険料が天引きされるため、目先の手取り額が減ることがあげられます。

保険料負担と将来の年金受取額はどう変わる?

今回の改革で新たに厚生年金に加入となった場合に、毎月の保険料負担と将来もらえる年金額はどう変わるのでしょうか? 厚生労働省のホームページには厚生年金保険料の負担額と将来の受け取り年金額について概算が示されています。

加入することで将来は厚生年金が上乗せされます。

このケースでは月収88,000円の方が1年、20年、40年間働いた場合の保険料負担額と年金額が表に、40年働いた場合については概算図として示されています。

40年の概算図からは、自身で国民年金に加入し保険料16,000円(本当の金額は16,540円:令和2年)を負担している方が厚生年金に加入すると保険料本人負担は8000円に減る一方で、将来受け取る年金は厚生年金として19,000円上乗せされることが分かります。

なお夫の扶養に入っている場合(第3号被保険者)そもそも保険料負担がありませんので、厚生年金加入に伴い毎月の保険料負担8,000円増えますが、将来受け取る年金は同様に厚生年金として19,000円上乗せされることが分かります。

改正の背景には年金財源の確保が

今回改革が行われたパートの厚生年金加入基準拡大の背景には、年金財源を確保したいとの政府の考えがあります。日本の年金制度は「賦課方式」であり、働く世代が支払っている保険料が現在の年金受給者への支払いに充てられています。

少子高齢化で年金受給者は増える一方で保険料の担い手は少なくなりますので、パートで働く方にも適用を拡大し、加入者を増やすことで保険料収入を増やそうとする狙いがあるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は本年5月29日に国会で成立した年金改革法の中で、パートの方への厚生年金加入基準について考えてみました。厚生年金に加入することにより給料から保険料が徴収されますので、サラリーマンの夫の扶養に入っていた方は目先の手取りが減り釈然としない面もあるかもしれません。

しかしながら厚生年金に加入することにより死亡、障害といった万一の備えが手厚くなることや、将来の年金が増えライフプランをたてやすくなるという点ではよいことではないかと思います。
(文:川手 康義(マネーガイド))

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