「外国人労働者を使い捨てにしないで!」 技能実習制度の"ひどすぎる"実態、 弁護士らが議論

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2020年10月30日 16:31  弁護士ドットコム

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外国人技能実習法の施行から3年を迎えるにあたり、その実効性について検証しようと、技能実習の問題に取り組む弁護士グループや労働組合、NPOが10月30日、東京・永田町の参議院議員会館で院内集会を開いた。


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技能実習生として来日したミャンマー人が登壇して「人権侵害された」と述べるなど、今なお改善されていない技能実習制度の問題点を訴えた。



●「一分一秒でも早く廃止すべき」

外国人技能実習法は2017年11月、技能実習生の保護を図ることなどを目的として施行された。外国人技能実習機構がつくられて、一定程度、実習生を保護する仕組みはできたが、この三年間、状況は改善されていない。



この日の集会で、日本労働弁護団幹事長の水野英樹弁護士は、技能実習制度の問題点として、(1)劣悪な労働環境(低賃金・残業代未払い・長時間労働・ハラスメント)、(2)労働者からの搾取(来日のための高額の手数料)、(3)人権侵害行為(パスポート取り上げ・監禁・帰国強要)を指摘した。



移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事の鳥井一平さんによると、実習生が使い捨てになっている状況は、この三年でまったく変わっていないという。鳥井さんは「技能実習制度は一分一秒でも早く廃止しないと、社会の適正化にならない」と語った。



●「ミャンマー人はダメだ、と言われた」

登壇したミャンマー人女性(20代)は昨年6月に来日して、名古屋市のインテリア会社で働いていた。ところが、その経営者から毎日のように「ミャンマー人はダメだ」「あなたは犬みたい。犬でさえ返事ができる」などと暴言を言われたという。



また、別のミャンマー人実習生の女性が、髪をひっぱられたり、スリッパで頭を叩かれるところを目撃したそうだ。



給料は多いときで16万円、少ないときは8万円だったが、仕事の準備時間があったのにその分の給料を支払われなかったり、倉庫・コンテナみたいな寮だったのにもかかわらず、電気代月2万円、家賃月2万円を天引きされていたという。



結局、ことし6月、監理団体にかけ込んだが、そこでも「1日500円払わないと追い出す」と言われるなどしたそうだ。労働組合に相談しつつ、自分たちで探した介護の仕事に10月から就いている(特定活動)が、先行きは不安定なままだ。



●「日本をつくっていく仲間として受け入れるべき」

外国人技能実習生問題弁護士連絡会共同代表の指宿昭一弁護士は「日本社会は、外国人労働者と共に歩む時代に突入しているが、実態は外国人労働者が使い捨てにされて、人ではなくモノとしての受け入れになっている。受け入れるからには、私たちともに職場・地域を支え、日本をつくっていく仲間として受け入れるべきだと」と話した。


このニュースに関するつぶやき

  • 学びに来ている筈の実習生が労働力として来ている実態がおかしい。労働なら技能を身に付けてから来い。学ぶなら学費を払える奴が来い。互いに都合が良すぎる。
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