天皇賞・秋の穴は今が充実の6歳馬。アーモンドアイ絡みでも好配当になる

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2020年10月31日 06:31  webスポルティーバ

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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 GI秋華賞のデアリングタクト、GI菊花賞のコントレイルと、立て続けに快挙を達成し、秋競馬は早くも最高潮といったムードにありますね。

 そんななか、今週はGI天皇賞・秋(11月1日/東京・芝2000m)において、アーモンドアイ(牝5歳)がJRA史上初となる芝GI通算8勝という大記録に挑みます。

 これまでに、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックと、6頭の名馬が芝GIで通算7勝を挙げていますが、どの馬も越えることができなかった"8勝の壁"。それを打ち破ることは、決して簡単なことではありませんが、無敗の三冠馬が牡牝で誕生する空前絶後の時流からすれば、初の芝GI通算8勝という偉業もついに果たされるのではないか、と思ってしまいます。

 歴代の芝GI7勝馬の中では、4歳までに7勝を挙げたシンボリルドルフとディープインパクトの戦績が際立っていますが、アーモンドアイも現時点で13戦9勝と、通算勝率は2頭に続く数字を残しています。

 とりわけアーモンドアイは、デビュー3戦目でGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)を勝ったあと、GIレースにしか出走していません。それでいて、これだけの高い勝率をキープしているということは、本当に立派だと思います。

 そして今回、初めて"すでに勝ったことのあるGI"に出走します。

 昨年の秋初戦にも天皇賞・秋を選択し、最後は完全に流しながらも、勝ち時計は1分56秒2という好時計をマーク。後続に3馬身差をつける圧勝劇を披露しました。

 アーモンドアイにとって、東京競馬場が一番走りやすいコースであることは、これまでのレースぶりを見ても明らか。距離もマイルより中距離のほうが、持てる力を存分に発揮できると思います。条件としては、申し分ないでしょう。

 あえて不安を挙げるなら、道悪でしょうか。グランアレグリアに完敗した前走のGI安田記念(6月7日/東京・芝1600m)も、その前に大勝したGIヴィクトリアマイル(5月17日/東京・芝1600m)より、勝ちタイムが1秒も遅いやや重の馬場でした。唯一の惨敗となる昨年のGI有馬記念(中山・芝2500m)も、暮れの中山という時計のかかる馬場でしたし、消耗戦になったことも影響したと思います。

 とはいえ、今週末の天気予報は晴れ。パンパンの良馬場が見込めそうで、わずかな不安も解消されそうです。

 一戦ごとに全力で走り切るタイプで、3カ月以上の休み明けは6戦6勝。ローテーション的にも問題はなく、中間の調整過程や仕上がりについても、今さら心配することはないでしょう。快挙達成へ、視界は良好です。

 このアーモンドアイに立ち向かえるとしたら、ひとつ下の牝馬クロノジェネシス(牝4歳)でしょうか。

 アーモンドアイは過去、有馬記念でリスグラシュー、安田記念でグランアレグリアと、言うなれば"覚醒した"牝馬に2度負けています。有馬記念のリスグラシューは、アーモンドアイが本来の力を出し切っていたとしても、勝てただろうか? という強さでしたし、グランアレグリアにしても、その後のGIスプリンターズSの勝ちっぷりを見る限り、マイル以下の距離なら、アーモンドアイと何度戦っても好勝負を演じそうな気がします。

 それら2頭と同様、クロノジェネシスもある時を境に急激に強くなった印象がある牝馬です。前走のGI宝塚記念(1着。6月28日/阪神・芝2200m)は特殊な馬場に対する適性があったことは確かですが、リスグラシューが勝った昨年以上の圧勝でしたからね。侮ることはできません。

 東京・芝2000mでの高速決着となると、やや分が悪いかもしれませんが、もしも馬場が渋れば、逆転もあるのではないかと期待していた1頭。良馬場でも走れる馬ですから、アーモンドアイ以外に対しては、威張れる存在だと見ています。

 牡馬勢で注目されるのは、昨年の2着馬ダノンプレミアム(牡5歳)や、GI天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)で連覇を決めたフィエールマン(牡5歳)、天皇賞・秋への参戦は今回が初となるダノンキングリー(牡4歳)に、宝塚記念2着など今年も健闘を続けるキセキ(牡6歳)といったあたりでしょうか。

 そうした好メンバーが集うなか、今回の「ヒモ穴馬」にはGI実績ではそれらよりもやや劣るダイワキャグニー(せん6歳)を取り上げたいと思います。




 6歳になりましたが、今年はGIIIエプソムC(6月14日/東京・芝1800m)を勝って、GII毎日王冠(10月11日/東京・芝1800m)で2着と、充実ぶりはこれまでで一番。毎日王冠ではサリオスに完敗したものの、ダイワキャグニー自身は好位から勝ちパターンの競馬をして、去勢効果が感じられるレースぶりでした。今回は、ハナに行こうと思えば行けるメンバー構成ですから、GI馬たちが後ろでけん制し合ってくれれば、チャンスが生まれるのではないでしょうか。

 個人的には、鞍上の内田博幸騎手にも期待しています。というのも、先週の菊花賞で苦い思いをして、リベンジに燃えていると思うからです。

 内田騎手は菊花賞で3番人気のバビットに騎乗。しかし、キメラヴェリテにハナを譲ってしまい、思い描いたレースができぬまま10着に敗れてしまいました。逃げて止まったのなら諦めもつきますが、連勝してきた競馬ができずに負けてしまっては、ファンや厩舎関係者、オーナーはもちろんですが、乗っていた内田騎手にとって、相当悔いが残るレースになったと思います。

 そして、内田騎手は今週も再び先行馬に騎乗。それも今回は気楽に乗れる立場ですから、半端な競馬になった菊花賞の借りを返すべく、「バッタリ止まったら仕方がない」くらいの気持ちで、かなり大胆な先行策を見せてくれるのではないかと思っています。

 さすがに逃げ切り勝ちまでは難しいとしても、狙いどおりの展開に持ち込むことができれば、2、3着に残せるだけの能力とコース適性がダイワキャグニーにはあるはずです。メンバーがそろっている分、人気薄なのは間違いないと思いますから、アーモンドアイ絡みの馬券でも、魅力的な配当が見込めるのではないでしょうか。

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