小島慶子「男尊女卑をなくすには成長する人へエネルギーを割くほうが建設的」

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2020年10月31日 11:35  AERA dot.

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写真エッセイスト 小島慶子
エッセイスト 小島慶子
 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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「いちいちやかましい!」「悩むだけ無駄!」。豪快、痛快、ぶった切り。“ポリコレを笑い飛ばす”物言いはいつの時代も人気ですが、私は好きじゃありません。その一言で、これまでどれだけの人が口をふさがれてきたか。そんなのは喝破でも達観でもない、単なる思考停止です。

 職場にもいるでしょう。ジェンダーやハラスメントの問題に悩む人に「細かいことでクヨクヨするな。人生なんてそんなもんだ」と説教する、声の大きな人。周囲は同調し、悩みを打ち明けた人はバカにされて、口をつぐむ。嫌な感じだなあと思いながら、傍観している人もたくさんいるはずです。力関係上、何も言えなかった悔しい経験は、私にもあります。

 でも、ここ数年でそれが変わりつつあります。毎日のようにジェンダー関連のニュースが報じられ、企業統治や投資の世界でもジェンダー格差の是正やハラスメントへの対応が重視されています。「ごちゃごちゃうるせえ」は、もう主流の意見ではなくなりました。そんな言葉に出合う度に、昨年出した対談集『さよなら!ハラスメント』で伺った、精神保健福祉士・斉藤章佳さんの“日本は男尊女卑依存症社会”と、政治学者・佐藤信さんの“教育と淘汰(とうた)”という言葉を思い出します。

 やめたくてもやめられなくなっている男尊女卑社会を変えるには、いくつもの呪いを解く必要があります。学校や職場で常態化していたジェンダーバイアスやハラスメントが問題視され、次々と呪いの正体が明かされつつある今、いつまでも呪詛(じゅそ)の言葉を吐き続ける存在は、時代から見放され淘汰される運命にあります。最近私は、そうした淘汰圧を高めるためにも、これから成長する人たちにエネルギーとリソースを割く方が建設的だと思うようになりました。もはや看取(みと)りの心境になりつつあります。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

※AERA 2020年11月2日号

このニュースに関するつぶやき

  • 家庭も学校も、おかしな差別から決別できればいいことです。
    • イイネ!13
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  • そのハラスメントも他者を封じるために利用されてんだろ?本当に成長なのかどうかが疑問なのよ。
    • イイネ!19
    • コメント 0件

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