YouTubeで「運動会」の動画をアップ 他人の子どもの映り込み、法的に問題ないの?

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2020年11月01日 10:42  弁護士ドットコム

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子どもの運動会といえば、欠かせないのがビデオ撮影。子どもの活躍を残すために、毎年場所取りから奮闘する人も多いでしょう。ただ、その動画を勝手にネットにアップするのには、注意が必要です。


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子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板には「YouTubeに運動会を投稿」(http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=3718248)と題したスレッドで「して良いの? このご時世でいいのかな?」と投稿がありました。



●「運動会リレー」子どもの顔が丸見え

スレ主が観たのは、キッズYouTuberが周りにモザイクをかけてアップしていた動画でした。「子どもが通ってる幼稚園では、幼稚園の事を撮った写真や動画をSNSなどに投稿禁止になってるからさ」と疑問に思っているようです。



YouTubeで「運動会」と検索してみたところ、「運動会リレー」などの動画が個人のアカウントでいくつもアップされていました。ただ、映り込んでいる子どもにモザイクなどはかかっておらず、中には幼稚園名や学校名を明記しているものもあります。



自分の子どもの記録用と言えど、一度ネットにアップしてしまえば半永久的に残ることにもなりますが、他人の子どもも映っている運動会の動画をアップすることに法的な問題はないのでしょうか。加藤泰弁護士に聞きました。



●権利侵害の可能性あり

——ネットに運動会動画を上げた場合、法的な問題は考えられますか



プライバシー権や肖像権を侵害しているのではないかとの問題が生じる可能性があります。



——プライバシー権、肖像権とは何ですか



プライバシー権とは、自分についての情報をコントロールする権利のことです。



肖像権は、プライバシー権の一種といえますが、自分の承諾なしに顔や身体を他人に撮影されたり、撮影された写真などを使用されたりしない権利のことです。



——ネットに誰かの顔が映った動画を投稿すると、プライバシー権や肖像権を侵害するのですか



動画投稿がプライバシー権や肖像権を侵害するかどうかは、一概には決めることはできません。ケースバイケースとなります。



撮影されたイベントがどのようなものか、関係者から承諾が得られているか、投稿された動画の内容、投稿されたサイトがどのようなものか、といったさまざまな要素を考慮して、許容範囲内かどうかを判断することになります。



●園や学校のルールに従って

——園や学校の運動会の動画は、どう考えられますか



たとえば、幼稚園が開催する運動会で、幼稚園がインターネットやSNSへの投稿を禁止している場合、保護者たちは自分の子どもの写真や動画が出回ることがないと安心して参加させているでしょう。



このような事情からすると、他の家庭の子どもの顔や名札などがはっきり映りこんでいれば、投稿者のお子さんがメインで映っている映像だったとしても、他の家庭の子どものプライバシー権や肖像権を侵害していると評価される可能性は十分あると思います。



——モザイク処理をすれば問題ないでしょうか



モザイク処理を施していない部分に何らかの個人情報が映りこむこともありますし、会場のアナウンスや歓声に子どもの名前が出てくるかもしれません。一つの動画からは分からなくても複数の動画や画像から個人情報が漏えいすることもありえます。細かい配慮は欠かせないことになります。



また、モザイク処理をしたとしても、そのような投稿がなされること自体が園や学校の運営にとっての障害となる可能性もあります。モラルの問題かもしれませんが、やはり、園や学校のルールに従うことが望ましいと思います。



——気軽にネットに動画をアップできるようになりましたが、気を付けなければならないことはたくさんありますね



ネットに動画や写真をアップして友人たちに見てもらいコメントをもらうことは楽しい行為です。しかし、デジタルデータは複製が容易であり、信じられないスピードで世界中に拡散する可能性があります。



Facebookにアップして友人に見せるだけのつもりだったのに、見た人があまりの可愛さにTwitterに転載、それがバズって世界中に拡散されてしまった、といったことも起こりえます。バズった結果、誹謗中傷のターゲットになることもあります。



データを慎重に取り扱うこと、投稿ミスなどで漏えいさせないことは大前提ですが、投稿した画像や動画が自分の意図しない形で拡散する可能性まで警戒してアップする必要があります。




【取材協力弁護士】
加藤 泰(かとう・やすし)弁護士
早稲田大学法学部卒業、広島弁護士会所属
広島弁護士会広報室室長代理、広島商工会議所青年部会員
Twitter:https://twitter.com/39katoyasushi

事務所名:山下江法律事務所
事務所URL:https://www.law-yamashita.com/


このニュースに関するつぶやき

  • まぁ、マスゴミ様が【殺人事件の被害者の映像を流す】という目的で使うリスクは非常に高いと考える。
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  • 自分の権利に敏感だが、他人の権利に鈍感。
    • イイネ!71
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