ムショでの読書は「親鸞」が人気!? 「慰問のプロ」杉良太郎とATSUSHIのオススメ本を、元女囚がジャッジ

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2020年11月01日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

左からEXILEのATSUSHI、向井地美音(AKB48)、上川陽子法務大臣、杉良太郎 法務省ウェブサイトより

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

「矯正支援官」のおすすめする本

 「Go To」が盛り上がってるわりに、ムショは慰問もできひんようですが、俳優で「特別矯正監」の杉良太郎さんの発案で、ムショのための「読書の日2020」のポスターが発表されましたね。

 杉サマは15歳から慰問をされている「慰問のプロ」で、芸能人の「矯正支援官」を任命して全国のムショに行ってもらってます。

 ポスターでは杉サマほか、「矯正支援官」を務めるEXILEのATSUSHIさんやAKB48の向井地美音さん、コロッケさんとかがオススメ本を紹介していて、読書週間(10月27日〜11月9日)中にムショなどに貼られるそうです。

\読書の日2020📚/
10月27日は「#読書の日」です。
杉良太郎特別矯正監、EXILE ATSUSHI矯正支援官、AKB48総監督向井地美音さん(サポーター)に、読書を通じた立ち直りへのご支援について、上川法務大臣からお礼をお伝えしました。
推薦図書のご紹介ありがとうございます! pic.twitter.com/Hd1wGhSuZ5

— 法務省矯正局 (@MOJ_KYOUSEI) October 27, 2020

 杉サマは、ちゃっかり息子さんである山田純大さんの『命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民』(NHK出版)を紹介されてます。純大さんは俳優だけでなく、ノンフィクション作家としても評価されてるそうですよ。

 ATSUSHIさん(『なぜ生きる』明橋大二・伊藤健太郎共著、高森顕徹監修/1万年堂出版)とコロッケさん(『大河の一滴』五木寛之著/幻冬舎)は「親鸞聖人」に関する本を推薦されていますが、実は男子刑務所では親鸞が人気らしいのです。親鸞の「悪人正機説(あくにんしょうきせつ)」は、「悪人は、善人以上に救われる」ちゅう意味で、懲役(受刑者)には都合がええとか。気になった方はググってみてくださいね。

 杉サマは、「毎年やりたい企画」とおっしゃってるそうで、いつか瑠美の『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)も紹介していただきたいです。

ムショでの読書は「仕方ないヒマつぶし」

 ムショはスマホもないし、刑務作業以外はめっちゃヒマです。せやから読書は喜んでちゅうよりは、「仕方ないヒマつぶし」ともいえます。本好きでマジメなら、まずムショには来ませんし。

 瑠美の場合は、当時の夫に頼んで、お料理や旅の本、やくざのノンフィクションやレディコミなどの漫画をよく差し入れてもろてました。何も考えてない夫がBL本を送ってきた時は焦りましたが……。

 差し入れをしてくれるような家族や友達がいてない人は、ムショに備え付けてある本(官本)を読みます。施設によってもちゃいますが、予算の都合でセレクトが微妙すぎて、たいていは村上春樹さんの『ノルウェイの森』(講談社)とか大昔のベストセラーで、古くてボロボロです。でも、「かえってふだん読まない本を仕方なく読んだらおもろかった」みたいな話もあるんで、いろいろですね。

 今はシャバで好きな本を読めるんで、読む時間は取れなくても、なるべく買うようにしています。清原和博さんの『清原和博 告白』と『薬物依存症』(共に文藝春秋)は発売日に買ってソッコー読ませていただきましたし、実はビジネス書も読みますよ。

 薬物依存で苦しんでいらっしゃる方は多いし、そういう方の本を買うだけでも応援になりますしね。そこで、この連載のために(笑)、高知東生さんの『生き直す 私は一人ではない』(青志社)を読ませてもらいました。クスリ(違法薬物)との戦いもですが、「自分は地元の親分の隠し子」と思うてたのに違うてて、実は子分さんの子やった……とか、かなーり壮絶な人生が書かれてて、読み応えがありました。

 高知さんは、依存症と戦う仲間と出会えて、支え合ってこれたのもよかったんですね。これも何回も書いてますが、依存症は毎日が戦いです。毎日、「今日もクスリをせんとこ」「今日もせんとこ」と思って、それを積み重ねていくんです。まず3年、そして10年がんばれれば大丈夫と思いたいですが、これが一生続くんですよ。

 ひとりやとザセツすることもありますから、仲間を作るのもアリです。清原さんもいろんな人に支えられて、ここまでこられているんでしょうね。

 今の瑠美は、どんなにツラいことがあっても絶対クスリに頼らない自信がありますが、だいぶ前はツラい時に「もうまたシャブいってまおかな」と思ったこともあるんですよ。そうゆうところを乗り越えてこられたんで、ツラい人を支えたらなあかんと、いつも思っています。

 でもね、結局クスリをやめるための「やる気スイッチ」は、自分で押すしかないです。瑠美もそれに気づくのにだいぶ時間がかかりましたが、今は大丈夫です。「もうツラい思いをしたくない」「またクスリやってるって、バカにされたくない」「読者さんや編集者さんを裏切りたくない」ゆう気持ちのほうが強いんです。ここまでいくのは大変ですが、私ができたんやから、みんなもいけると思いますよ。

 もう1冊、依存症に関する情報を発信するなど高知さんとも活動している田中紀子さんの『祖父・父・夫が ギャンブル依存症! 三代目ギャン妻の物語』(高文研)も買うてみたので、読んだら感想を書きますね。田中さんは、なんと祖父・父・夫、そして自分もギャンブル依存症ちゅう自称「どん底評論家」さんやそうです。でもYouTubeを見ると、明るい感じですよ。

 いろんな方がいてるもんですね。瑠美もがんばろうと、マジで思いました。

このニュースに関するつぶやき

  • #EXILE #ATSUSHI 氏、#カルト #浄土真宗親鸞会 にハマってるのか…。ヤバいな。orz
    • イイネ!10
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