「足がつる」のはなぜ? 医師に聞いた正しい予防法・対処法とは?

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2020年11月23日 07:00  AERA dot.

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写真※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)
 スポーツで足を酷使した後、あるいは寝ているときなどに、突然「足がつる」という経験をしたことがある人は多いはずです。なかには、普段から足がつりやすくて悩んでいる人もいるかもしれません。自分の意識と無関係に起こる筋肉のけいれんは、いったいどのような原因で起こるのでしょうか? 日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に、その医学的な原因や予防法などを聞きました。

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「足がつる」という事態は、けっして珍しいことではなく、ほとんどの人に起こりうることです。たとえばサッカーやテニスなどの選手が、試合の終盤になって足がつっている姿を、目にしたことがある人もいることでしょう。普段からトレーニングを重ね、コンディションを整えているはずのプロの選手でさえも、足がつることはあります。

 足がつることが最も多く起こる部位は、ふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」です。ふくらはぎは「こむら(腓)」ともいうため、俗称「こむら返り」とも呼ばれます。正式な医学用語では、「腓腹筋けいれん」といいます。この自分の意識とは無関係に起こる一時的な筋肉のけいれんは、ふくらはぎのほか、太ももや足指、全身でも起こることがあります。太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のような大きな筋肉で起こるほど、痛みは強くなるといわれます。

 ではなぜ突然、無意識に筋肉のけいれんが一定時間起こるのでしょうか? その原因ははっきりと特定されていませんが、とくに持久系のスポーツの運動中や運動後に生じることが多いことから、筋肉の使い過ぎと大きな関係があるといわれています。

 長時間の激しい運動で局所の筋肉を酷使すると、筋肉への栄養の供給が需要に追いつかなくなり、けいれんが生じると考えられます。一般の健康な人でも、一日じゅう立ち仕事をして足が疲労したり、血行が悪くなったりしたときに同様の状態にいたり、起こることがあります。

 また、電解質の異常も一つの原因と考えられています。運動中は、発汗にともなって水分や電解質が失われます。電解質とは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど血液中にあるミネラルイオンのことで、これらが筋肉や神経の動きを調整しています。その電解質のバランスが乱れると、筋肉のけいれんが起こるのです。

 夏に炎天下でスポーツをしていると、足がつることが多くなりますが、これは発汗による脱水と電解質の不足が起きているサインといえます。さらに進行すると熱中症となり、足だけでなく全身のけいれんがおこることもありますので、注意しましょう。

 腓腹筋のけいれんの痛みは、一般にかなり激しいものですが、それは一過性の症状です。つったからと言って、筋肉が断裂するわけではありませんし、後遺症が残るわけでもありません。けいれんが治まれば、そのまま運動を続行できます。

 腓腹筋けいれんが起きた場合の対処法としては、とにかく収縮した筋肉を伸展させることです。つま先を曲げて手前に引き寄せたり、立ったまま足を前後に広げてアキレス腱を伸ばすようにしたりして、縮こまっている腓腹筋を伸ばして10秒以上キープし、けいれんが治まるのを待ちます。筋肉の冷えや血液供給の低下があると、とくにつりやすくなるため、局所を温めたり血流をよくするためのマッサージをしたりして筋肉を和らげると効果的です。

 予防のためには、運動前にはストレッチや準備運動をすることです。日ごろ使っていない筋肉ほど筋肉疲労が起こりやすく、けいれんのリスクが高くなるため、念入りにストレッチをしたほうがよいでしょう。そして運動中には適宜休息を取ることと、水分補給・電解質補給をしっかりとおこなうことが大切です。また食事管理の面では、普段から栄養バランスの良い食事と十分な水分の摂取をこころがけましょう。

 また、腓腹筋のけいれんは運動と関わりのない安静時にも起こります。就寝中によく足がつるために、睡眠障害となることもあります。とくに中高年になると、睡眠中によく腓腹筋のけいれんが起きて悩んでいる人の割合が増加します。

 睡眠時は、意外に汗をたくさんかくため、脱水傾向になりやすいといえます。さらに、からだをほとんど動かさないため、心拍数も減り血行が悪くなっています。そのため、睡眠中はふとした拍子に筋肉がけいれんしやすくなります。中高年以降は筋肉量が少なく血流が低下することから、若い人よりもよく足がつるのです。対策としては、運動により起こる場合と基本的には同じです。ストレッチやマッサージ、ミネラルの入った水分の補給などを積極的におこないましょう。

 以上、腓腹筋けいれんが誰にでも起こるものであることをお話ししてきました。通常、腓腹筋けいれんは、命に関わるものではありません。しかし、なかには腎不全や糖尿病、肝硬変、甲状腺機能低下など、何かしらの基礎疾患を原因として発症したり、病気が隠れていたりするケースもあるため、注意してください。

 何度も繰り返すときや、手足のしびれや歩行しづらさ、足のむくみなど、病気を疑わせる症状があるときには、早めに医療機関を受診しましょう。

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