「早実ブランド」復活なるか? 清宮ら早実出身者の活躍に期待

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2020年11月23日 11:42  ベースボールキング

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ベースボールキング

日本ハム・清宮幸太郎
◆ 数々の名選手を輩出した名門校「早実」

 早実の呼び名で知られる早稲田実業といえば、野球ファンにはいわずと知れた高校野球の名門校だ。古くは「元祖安打製造機」こと榎本喜八(元毎日他)、「世界の王」こと王貞治(元巨人)、その王に一本足打法を指導したことで知られる荒川博(元毎日)など、往年の名選手を輩出した。

 その後も、大矢明彦(元ヤクルト)、石渡茂(元近鉄他)、川又米利(元中日)、プロ入り前から「大ちゃんフィーバー」を巻き起こした荒木大輔(元ヤクルト他)など、早実出身の名選手は枚挙にいとまがない。

 それだけに、高校野球ファンのなかには早実ファンも多い。ただ、そんなファンにとって、近年は少しばかり寂しい状況になりつつある。現在、早実出身の現役選手は、斎藤佑樹(日本ハム)、重信慎之介(巨人)、清宮幸太郎(日本ハム)、野村大樹(ソフトバンク)の4人。以下は、彼らの今季一軍成績だ。

【早実出身現役選手の今季一軍成績】
斎藤佑樹(日本ハム) 一軍出場なし
重信慎之介(巨人) 60試合 90打数23安打 打率.256 1本塁打 6打点 5盗塁
清宮幸太郎(日本ハム) 96試合 226打数43安打 打率.190 7本塁打 22打点 2盗塁
野村大樹(ソフトバンク) 一軍出場なし


◆ 目立った活躍を見せられなかった今季

 「ハンカチ王子」として甲子園を沸かせた斎藤も32歳。節目のプロ10年目のシーズンは、プロ入り後初の一軍登板なしに終わった。そればかりか、ファームでの成績も19試合に登板して防御率9.31と振るわなかった。

 昨季自己最多の106試合に出場した重信慎之介(巨人)は、今季はウィーラーの加入などにより出場機会が再び減少。60試合の出場にとどまっている。現在開催中の日本シリーズのメンバーにも名を連ねているものの、第2戦を終えたここまでのあいだ、まだ重信に出番は巡ってきていない。

 荒木や斎藤と同じようにプロ入り前から大きな注目を集めていたのが清宮幸太郎(日本ハム)だ。だが、高卒1年目から7本塁打を放つなど大器の片鱗を見せていたものの、その後は伸び悩んでいる印象だ。今季も7本塁打と持ち前の長打力を感じさせた一方で、打率は過去2年を下回る1割台に終わった。守備の粗さを指摘する声もあり、清宮に向けられる視線は徐々に厳しいものになりつつある。

 ただ、清宮はまだ高卒3年目を終えたばかりで、一般的に高卒野手がその才能を開花させるにはある程度長い時間が必要となる。清宮の場合、その期待値や注目度が高いこと、また、常識破りのスピードで成長を続けているいわゆる同学年の村上宗隆(ヤクルト)とどうしても比較さてしまうことにより、清宮に対する評価は辛口になってしまうのだろう。

 そんな評価をはね返し、周囲をうならせるような活躍を見せられるか。来季以降、清宮らによる「早実ブランド」の復活に期待したい。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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