変則ACLを日本勢はどう戦う?横浜FMは一気に勝ち上がる可能性も

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2020年11月24日 06:51  webスポルティーバ

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 今シーズンのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は、コロナ禍で大幅な日程変更を余儀なくされている。グループリーグは集中開催。決勝トーナメントはノックアウト方式の一発勝負となった。

 西地区は、シャビ・エルナンデス監督が率いるカタール王者アル・サッドが、元スペイン代表MFサンティ・カソルラを擁し、飛び抜けた得点力で注目された。しかしラウンド16で、イランのペルセポリスに17本のシュートを浴びせながら、1−0と敗戦。大会から姿を消すことになった。一方、ペルセポリスはその勢いを駆って準決勝まで勝ち上がり、サウジアラビアのアル・ナスルをPK戦の末に下している。

 決勝でペルセポリスと対戦する東地区の代表はどこになるのか?




 11月24日から、日本勢の3チーム、FC東京、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスが、カタールでのグループリーグに挑む(鹿島アントラーズはプレーオフで敗退)。中断前まで、FC東京(グループF2位)は1勝1分け、神戸(グループG1位)、横浜FM(グループH1位)は2連勝スタートで、いずれもアドバンテージを持っている。各グループの2位までが12月6、7日のラウンド16に進むことになる。

 FC東京は、その堅守がどこまで通用するか――。

 長谷川健太監督が作り上げた守備組織の堅牢さは、歴代Jリーグでも屈指だろう。持ち場を守るポジショニング、カバー&チャレンジが徹底され、役割が明確化。そのおかげで、若手が入っても大きな違和感はない。お互いで守備力を高め合えるのだ。

 長谷川監督は、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのような扱いが難しいブラジル人のマネジメントにも優れ、大きな武器にしている。カウンター攻撃に入った時のパワー、スピードは、アジアの強豪クラブにも打撃を与えることができる。レアンドロのFKは飛び道具だ。

 しかしながら、橋本拳人のロシア移籍の穴が大きすぎる。昨シーズンと比べて、明らかに失点が増えている。中盤の背後を突かれる形やパスミスに端を発した失点が多い。橋本は背後を見ながらポジションを取って、持ち場を守りながらカバーもできていた。攻撃ではボールの出どころになり、前に入ったボールのサポートをし、鋭い出足でインターセプトからショートカウンターも放った。

 長谷川監督はシステムや人材を試したが、橋本がいる時と同じ水準の形は見つけ出せていない。90分の中で必ず脆さが出た。ただ、守備ベースは支えになる。注目は中村拓海だ。非凡なビジョンとテクニックで、右サイドでゲームを作り出せるセンスがある。

 FC東京はまず、第3節(11月24日)、第4節(11月27日)を上海申花と戦うが、相手は週2のペースで延期分の第1節、第2節の連戦を戦った後だけに、体力的に有利と言える。ここで上海を叩けるか。ブラジル人トリオが爆発すれば、グループリーグを勝ち上がる力は十分にある。

 一方、神戸は何もかもアンドレス・イニエスタ次第だろう。アジアでは今でも別次元。本気になったイニエスタは周りの選手を輝かせ、攻守は旋回させる。そして、戦力もアジアで引けを取らない。

 イニエスタが健在なら、酒井高徳、西大伍のサイドバックは勇躍し、山口蛍はやるべき仕事が整理でき、古橋亨梧、ドウグラスの2人のストライカーはゴールチャンスを得ることができる。郷家友太、小田裕太郎の台頭も目覚ましく、朗報と言えるだろう。また、ジョーカーとして見込まれる藤本憲明や田中順也は、初見だとマークが難しいはずだ。

 ただ、トルステン・フィンク監督が去った後、チームは監督交代のカンフル剤で一時的に勝ち点を稼いだものの、それはイニエスタの奮闘によるところが大きかった。今や、戦い方を見失いつつある。攻守の歯車がちぐはぐで、組織的な動きはない。選手個々がそれぞれ奮闘しているが、深刻さは増すばかり。直近10試合の1勝1分け8敗という数字が厳しい状況を如実に示している。

 カタールでは2連勝で首位の優位を生かせるか。第3節(11月25日)、第4節(11月28日)を戦う広州恒大はパウリーニョがケガで離脱したものの、リカルド・グラウが復帰し、強敵となる。ただ、相手は中二日の試合だけに、勝ち点を稼ぐことができたら活路は開ける。あとは、イニエスタの"降臨"を祈るしかない。

 横浜FMはJリーグの連覇を逃し、不振のシーズンを送っている。アンジェ・ポステコグルー監督の超攻撃的な戦いは研究され尽くし、裏目に出た。昨シーズン、「陰のMVP」と言われたDFチアゴ・マルチンスが不振なのが大きな要因か。

 それでも、J1での68得点は首位、川崎フロンターレに次ぐ数字である。ボールを前線に運び、守備ラインを崩すプレーの破壊力は変わっていない。その攻撃力は、アジアの列強を相手にしても脅威になるだろう。

◆「横浜F・マリノスのチアリーダー8人」>>

 カタールでは第3節(11月25日)、第4節(11月28日)で上海上港と対戦する。元ブラジル代表FWフッキを擁する強豪だが、サッカーの質では互角以上に戦えるはずだ。

 キーマンに挙げたいのは水沼宏太。ブラジル人アタッカーの出場が限られていることもあり(ACLでは外国人枠は3人、アジア枠1人)、水沼のプレーセンスは大きな武器になる。ボールを呼び込めるし、得点につながるボールを送れる。右サイドでは呼吸をするように好機を作り出せる。

 直近の川崎フロンターレ戦では、10人になっても互角に渡り合っていた。地力がある証拠だろう。Jリーグの試合より、相手に研究されていない可能性もあるだけに、一気に勝ち上がれる可能性もある。

 12月19日にはアジア王者を決める決勝戦が行なわれる。

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  • 横浜F・マリノスに、怒濤の勝ち上がりを期待です。
    • イイネ!18
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