検察が「桜を見る会」前夜祭の公選法違反の証拠をつかんでいた! 安倍が「ない」と言い張った費用補填800万円の明細と領収書が

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2020年11月24日 07:10  リテラ

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リテラ

2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより)

「安倍前首相秘書ら聴取 「桜」前夜祭 会費補填巡り 東京地検」──今朝、読売新聞にこんな衝撃的な見出しが躍った。安倍晋三後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭問題の告発状を受け、東京地検特捜部が安倍前首相の公設第1秘書らを任意で事情聴取をおこなっていた、と報じたのだ。



 だが、当初はスクープしたのが読売新聞だったため、「検察は立件するつもりはないが、国民に向けて一応、捜査しているというポーズを見せるため、アリバイ的に読売にリークしただけではないか」という見方が強かった。



 ところが、そのあと、検察側が予想以上に本格的な捜査を進めており、決定的な証拠を握っていることが判明した。



 というのも、NHKが昼のニュースでこの問題を後追い報道、そのなかで「桜を見る会」前夜祭をめぐり、会場となった2つのホテルが「安倍前総理大臣側が費用の一部を負担していたことを示す領収書や明細書を作成していた」と伝えたからだ。NHKは「複数の関係者への取材によりわかった」としているが、検察から情報を得ていることは間違いない。



 さらにNHKは夜の『ニュース7』でも続報を打ち、具体的な補填金額まで報じた。内容は以下のようなものだ。



「会場となった2つのホテルは、懇親会の費用の総額などが記された明細書を安倍前総理大臣の事務所側に宛てて作成していて、去年までの5年間の費用の総額は合わせて2000万円を超えることが記されているということです。

さらに、この総額から、参加者から集めた会費分などを差し引いた少なくとも800万円以上については、安倍前総理大臣側が負担したことを示す領収書が作成されていたということです。

東京地検特捜部もこうした経緯を把握し、後援会の代表を務める安倍前総理大臣の公設第1秘書らから任意で事情を聴くなどして確認を進めているものと見られています」

つまり、5年間で最低でも800万円以上を安倍首相側が補填していたことを示す証拠が出てきて、それを検察が押さえていたのである。



 安倍前首相は国会でも「事務所側が補填したという事実はまったくない」「後援会としての収入、支出は一切ない」と言い張ってきたが、やはりあれは真っ赤な嘘だったわけだ。



 いや、これはたんに安倍首相が嘘つきだったというレベルの話ではない。検察がその800万円の安倍前首相側の費用補填の証拠を押さえているとすれば、安倍前首相や事務所、後援会の公職選挙法違反違反での立件の可能性が非常に高まってくる。





●公設第1秘書や地元支援者だけではなく、安倍前首相にも事情聴取の動き



 今回の疑惑をあらためておさらいをしておこう。周知のとおり、安倍前首相は2013年から「桜を見る会」の開催と合わせて地元支援者らを招待した「前夜祭」を開き、2013、14、16年はANAインターコンチネンタル東京で、2015、17、18、19年はホテルニューオータニで開催してきた。



 しかし、安倍晋三後援会の政治資金収支報告書では、「前夜祭」を開催してきた2013年から2019年の6年間のあいだ、1度も「前夜祭」の収入・支出についての記載がない。参加者から受け取ったという1人5000円の「収入」も、ホテル側に宴会代として支払われた「支出」も記載されていないのだ。これについて安倍前首相は「主催は後援会で契約の主体は参加者個人」などという噴飯モノの答弁を繰り返してきた。



 これが政治資金規正法25条などに定められた記載義務違反に当たるのは明白だが、さらに、この「前夜祭」には公選法違反疑惑がもちあがっていた。



 というのも、ニューオータニでは立食パーティのプランは「1人1万1000円から」となっており、会費5000円の立食パーティを実施すること自体が一般的には不可能。安倍前首相側が最低でも1人あたり6000円の差額を補填していたとしか考えられなかったからだ。



 もし安倍前首相側が費用を補填し、酒食を無償で提供したとしたら、「寄附」に該当し、公職選挙法に規定されている公職選挙法199条の2の1項(公職の候補者の寄附の禁止)もしくは199条の5の1項(後援団体による選挙区民への寄附の禁止)に違反したことになる。



 しかし、安倍前首相はこの「寄附」を否定するために、「大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格」などと無理やりホテル側に責任を転嫁する見え透いた嘘の説明を繰り返してきた。



 だが、上述したように、今回、ホテル側が作成した領収書や明細書に、安倍前首相側が費用を補填していたことを示す記録が残っており、それを東京地検特捜部が押さえていることがわかったのだ。



 しかも、NHKの報道どおり、その補填金額、つまり寄附行為の金額が5年間で少なくとも800万円以上にのぼるとすれば、かなり大胆かつ悪質なものだ。



 これは、普通に考えれば、公選法違反で立件できる要件が完全に揃った真っ黒な疑惑と言っていいだろう。実際、検察側はかなり本腰を入れており、日本テレビの報道によると、すでに東京地検特捜部は公設秘書のみならず、地元支援者にも任意の事情聴取をおこなっており、その数は20人以上にものぼるという。さらに毎日新聞が夕方に配信した記事によると、〈特捜部は立件の可否を判断するため、前首相への事情聴取も検討している模様〉だというのだ。



●検察からの情報リークの背景……検察は世論の後押しを求めている!



 もちろん、それでも検察が実際に立件に踏みきれるかどうかはまだわからない。第二次安倍政権以降の検察の政界捜査の弱腰ぶりを考えると、前首相やその秘書を刑事訴追できるとはとても思えないからだ。しかし、一方では検察はかなりやる気なのではないかという見方もある。



「官邸の守護神といわれた黒川弘務・前東京高検検事長が賭け麻雀で失脚したことで、官邸のコントロールはかなり弱まり、現場は捜査をやりやすくなっている。あと、政界では、安倍前首相の復権を封じ込めたいという本音をもっている菅首相が捜査をあえて止めないのではないかという見方もある。いずれにしても、今回、これだけの情報が検察からリークされたのは世論の後押しを求めてのこと。現場がやる気になっているのは間違いない」(全国紙司法担当記者)



 ようするに、今後の展開はマスコミや世論が安倍首相に対してきちんと批判の声をあげ、特捜部の捜査を後押しできるかどうかにかかっているということだろう。



 本サイトでも何度も指摘しているが、最近の安倍前首相の動きは完全に「三度目の総理返り咲き」を狙っている。そうはさせないためにも、そしてさんざん国民に虚偽の説明をおこない、騙してきたことの責任を、いまこそしっかりとらせなくてはならない。

(編集部)


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  • あー、ここぞとばかりにラリッテラが嬉しそうだねー。
    • イイネ!1
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