早産リスクは早産家族歴より予測できる

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2020年11月25日 14:01  妊活・卵活ニュース

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早産リスクの予測因子
ベイラー医科大学、ベイラー医科大学付属テキサス小児病院(共に米テキサス州ヒューストン)の研究チームは、「American Journal of Obstetrics & Gynecology」にて、早産リスクは家族歴より予測可能であると発表した。

現在、二回目以降の妊娠では、本人の妊娠分娩歴を参考にして早産リスクを予測する。それゆえ、早産歴がある場合、早産リスクは高まる。一方、妊娠が初めての場合、早産リスクの予測因子はなく、予測困難であるのが現状である。

遺伝よりも家族間にて共有する社会的決定要因
今回、研究チームは、妊娠中の女性に対して家族歴に関する質問を行い、回答者(本人)、姉妹、母、祖母、叔母・伯母、大叔母・大伯母の早産歴に基づき、特定の家族歴による早産予測の可否を検証した。被験者は、人種・民族・文化・社会経済的地位を考慮したうえで多様性をもたせて選出されている。

調査結果より、早産で産まれた未経産(未産)女性は、早産リスクが1.75倍増加した。姉妹に早産歴のある場合、早産リスクが2.25倍増加したが、一方、祖母あるいは叔母・伯母に早産歴がある場合では早産リスクの増加は認められなかった。

また、早産で産まれた経産女性は、早産歴がなくとも、早産リスクは1.84倍高くなるという。しかしながら、姉妹、祖母、叔母・伯母に早産歴がある場合では、早産リスクは増加しなかった。

研究チームによると、早産は完全な遺伝性ではないという。家族はDNA、遺伝子コードを共有するが、同世代の家族は社会的決定要因を共有する可能性が高く、体系的・構造的人種差別(社会・経済・政治的、支配的、全体的に蔓延している人種差別主義)を経験する。

研究チームは、それゆえ、姉妹の早産リスクと相関関係にあり、祖母、叔母・伯母の早産リスクとは関連性がないと説明する。早産は遺伝的なものより、むしろ、家族のバックグランド、早産リスクを高める環境的・社会的要因の共有こそ、予測因子になると指摘する。

(画像はプレスリリースより)

Baylor College of Medicine

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