原巨人は全試合DH制導入が裏目。セ全体でこの惨敗を受け止めるべき

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2020年11月26日 11:21  webスポルティーバ

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 日本シリーズ第4戦はソフトバンクが4−1で巨人に勝利し、4年連続11度目の日本一に輝いた。ソフトバンクは先取された直後の1回裏に、柳田悠岐の2ランで逆転。2回には甲斐拓也に2ランが飛び出し、そのリードを7投手による小刻みな継投で逃げ切った。巨人は初回に1点を先制しながらも追加点が奪えず、昨年に続きソフトバンクに4連敗を喫してしまった。第4戦のポイントと、シリーズ通しての両チームの圧倒的な差を、巨人OBの小田幸平が解説する。




 日本シリーズ開幕前から、ソフトバンクが主導権を握ると思っていました。それは全試合でDH制を採用したからです。

 投手の故障リスク軽減などの観点から、ソフトバンク側がNPBに提案。巨人も承諾したことで、1985年の阪神対西武の日本シリーズ以来の導入となったわけですが、ソフトバンクにとってはこれが見事に功を奏した結果となりました。

 セ・リーグ主催となった第1戦、第2戦で例年どおりピッチャーが打席に立っていれば、代打を送らなければいけない場面もあったでしょうし、起用に頭を悩ませていたはずです。ピッチャーだって打席に立つことでリズムが狂い、本来の調子を出せない選手もいたかもしれません。

 ところが全試合でDH制が採用されたことで、12球団でダントツのチーム防御率(2.92)を誇るソフトバンクの投手陣がフル活用できたわけです。

 第4戦に関して言えば、先発したソフトバンクの和田(毅)の調子はよくありませんでした。ピッチングのテンポが悪く、変化球もストライクが入らない。ストレートも逆球が目立っていました。初回だけで30分、2回までに48球を費やすなど、明らかに苦しんでいました。

 ソフトバンクベンチも「状態が悪い」とすぐさま和田に見切りをつけ、3回から松本(裕樹)をロングリリーフで投入。シリーズで当たっていない丸(佳浩)を迎えた5回2アウト一塁のケースでは、左の嘉弥真(新也)を定石どおりのワンポイントで起用する周到ぶり。

 その後も高橋礼、岩嵜(翔)、モイネロ、森(唯斗)の盤石リレーで巨人打線を抑え込みました。3連勝と圧倒的に優位な立場でいながら、王手をかけた第4戦でも気を緩めることなく7投手を起用し、本気で巨人を倒しにいった。4連勝も納得です。

 一方で「受けて立ちます」と、全試合DH制を受け入れた原(辰徳)監督でしたが、これが完全に裏目となったのは否めません。

 2戦目までDH出場の亀井(善行)が6打数ノーヒット。第3戦からはそれまでの2試合で1本塁打、3打点と、巨人打線で唯一気を吐いていたウィーラーをDHとして起用しましたが、2試合通算6打数ノーヒット。

 巨人にしてみれば投手が打席に立たなくていい分、攻撃的なオーダーを組めるはずでしたが、結果的に機能しなかった。ソフトバンクの投手陣がよかったこともありますが、最後までプレッシャーをかけることができなかった。

 また攻撃陣においては、チグハグな攻めも目立ちました。第4戦はそれが顕著に現れた試合でした。

 それまでの3戦から大幅にオーダーを変え、1番・若林(晃弘)、2番・坂本(勇人)の連続ツーベースで効果的に1点を取ったところまではよかったのですが、そのあとの攻めがまずかった。

 ノーアウト2塁から3番の丸が逆球となった2球目のインコースのボール球に手を出し、ファーストへのファウルフライになってしまいました。ここで彼に求められるのは、最低でもセカンドゴロなど進塁打を打って、ワンアウト三塁の場面をつくること。初回なら相手も前進守備を敷きませんから、4番の岡本(和真)は「内野ゴロでも1点入る」と気楽に打席を迎えられたはず。

 しかし、丸のアウトで負の連鎖が生まれたのか、岡本は三振。つづくウィーラーも打ち取られ、結局、初回は1点のみに終わってしまった。

 この日の和田のデキからすれば、もっと冷静に攻めていれば少なくとも2点は取れていたはず。ここにも、3連敗と追い詰められていた巨人の余裕のなさが現れていたような気がしました。

 今回のシリーズを通して感じたことは、巨人打線がソフトバンク投手陣のボールに最後まで対応できていなかったこと。とくにストレートにまったくついていけなかった。

 ソフトバンクは登板したほとんどの投手が150キロ以上のボールを投げていました。基本は、追い込むまでストレート中心で、2ストライクから変化球で打ち取るスタイル。バッターに応じてコースや緩急を使い分けながらリードしていたキャッチャーの甲斐もすばらしかったですが、各打者がストレートに差し込まれていた。

 厳しいことを言いますが、ソフトバンク投手陣の顔ぶれが昨年とそれほど大きく変わっていません。にもかかわらず、これほど完璧に封じ込まれたというのは、対策が未熟だったと言われても仕方ありません。日本シリーズワーストのチーム打率.132、4試合で16安打、4得点という数字がすべてを物語っています。

 セ・リーグもDH制を採用すべきという意見も出ていますが、それだけでパ・リーグとの差が埋まるとは思えません。まずは選手一人ひとりの意識を変えることから始めないといけない。いずれにしても、2年続けて0勝4敗に終わったという現実を、巨人はもちろん、セ・リーグ全体として受け止めないといけないと思います。

小田幸平プロフィール
1977年兵庫県生まれ。市川、三菱重工神戸を経て、97年にドラフト4位で巨人に入団。2006年に中日へ移籍してからは控え捕手として黄金期を支え、14年に現役引退。19年から四国IL・愛媛でヘッドコーチを務めた

このニュースに関するつぶやき

  • 今季は日本シリーズしかサンプルはないが、要は原政権の限界。監督を辞めてNPB内部からでもセのDH導入に全力を注げばよい。そうでもしなければ、原は全試合DH導入に無策で臨んだだけの「日本シリーズ史上最低の監督」である。
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  • それ以前に、ペナントレース終盤の巨人の試合内容が悪すぎたよ。11月は3勝8敗1分、10月は9勝14敗2分。
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