YouTubeでバズった“フライパン1つで作るパスタ”とは? たった15分でプロの味を実現

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2020年11月26日 16:41  リアルサウンド

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 大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かす――普通はそこから始まるパスタ料理の常識を、フライパン一つで美味しく打ち破る革命的なレシピ本が誕生した。


 その名は『フライパンだけで完成!ほぼ15分でプロの味! めんどうな日でも作りたくなる極上パスタ』(小林 諭史 Chef Ropia/KADOKAWA)。タイトル通り「ワンパン」パスタ料理30品を提案しつつ、簡単に作れる前菜・メイン料理・ドルチェまでもをカバー。まさに、忙しい日や料理に気乗りしないときの時短調理に役立つ一冊となっている。


関連:お肉がうまい!「スパゲティ ボロネーゼ」など


■著者は人気YouTuberの顔も持つイタリア料理のシェフ


 著者の小林諭史さんは、長野市にあるイタリア料理店「リストランテ フローリア(Ristorante Floria)」のオーナーシェフを務める傍ら、Chef RopiaとしてYouTubeで料理動画を配信、今や45万人ものチャンネル登録者数を持つ超人気YouTuberでもある。


 そんな小林さんが本書で提案するRopia流ワンパンパスタレシピは、湯沸かしいらずの3ステップで構成される。


1.具を炒める
2.水とスパゲッティを加えて煮る
3.味を調えて完成


 小林さんは文中で「ひとり暮らしや料理ビギナーにおすすめで、”めんどうで作りたくないな……”というときにもピッタリ」と述べているが、極狭シンクの持ち主としては、パスタを茹でる大鍋や湯切りのザルという洗い物界の大物たちとオサラバできるのも嬉しいポイントである。さっそく、本書の指定通り「直径約26cmの深めのフライパン」をお供に、ワンパンワールドに飛び込んでみた。


■お肉がうまい!「スパゲティ ボロネーゼ」
 
パスタづくりはこうあるべし!と固くなっていた私の頭を秒で上書きしたのが「スパゲティ ボロネーゼ」。とある隠し味が効いたソースは、一晩寝かせたレベルのコク深い仕上がり。レシピの通りあまりいじらずに焼き付けた肉からもうまみがたっぷり引き出されており、「極上パスタ」のタイトルに偽りなしということが舌でわかる。


 ソースの旨みをぐんぐん吸いながら茹で上がった麺は、プリプリ、ぱつぱつと、弾むような食感。長年愛用しているバリラが、乾麺からこんなにイキイキと蘇るなんて心底びっくりだ。このボロネーゼで、パスタ作りの常識がすっかりくつがえされてしまった。


■やみつき必至!「トマトカルボナーラパスタ」


 大好物のカルボナーラにトマトソースが加わったイイとこどりのパスタも、ワンパンで手軽に作れる。トマトソースが入ることでほんのりオレンジに色づいたソースがプリプリ麺にまったりと絡みつき、口福の極み。特にうちの小学生は「またこれ作ってね、トマボナーラ。」と造語を生み出すほど気に入ったようだ。卵黄がダマにならないコツもわかりやすく書かれているから、誰でも失敗なく、とろんとしたカルボナーラが作れるだろう。


■甘酸っぱくてクセになる!「フレッシュトマトとしらすのパスタ」


 スパゲティに乗り移ったミニトマトの酸味を、しらすの塩気が引き締め、あっさりと食べられる「フレッシュトマトとしらすのパスタ」。辛味も効いたこの一皿は、本書に掲載されている「ラクうまペペロンチーノ」の応用レシピともいえる。ワンパンパスタは、乳化も得意だ。パサついてしまいがちなオイルベースのパスタも、ワンパンなら煮詰めていく過程で油分と水分が勝手に乳化する。さらに麺から出たデンプンが乳化剤の役割をするようで、程よいとろみのあるソースが手間なく出来上がるというわけだ。


 さて、一人分のワンパン料理に慣れてきたところで二人前にも挑戦してみよう。と言っても、解説通りに材料を二倍で計量し、フライパンを一回り大きい28cmのものに変えるだけ。これで二人分の料理も同じ要領でできた。


■とろ〜り卵の「和風かま玉チーズパスタ」


 小林さんが提案する釜玉うどんのパスタ版は、じっくり炒めてうまみと甘みをブーストさせた玉ねぎが味の決め手となっている。


 そこにブロックベーコンと卵黄、チーズが合わさるからか、釜玉発・カルボナーラ経由・油そば、とも言えるような、ちょっぴりジャンクな濃厚さも持ち合わせる。この味とワンパン調理の手軽さにすっかりやみつきになってしまい、一週間に二度も作ってしまった。


■えびのうまみ凝縮!「赤えびの白ワイン風味」


 次は「味つけも作り方もミニマムに!肉と魚のメイン料理」コーナーから、えびの蒸し煮料理にトライ。一尾100円の赤海老が、包丁を入れてから10分もかからずに、しゃれた一品に大変身。最後に煮詰めたソースには、えびの頭から出た味噌のだしが効いている。それを淡白なえびの身に絡め、バゲットでぬぐいながら、たった二尾しか買ってこなかったことを心から後悔した。


■混ぜて固めるだけ!「自家製ソースのパンナコッタ」


 最終章「お店の味を再現できる!前菜&ドルチェ10」からは、食後にピッタリのデザート「パンナコッタ」をチョイス。ここまでは材料も分量もレシピに忠実に作ってきたが、残念ながら指定の「バニラ(棒)」が近所で売られていなかったため、家にあったバニラビーンズペーストで代用した。


 パンナコッタは生クリーム(panna)を煮て(cotta)冷やし固めたイタリア生まれのスイーツだ。巷には牛乳を加えるレシピもあるけれど、本書で紹介されるのは100%生クリーム使用の濃厚かつ簡単タイプ。むっちりとしたパンナコッタと、冷凍ミックスベリーでパパッと作ったソースの甘酸っぱさが後を引く。どんなにお腹いっぱいでもペロリと食べられてしまう、パスタの締めによく合うデザートだ。


 他にも「濃厚イタリアンプリン」や「スノーボールクッキー」などのスイーツレシピが掲載されている。甘いもの好きにとっては一石二鳥の一冊となるだろう。


■おうちごはんの強い味方


 デザートのパンナコッタ以外はどれも15分以内に完成し、手抜きならぬ手間抜きで本格的な味に仕上がった。他にも、さんまかば焼き缶、ツナ缶、かにみそ缶などを用いた簡単メニューも掲載。自炊を始めたての人から料理慣れしている人まで、幅広い層が楽しく美味しく日々のおうちごはんを楽しめる一冊だ。


 今後ワンパンパスタが普及したら、パスタ作りがもっととっつきやすいものになるかもしれない。ひょっとしたら「かつて人々がパスタを作るときは、大鍋に水を汲んで、よっこらせとコンロに運んでいたんじゃ・・・」なんて語られる未来が訪れるかも?


 片っ端からレシピを試してみたくなる衝動に駆られる本書を手にして、そんなことがふと、頭に浮かんだのだった。


■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中のベーシスト/ライター/シュフです。趣味の料理本集めで見つけた、役立つ本を紹介します。


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