「日本のひなた」で若虎たちが躍動!小幡に井上、西ら“次代の主役”候補が見せた成長の跡

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2020年11月27日 18:12  ベースボールキング

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高卒1年目から一軍デビューも果たした井上広大 (C) Kyodo News
◆ 若虎たちの鍛錬の日々

 冬の接近を感じさせない南国の熱い日差しが、“未来図”を明るく照らした──。

 宮崎県で開催されている秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」。平田勝男二軍監督率いる阪神タイガースの若手たちも、鍛錬の日々を送る。

 現役引退の藤川球児、退団した能見篤史、福留孝介と長年、チームを支えてきた「顔」が去り、転換期を迎える来季以降。虎の次代の“登場人物”たちは、それぞれの課題と向き合いながら高みを目指していた。


 まずは、将来的に近本光司との「1・2番コンビ」形成も期待される2年目の小幡竜平。連日、1番を中心に上位で起用され、チーム内で誰よりも打席に立っている。

 今年は一軍デビューも果たし、プロ初安打も記録。シーズン終了まで戦い抜き、計54試合に出場するなど、貴重な経験を積んだ。

 左打ちの20歳は、宮崎ではセンターからレフト方向への打撃をテーマに設定。平田監督からは「もっと嫌らしいバッターになれ」と言葉をかけられており、本人もその自覚は十分だ。


 21日の巨人戦では、初回に先頭打者としてボテボテの遊撃内野安打を放ち、翌22日の楽天戦では、左腕の投じた内角への変化球に対し、窮屈なスイングながら三塁手の頭上を越える左前打。

 どちらも、打ち取ったと思った投手にはボディブローな役目をする“有効打”であり、本人も「守ってる側からしたら、ピッチャーも打ち取った当たりでヒットになるのは痛い。そういう嫌らしいバッターを意識してる」とうなずいた。


◆ 高卒ルーキーコンビにも成長の跡

 驚がくの放物線を描いたのは、高卒1年目の井上広大。二軍公式戦でも9本塁打と、ルーキーイヤーからアーチストの才能を感じさせた若虎は、22日・楽天戦の4回、バックスクリーン右へソロを突き刺した。

 捉えたのは外角へのカーブ。崩されることなく、しっかりと踏み込んで仕留めた19歳のスキルに、平田監督も「左投手の変化球に泳がずにな。ポーンっと軽打してバックスクリーンに入れるっていうのはパワーだよな」とうなった。

 三振も多く、まだまだ脆さはあっても、それを補って余りある天性のパワーはファーム随一。時間の経過とともに完全無欠の“和製大砲”へと変ぼうを遂げていく、そんな過程を目にできる「ストーリー」も背負った数少ない逸材であることは間違いない。試合を見ただけでも、1打席ごとに期待を抱いてしまうバッターだった。


 井上が一発を放った日、先発マウンドで存在感を放ったのが、同期入団の「ドラ1」西純矢。高卒1年目ながらファームのローテーションを担った右腕の“苦投”に、そのポテンシャルが垣間見えた。

 「今日はもうひどかった。最初どうなるかなって思ったぐらい」と明かしたように、序盤は直球も高めに浮き、変化球の精度も悪かった。

 それでも、3回に満塁のピンチを無失点でしのぐと、4回も3つのアウトはすべて三振。修正能力はもちろん、「ピンチで三振を取れたのは良かった」と、最速148キロの直球と鋭く落ちるフォークでねじ伏せる姿には、不調も能力で押し切ってしまう天性の素質を感じた。

 終わってみれば、プロ最長となる7回を投げ切って8奪三振の2失点。「三振ばかりだと球数も増えるので、状況に応じたピッチングができるように」。登板後に口にした、すこし“大人びた”言葉も光った。


 目の前の1打席、1球に食らいつく若きタテジマ戦士たち…。宮崎での滞在は4日間だけでも、近い将来、甲子園を熱狂させる「主役」はこの中にいると感じた“熱い”日々だった。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)

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