バイデン氏の「尖閣に安保適用」を喜ぶ政府とマスコミの滑稽さ 米国の本音は「前面に出たくない」

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2020年11月28日 07:05  AERA dot.

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写真超大国のトップとして対峙することになるバイデン氏と中国の習近平国家主席。反中の国内世論を受けたバイデン氏が中国敵視の姿勢を強めれば、対立がドロ沼化しかねない(gettyimages)
超大国のトップとして対峙することになるバイデン氏と中国の習近平国家主席。反中の国内世論を受けたバイデン氏が中国敵視の姿勢を強めれば、対立がドロ沼化しかねない(gettyimages)
 バイデン氏の勝利が確実となった11月中旬、菅首相はバイデン氏と早々に電話会談し、日米安保条約の尖閣諸島での適用を確認した。しかし、実際に尖閣をめぐって中国と日本が紛争状態になった時に、アメリカがその前面に出てくれるかは怪しい。AERA 2020年11月30日号では、日米安保をめぐるアメリカの思惑に迫った。

*  *  *
 米大統領選挙で勝利が確実となったジョー・バイデン氏と菅義偉首相は12日、電話で約15分間会談し、バイデン氏は「尖閣諸島に日米安全保障条約が適用されることにコミット(約束)する」と述べた。日本政府には「菅首相の成果」「百点満点」と自賛する声も出るが、実は尖閣諸島が安保条約の適用対象であるのは自明で、大喜びするようなことではない。

 安保条約に基づく在日米軍の地位に関する協定(地位協定)により米軍に提供されてきた施設・区域には、尖閣諸島の黄尾嶼、赤尾嶼が含まれている。米海軍はこの2島を射爆撃場(標的)として使っていた。この小島の名は中国風だから、日本では近年黄尾嶼を「久場島」、赤尾嶼を「大正島」と称することが一般化した。

 だが、地位協定では昔の名前のまま提供区域となっている。安保条約、地位協定により尖閣諸島の島が米軍に提供されている以上、米国はそれが安保条約の適用対象であると言わざるをえない。これまで米国大統領や国務長官などが何度も言ってきたことであり、バイデン氏は当然のことを言ったまで。これを菅首相や日本外交官の「成果」とするのは滑稽だ。

■前面に出たくない米軍

 安保条約5条は日本国の施政の下にある領域への武力攻撃に対し、日、米が「共通の危険に対処するように行動する」と宣言している。だがそれは「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」行うことになっている。

 米国憲法第1条第8節の11項では、戦争を宣言するのは議会の権限と定めている。実際には第2条第2節の1項に大統領は軍の最高司令官である、とあり緊急事態の部隊投入は原則として60日以内に議会の承認を得ることになっているから、議会の宣戦布告や承認なしに戦闘を始めたことは多い。

 だがもし大統領や議員達が「日本の無人島のために中国と戦争をするのは馬鹿げている」と思えば、本来の憲法の規定に従い「議会にはかったが承認が得られなかった」として参戦しなくても安保条約に違反しないことになる。

 米国が島嶼を巡る日中の戦争で前面に出たくない姿勢を端的に示しているのは、「日米防衛協力のための指針」(ガイドラインズ)だ。2015年に合意された指針の「日本に対する武力攻撃が発生した場合」の作戦構想には「陸上攻撃に対処するための作戦」が述べられている。

「自衛隊は島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し排除するための作戦を主体的に実施する(英文では『一義的責任を負う』)。必要が生じた場合自衛隊は島嶼を奪回するための作戦を実施する」など、地上戦で重要な役割のほぼすべてを自衛隊が担うことを決めている一方「米軍は自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」と定め裏方に回ることを明示している。

 第2次世界大戦の結果、日本の領土は戦前の55%に縮小し、支配下だった満州を含むと25%になった。西ドイツの領土も戦前の42%に減った。だが日独両国はその後、戦勝国のイギリスやフランスをしのぐ経済大国となり、領土の面積が国力を決める重要な要素ではなくなったことを示した。それでも、やはりテリトリー争いは生物の本能だけに、領土問題では当事国の民衆は国の利害と不釣り合いなほど興奮しがちだ。他国がそれを冷笑し、傍観することは少なくない。

 米国国務省の高官が在米日本人の会合で「米国はカナダとの境界付近にある無人島やカリブ海、南太平洋の島々を巡り、17件も他国との意見の相違があるが衝突はしていない」とたしなめる発言をしたこともある。日本が隣国と小島の帰属を巡って争い、武力紛争になった際、米国が戦争の危険や経済的損失を覚悟して参戦するか否かは疑問と考えざるをえない。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)

※AERA 2020年11月30日号より抜粋

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このニュースに関するつぶやき

  • この方の論旨は途中でねじれてないか?尖閣への適用は「当然」と言いつつ、最後には「疑問」と・・疑問なら尚更、菅さんが言質を取ろうとしたのは自然では・・?
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  • イランでは「バイデン候補に8000万人も投票されるわけがない」と報道されています。https://news-us.org/article-20201127-00221324803-usa https://mixi.at/aic04zG
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