議事録はAIにお任せ? 方言に対応、“同時通訳”も…進化した自動文字起こしサービス

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2020年11月28日 08:05  AERA dot.

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AERA dot.

写真AERA 2020年11月30日号より
AERA 2020年11月30日号より
 これまでは精度に不安があったAI(人工知能)による自動文字起こしサービスが今、大きく進化している。例えばRimoが提供する文字起こしサービス「Rimo Voice」は、60分の音声を5分でテキスト化。その精度もなかなかのものだ。このほかにも、使える文字起こしサービスは多数登場している。AERA 2020年11月30日号では、その機能に迫った。

※【「ついに使えるものが…」テレワーク拡大で「AI文字起こしサービス」が劇的進化】より続く 

*  *  *
 Rimoと同じく個人が手軽に使えるサービスとして注目なのはSloos(スルース)とAI GIJIROKU。Rimoが録音した音声を読み込む(インポート)のが基本であるのに対し、Sloosはリアルタイムでの即時起こしがメインだ。

 こちらも静かな環境ではっきりと話すと、認識精度は高かった。発話を話者ごとに識別し、チャット形式で表示してくれるので読みやすい。話者の声の登録は会話の前でも後でも可能。「深層学習(ディープラーニング)より必要な演算能力が少なくて済む『レザバーコンピューティング』を応用した独自のアルゴリズムを使っているため」(Sloosを提供するクアンタムコアの寺嶋毅・事業開発マネージャー)だという。

 個人なら月800円、法人は2千円と今回取り上げる中で断トツに安い。しかも時間は無制限、使いたい放題だ。同様のサービスの多くは、音声・テキストの保存が可能だが、Sloosはテキストをダウンロード後は、両方のデータが削除される。音声の保存が必要なら収録しておく必要があるが、セキュリティーに気を使う大企業からは引きが強いという。

 AI GIJIROKUは、リアルタイム、インポート双方に対応している。最大の強みはパーソナライズ機能だ。話者の音声データを機械学習の素材とすることで精度を向上させ、さらにユーザーのSNSとの連携により、頻繁に使われる単語を認識しやすくするという。

「AIが『この人ならこう言っているだろう』と推測する。専門用語や、自分の会社や部署でのみ使われる特異な単語がある場合、パーソナライズがあるとないとでは大違いです」(AI GIJIROKUを提供するオルツの米倉千貴社長)

 もう一つの特徴が35の多言語対応だ。記者も試しに訳語を英語に設定し「これから会議を始めます。今日のテーマは議事録です」と話してみると、日本語の文字起こしの横に「Let’s start the meeting. Today’s theme is about the minutes.」という訳が瞬時に現れた。「グローバル企業でも活用されている」(同)といい、価格は個人向けが月1500円、法人向けが2万9800円とリーズナブルだ。

■働き方を変える効果

 法人に特化したサービスも見てみよう。1997年の創業で、日本における音声認識の草分けであるアドバンスト・メディアは、独自開発の音声認識エンジンを持つ。歴史があるためAIに学習させるデータを豊富に蓄積しており、認識精度が高い。コールセンターや医療現場のほか、膨大な議事録を作る自治体で高いシェアを誇る。「クライアントごとにAIの学習データをカスタマイズするため、方言にも対応できる」(同社VoXT事業部・志村亮一部長)という。

 導入している茨城県取手市議会事務局の岩崎弘宜(いわさき ひろまさ)さんは「答弁など用意された文章を読む場合の認識率は100%に近い。リアルタイムで起こせるので、言い間違いなどがあってもすぐに確認して、発言の訂正を促せる」と満足げだ。

 同社は6月から、リアルタイムのオンライン会議に対応できるAmiVoice ScribeAssist(アミボイススクライブアシスト)の販売を開始。こちらはクラウドを介さずに端末上で文字に変換するため、セキュリティー上の懸念が少ないのが特徴だという。

 最後は、18年のサービス開始以来、上場企業を中心に約千社が導入しているスマート書記。こちらも「上場企業が要求する高いセキュリティー水準をクリアしている」(スマート書記を提供するエピックベースの西澤宗・取締役)と自信を見せる。約90の多言語に対応しており、同じ英語でも米国、英国、インド、ケニアなど12カ国の訛りを認識できるという。

 記者が感じたのは、文字起こし後の編集のしやすさだ。スマート書記の画面上で行の削除や結合をしたり、ポイントとなる発言にマーカーをつけ、そこだけ出力するなどが簡単にできる。

 複業研究家で、働き方のコンサルティングも手がける西村創一朗さんは言う。

「文字起こしをAIに任せることで、人間はよりクリエイティブな仕事、好きなこと、得意なことに時間を割けるようになるはずです。働き方にもたらす影響は大きい」

「議事録作成は新人の仕事」なんて言ってる会社は時代遅れになる。(編集部・石臥薫子)

※AERA 2020年11月30日号より抜粋

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