巨人・丸の“問題シーン”の実況に賛否…日本シリーズはTV中継でも「明暗くっきり」

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2020年11月29日 16:00  AERA dot.

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写真第1戦では“問題プレー”を起こすなど注目を浴びた巨人・丸佳浩 (c)朝日新聞社
第1戦では“問題プレー”を起こすなど注目を浴びた巨人・丸佳浩 (c)朝日新聞社
 ソフトバンクが巨人を圧倒した日本シリーズ。同一カード2年連続無傷の4連勝という前例のない結末となった。両チームの実力差がテレビを通じ全国に知れ渡り、セ・リーグのDH制導入やリーグ再編の必要性さえ議論され始めた。しかし、巨人の惨状とともにスポットが当たったのがテレビ中継。各局の報道姿勢で賛否両論が渦巻き、注目を浴びる格好となった。

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「最終的には4勝3敗で巨人が日本一」

 日本テレビ系(日テレ系)で、第1戦の解説を務めた高橋由伸(前巨人監督)の予想は大きく外れた。しかし、日テレ系の日本シリーズに向けての力の入れ方は半端ではなかった。高橋を前面に押し出し野球ファンのみならず世間へ大々的にアピール。同局人気番組『アナザースカイII』では、シリーズ開幕前夜の11月20日、高橋のフィーチャー回が放送された。現場を離れネット裏の住人となってから2年。解説者としてはまだまだ駆け出しの『グリーンボーイ』だが、前巨人監督という新鮮味と知名度を活用した形だった。

「日本一奪回は、親会社・読売新聞社などを含めた『チーム巨人軍』全体の悲願。昨年4連敗の屈辱は相当なもので、リーグ優勝決定前からグラウンド内外で日本シリーズを盛り上げる特別体制が整えられた。日テレもチームの一員として、徹底的に後押しする構えだった。高橋を口説き落とし、初戦解説と特集番組に出演させた。バラエティ寄りの印象がつき過ぎないように、実況担当には元PL学園エースの『松坂世代』上重聡アナを起用。万全な体制で日本シリーズを迎えたはずだった」(大手広告代理店関係者)

 だが、日テレ系関係者の熱意は思わぬ形で空回りしてしまう。

 初戦4回裏無死一、二塁からショートゴロ併殺打に倒れた巨人の丸佳浩が、ファースト中村晃の足を蹴ってしまうプレーが発生。真剣勝負の中で起きたアクシデントとはいえ、マウンド上にいたソフトバンク千賀滉大が怒りを露わに抗議している映像が流れているのにもかかわらず、実況の上重アナはその部分にはあまり触れずに終わった。このプレーに関しては、直後からネット上は大荒れ。今や球界の“ご意見番”にもなったダルビッシュ有(カブス)が自身のツイッターで私見を述べたこともあり、多くのメディアが取り上げる騒ぎとなった。

「中継関係者ならあのプレーを見逃すことはない。実際に球が動いている場所以外に細かいドラマが落ちていることも多い。カメラクルーは必ず追っているし、中継ディレクターも何が起こっているのか把握していたはず。球界最高峰を決める舞台でのプレーなので、実況担当としてはしっかり説明する責任はあった。当日の中継全体のミスと言ってもいいかもしれない」(在京テレビ局関係者)

 上重アナは高校時代、松坂大輔が在籍した横浜高と延長17回の死闘を繰り広げた。立教大進学後も東京六大学野球のマウンドに立ち、卒業後は日テレへアナウンサー志望で入社。多くの番組を任される同局看板アナの1人だ。しかし野球中継では“巨人寄りすぎる”という声もあり、今年7月31日の巨人対広島戦での実況も賛否が渦巻いた。

「ジャイアンツにアクシデント!」

 5回表、巨人・畠世周が広島・会沢翼に頭部死球を与え危険球退場になった場面。上重は死球を受けた会沢のことよりも、畠が勝利投手の権利を得る目前で降板となったことをメインに伝え、ネット上などで上重アナの実況に批判的な意見も目立った。

「丸のプレー時のテレビ中継に関しては、業界内でも大きな波紋を呼んだ。あまりに巨人寄り過ぎる日テレ系中継に嫌気をさした人も多いのではないか。普段のスポーツ番組では他球団選手の良い話も取り上げる。ならば野球中継だけは、かつてのラジオ・文化放送ライオンズナイターのように『巨人びいき』を公言すれば良いと思う」(大手広告代理店関係者)

 80年代、ラジオ局の文化放送は当時黄金期を迎えていた西武の試合を中継。その際の売り文句は「はっきりいってライオンズびいきです!」。当時はニッポン放送やTBSラジオに差をつけられていた文化放送の“ウルトラC”だったが、その潔さは逆に野球ファンを納得させたほど。日テレ系も「ジャイアンツ愛あります!」などと打ち出し、徹底的に巨人に寄ったテレビ中継を行えば、また違った反響を呼ぶのではないか。

「第1、2戦の日テレ系と比べて、評価が高かったのが第3戦のテレビ朝日系(テレ朝系)。解説が古田敦也、前田智徳、ゲスト解説が前田健太(ツインズ)と球界のレジェンドがずらりと並んだ。『中村晃の打撃はバットが外から回ってくる』という古田と前田の打撃談議はさすがだった。また第4戦のフジテレビ系(フジ系)も及第点。池田親興、斎藤雅樹という両球団OBに加え、立浪和義が解説。前田健太と川崎宗則もゲストに加わり、副音声では里崎智也と豪華なメンツ揃いでお祭り感満載でしたね」(在京テレビ局関係者)

 古田はWBCなどの国際試合では、「オッケーイ」と声を上げるなど、松岡修造ばりの感情溢れる応援解説をすることでも有名。しかし客観的な野球解説では、他の追随を許さないほどの説得力を発揮する。天才打者・前田智徳、今季サイ・ヤング賞候補となった前田健太が加われば、珠玉の野球論が展開されるはず。視聴者の期待に応える形で、日本シリーズを伝えてくれた。フジ系も得意分野であるバラエティ感を出しながら、野球ファンが納得する人選だった。テレ朝系、フジ系ともに中立な立場から野球の奥深さに迫っていた。日テレ系とのコントラストがよりはっきりした感じとなった。

 巨人復権を願い強烈なプッシュをした日テレ系だったが、結果的には裏目に出てしまった感もある。すべては巨人の不甲斐なさが元凶であることは明白だ。今のソフトバンク、そしてパ・リーグは強い。「レベルが違う」と言われても納得するしかないほどの惨敗だった。リーグ制度などの在り方、そして野球人気に直結する非常事態にもなっている。巨人、そしてセ・リーグの踏ん張りが望まれる。

「打つ、守る、投げる、すべてにおいて(ソフトバンクと)差があったことは認めざるを得ないのかな。巨人も、もっともっと激しい競争を生み出さないと、この差はなかなか縮まらないと感じた」25日、シリーズ終了後に日テレ系「news zero」に生出演した高橋は淡々と振り返った。

このニュースに関するつぶやき

  • 映画のメジャーリーグくらいあからさまな実況すればいいんよ����ʴ򤷤�����BS12みたく副音声でビジター寄りにするとか
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  • 日テレ系だから巨人を贔屓するのは当たり前と思うけど、ホークスがマジで強すぎたのも事実ですねwww
    • イイネ!23
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