大勢のサルに囲まれてピアノのコンサートを開く男性「コロナ禍で飢えるサルの現状を知って」(タイ)<動画あり>

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2020年12月01日 06:51  Techinsight Japan

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サルに邪魔されながらも真剣に演奏を続ける男性(画像は『Gulf Today 2020年11月23日付「VIDEO: British pianist Paul Barton soothes Thailand’s hungry monkeys with his music」』のスクリーンショット)
タイのある寺院の前にピアノを置き、たくさんのサルに囲まれながら演奏するイギリス人男性の一報が届いた。この男性は観光客が激減し、食べ物を得られず飢餓で苦しむサルたちの現状を知ってもらうための活動として今回のコンサートを開いたという。『New York Post』などが伝えている。

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タイ中部のロッブリー県は多くの遺跡が残されており、タイを代表する歴史都市とも言われている。さらにロッブリー県には野生のサルが多く生息しており、観光客による餌付けもよく行われてきた。しかしコロナ禍で観光客が減ったことにより野生のサルたちは飢餓に苦しんでおり、気性が荒くなってしまっているという。

そこで長年タイに住んできた英北部ヨークシャー出身のポール・バートンさん(Paul Barton、59)が、多くの人にこの現状を知ってもらうために動き出した。ピアニストであるポールさんはサルに囲まれてピアノを演奏し、これまでにロッブリー県内にある工具店、使われなくなった劇場、歴史あるヒンズー教寺院などの4か所を巡って演奏を行った。

ポールさんが演奏する様子を撮影した動画のなかには、ピアノを屋外に運び寺院の前でベートーヴェンの『エリーゼのために』やイングランドの民謡『グリーンスリーブス』などの楽曲が収められている。たくさんのサルがピアノの上に登り、演奏中のポールさんの肩に乗ったり頭を撫でまわしている様子が分かる。またポールさんが楽譜をめくろうとすると、サルがそれを奪い取ってしまい、譜面台が外れてしまうハプニングも起こっていた。

このようにサルに囲まれながらも黙々とピアノの演奏を続けているポールさんは「サルが楽譜を食べようとしたときは驚きましたが、野生のサルの間近でピアノを弾くことは素晴らしい体験だと思います。お腹が空いて暴れてしまうサルたちが、私の音楽を聴いて落ち着いてくれると願っています。今回のサルへのコンサートが、多くの人に観光地の現状を知ってもらうきっかけとなり、サルたちも音楽で癒されてくれればと思います。しっかりと食べ物があればサルたちは落ち着きを取り戻し、暴れるようなこともなくなるでしょう」と語っている。

またポールさんは、病気やケガなどでリタイアしたゾウのためのサンクチュアリでも過去10年以上にわたってバッハやシューベルト、ショパン、ベートーヴェンなどの楽曲をピアノで演奏してきた。「ストレスを抱える動物のためにピアノを演奏することが好きです。音楽はストレスを緩和させる役割を果たすと思っています」とポールさんはコメントしている。



画像は『Gulf Today 2020年11月23日付「VIDEO: British pianist Paul Barton soothes Thailand’s hungry monkeys with his music」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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