南野拓実をリバプールOBが褒めた。評価した場面はどこか?

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2020年12月01日 11:32  webスポルティーバ

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「もっと前に仕掛けるべきだ」

 日本代表FW南野拓実についてこのように語ったのは、リバプールで1990年から1999年までMFとして活躍したスティーブ・マクマナマンである。

 リバプール退団後に在籍したレアル・マドリードで2度の欧州制覇を経験した名手は、11月28日に行なわれたブライトン戦での日本代表のプレーに物足りなさを感じたという。




 この試合で南野は、4−3−3の右インサイドMFとして先発した。今季リーグ戦では、開幕10試合で初のスタメン出場。10月27日に行なわれたチャンピオンズリーグのミッティラン戦以来、公式戦としては約1カ月ぶりの先発となったが、大事な試合でインパクトを残せなかった。

 マクマナマンが注文をつけたのは、南野の攻撃姿勢だ。中盤のインサイドMFとして出場したせいか、この日の南野はどこか守備のバランスを意識してプレーしているように見えた。

 マクマナマンは次のように語った。

「リバプールの中盤の選手には、もっと前方に走ってほしい。とくに南野は、もっと前に上がって仕掛けるべきだ。中盤には、ジェームズ・ミルナーとジョルジニオ・ワイナルドゥムという守備に強いMFがふたりいる。彼らが中盤に残っているシーンが多いのだから、南野はラインを超えて、前線に顔を出すべきだ」

 スペースを空けたくなかったのか、南野は立ち上がりからセーフティファーストのプレーが目立った。インサイドMFとして堅実なプレーを心がけていたのかもしれないが、イングランドの識者にはむしろ消極的に映ったようだ。

 気になったのは前半22分のプレーだ。

 南野のプレスを起点にモハメド・サラーがボールを奪うと、リバプールはカウンターを開始。ペナルティエリア手前のバイタルエリアに侵入した南野は、ミルナーからパスを受けた。この時点でフリー。

 ここから縦パスやワンツーで前方に仕掛けることもできたが、南野は右SBへの横パスを選んだ。さらにもう一度、リターンパスを受けたが、2タッチしたあとに今度はバックパスを選択した。

 ワンツーで強引に仕掛けたり、ドリブルで相手のマークを剥がしたり、あるいは縦方向にパスを入れたりと、いろいろと選択肢はあったが、南野は安全なプレーを選んだ。このシーンに限らず、どこかブレーキをかけながらプレーしているようだった。攻撃と守備のバランスを考えていたと思うが、意識しすぎるあまり仕掛けの動きは足りなかった。

 ただし、マクマナマンは闇雲に批判していたわけではない。「こういうプレーがもっと見たい」と語気を強めたのが、後半20分にあったチャンスの場面だ。

 最前線にフリースペースができると、南野はフリーランで前方に全力疾走。ミルナーからスルーパスを呼び込んだが、トラップが大きくなりシュートまで持ち込めなかった。マクマナマンは、このトライを強く褒めた。

「やはり、南野は前に仕掛けた時によさがでる。中盤の深い場所で走り回っている姿は見たくない。前線に近い位置で見たい。前所属のザルツブルクの時もそうだった。中盤から前線に駆け上がり、パスを受けたところで彼のよさが出ていた。昨年10月に行なわれたCLのザルツブルク対リバプール戦も同じだ。あの試合も、前への仕掛けの動きがゴールを呼び込んだ」

◆たぶんメッシよりすごかった。マラドーナにあった猛烈なエネルギー>>>

 ブライトン戦は、チーム全体としても南野の「縦方向の動き」が必要だった。この試合でレギュラー右SBのトレント・アレクサンダー=アーノルドが負傷欠場。攻撃参加を得意とするイングランド代表DFを欠き、リバプールは攻撃の厚みが足りなかった。

 とくに前半は、中盤以下の選手が前線に飛び出していくシーンが少なく、攻撃が停滞する一因となった。マクマナマンが「アレクサンダー=アーノルドがいないのだから、代わりに中盤以下の選手が前に飛び出していく必要がある。だから、南野には前に行ってほしい」と説明していたように、チームとしても南野のトライを必要としていた。だが、期待どおりの働きはできなかった。

 実際、英各紙の評価は軒並み低調だった。南野にチーム最低点タイの4点をつけたデーリー・エクスプレス紙は「中盤中央の位置でプレーしたが、もっと前線でプレーする必要があった。能力を発揮できなかった」。同じくチーム最低点タイの5点をつけたデイリー・メール紙も「効果的ではなかった」と、攻撃面での物足りなさを指摘した。

 ザルツブルク時代の南野は、積極的にスペースを突くフリーランやゴール前での仕掛けに怖さがあった。だが、こうした動きが、リバプールで減っているように見える。攻守のバランス感覚が大事になる中盤でプレーしたこともあるが、南野らしい思い切りのよさが減っているのは気がかりだ。

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