「Flashが終わり」を迎える2020年末、そして“復活”へ

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2020年12月01日 12:03  ITmedia PC USER

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ITmedia PC USER

写真ついにサポート終了を迎える「Flash Player」
ついにサポート終了を迎える「Flash Player」

 本連載でFlashサポート終了の話題を書いたのは、Adobe Systems(当時)が2020年末に同技術のサポートを取り止める旨を報告した2017年のことだった。それから2年半ほどが経過し、ついにそのタイミングが訪れようとしている。



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 その記事でも触れたW3TechsによるWeb上のプログラム実行技術のシェアだが、現時点でFlashは2.3%と筆者の予想(1%前後)よりもやや高い水準にとどまっているものの、各方面の努力により既存コンテンツを含め、消滅へと向かうだろう。Adobe AIRなど形を変えて技術は残るが、2000年代にインターネットを沸かせたFlashの世界は2020年をもって終了することになる。



●Flashサポートがブラウザから消える流れ



 例えば、2019年7月にリリースされたGoogleのChrome 76以降のブラウザでは、Flashコンテンツの実行は「Block by default」状態になり、割と面倒な手順を踏まない限り実行はできない。現時点ではまだ実行可能だが、2020年12月のタイミングでは削除警告が表示され、2021年1月時点で「Out of Date」状態となり、プラグインであるFlash Player自体が無効化される。



 本稿を執筆している2020年11月時点でのChromeの最新バージョンは「87」だが、2021年1月にリリースされる「88」では実行環境そのものがソースから削除されるため、Flashコンテンツの実行自体が不可能となる。これはChromiumを含む共通の流れであり、結果としてChromiumをベースとするMicrosoftのEdgeブラウザ(Chromium Edge)もこの流れに沿うことになる。



 Microsoftがこれまでに公開している、Flashのサポート関連の文書は主に次の3つだ。1つ目がFlashのEOS(End Of Support)全般の話題、2つ目がロードマップを含む詳細、3つ目がFlash Playerを削除するWindows Update(KB4577586)のUpdate Catalogだ。



・Update on Adobe Flash Player End of Support



・UPDATE: Adobe Flash Player end of support on December 31, 2020



・Update for the removal of Adobe Flash Player: October 27, 2020



 簡単に流れを解説すると、Chromium EdgeではFlash EOSのタイミング(2020年12月)までFlashコンテンツの実行は「disabled by default」状態となり、サイトごとに許可を行うことで実行可能だ。だが2021年1月以降には、アップデートを通じてFlash Playerそのものが削除され、これ自体は前述のようにChromium側のロードマップに沿っている。



 一方で重要なのは、Microsoft Edge(Edge Legacy)とInternet Explorer 11(IE11)で(Chromium EdgeのIE modeを含む)、こちらは「disabled by default」には“ならず”、Flash EOSのタイミングで機能削除が行われる。



 ただし先ほどの1つ目の文書にもあるように、Flashコンテンツを社内で業務利用する企業のことを考慮し、「サードパーティーが提供するプラグインでの実行」は許可する方針となっている。削除されるのはMicrosoftが提供するFlash Playerの実行環境であり、既存ユーザーはIE11(あるいはIE mode)を通じて引き続きFlashコンテンツを実行できる道が残される。



 ただ実際のところ、一般的なブラウザ環境からFlash Playerは削除される運命にあるので、対外的にFlashコンテンツを公開しているサイトでは、もはや一般ユーザーにコンテンツを見てもらう手段はなくなったと考えていい。



 先ほどの「KB4577586」はアンインストール不可のため、適用された時点でFlashの実行能力を失う。他のブラウザ環境についても、MozillaのFirefoxは「84」がFlash実行環境を持つ最後のバージョンであることが告知されており(本稿執筆時点のStable Releaseは「83」)、2021年1月26日にリリースされるFirefox 85ではFlash実行機能そのものが削除される。



 macOS向けでは、最新バージョンのSafari 14が既に“Flashフリー”状態になっており、他のブラウザに先駆けて実行環境を失っている。



 モバイルブラウザは元々Flash実行環境を持たないため、2021年1月を過ぎたタイミングでほとんどのユーザーの目からはFlashコンテンツが消えることになる。FlashはMacromedia時代の2000年前後から長らく追いかけているが、こうして1つの技術が終わりに向かう様を見届けるのは感慨深い。



●そして、よみがえる黄金時代



 「Flashは滅びぬ、何度でもよみがえるさ」と誰が言ったかは定かではないが、2000年代には一種のインターネット文化にさえなったFlashコンテンツが、そのまま歴史から消えるわけではないようだ。



 Webコンテンツのアーカイブを保存、公開しているInternet Archiveは11月19日(米国時間)、「Flash Animations Live Forever at the Internet Archive」のタイトルで、同団体がアーカイブ保存しているFlashコンテンツの数々をRuffleのFlashエミュレーターを使ってコレクションの一覧から実行できるようにしたことを発表した。



 記事の最初に公開されているアニメーションが、「Loituma Girl」というのがそれっぽい雰囲気を既に醸し出しているが、アニメーションやゲームなど1500以上のFlashコレクションが同アーカイブ上で実行できる。



 このFlashコレクションについて追加の記事も公開されているが、あくまで一連のコレクションは既存のアーカイブであり、新たに皆がFlashコンテンツを持ち寄って集積場とする性格のものではない。思い出は思い出として、過去を懐かしむ程度のものと考えておくといいだろう。



 かつて、Flashは各社のインターネット戦略の一部だった。例えばFacebookのモバイル対応が遅れた理由の1つに、同プラットフォーム上でのゲームコンテンツがFlashをベースにしていたという点が挙げられる。



 結果として、Instagramを含むモバイルに最適化された新しいソーシャルネットワークのサービスが登場する余地も生まれ、今日のインターネットを形作ることになった。かつてはFlashでないと実現できなかったことも、今はWeb技術の進化によりプラグインなしで実装可能になっている。時代がモバイル中心へと移りゆく中で、表現はさまざまな公開手段を得ることになり、Flashへの依存度もまた減少していった。



 冒頭でも触れたが、現在のFlashコンテンツ利用シェアは2.3%の水準まで落ち込んでおり、もはやメンテナンスさえされなくなったサイトの中でのみひっそりと生き続けている。Internet Archiveのコレクションは、そういった過去に栄華を極めたFlashコンテンツの墓標なのかもしれない。


このニュースに関するつぶやき

  • Flashの役割はOSやブラウザの枠を越えてアプリやコンテンツを共有することだった。それが使えなくなると機種ごとに大同小異なアプリやコンテンツを作る必要に迫られるのでハードやブラウザの選択と集中が加速するだろう。
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