ERC最終戦:“ロシアン・ロケット”2度目の戴冠。ソルベルグはERC1ジュニアを制す

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2020年12月01日 18:01  AUTOSPORT web

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写真19歳のオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が、28歳以下の若手を対象としたERC1ジュニアの最年少チャンピオンに輝いた
19歳のオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が、28歳以下の若手を対象としたERC1ジュニアの最年少チャンピオンに輝いた
 全6戦予定からの繰り上げで、2020年シーズン最終戦となった11月26〜28日のERCヨーロッパ・ラリー選手権第5戦『ラリー・イソラス・カナリアス』は、イベント初参戦のフランス人、エイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタR5 Mk2)がシリーズ初優勝。7位に入った2018年ERC王者アレクセイ・ルカヤナク(シトロエンC3 R5)が自身2度目の年間総合王者を獲得し、19歳のオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が、28歳以下の若手を対象としたERC1ジュニアの最年少チャンピオンに輝いた。

 スペインの大西洋沿岸に浮かぶ火山帯列島を舞台とした『ラリー・イソラス・カナリアス』は、近年のERCでもシリーズ序盤戦の名物イベントとして開催されており、風光明媚な一大観光地でもあるグラン・カナリア島の起伏に富んだワインディングは、アップダウンを繰り返しながらも火山岩の迫るコーナーでの正確性が求められる、難度の高いラリーとして知られている。

 その初日レグ1(デイ1)全9SSは雨に翻弄され、タイヤコンパウンドの選択が勝負を分ける難しい展開に。最初にそのルーレットを当てたのは地元スペイン出身のニル・ソランス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)で、SS1、SS2、そしてSS4でベストタイムを記録してSS6までラリーリーダーの地位を守る。

 しかし続く12.01kmのステージでスピンを喫し、16秒あった2番手とのマージンが3秒にまで激減。続くSS8では土砂降りの豪雨に見舞われペースダウンを余儀なくされ、この日最後のSSとなる州都ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア市街地での1.53kmのスペクテイター・ステージを前に、同じくスペイン人のイバン・アレス(ヒュンダイi20 R5)に10.5秒のリードを許すこととなった。

 このレグ1ラストステージがラリーの行方にさらなるドラマを呼び込み、首位アレス、ソランス、そしてフルモーらを含む先頭走者4名が走行を終えたところでラリーとは無関係の事故で競技が中断すると、その間に空からはふたたび大粒の雨が降り、後続のドライバーはドライで先行した4名から大きくタイムを失う状況に。

 これでアレス、フルモー、ソランスのトップ3が固まり、イベント初参戦ながら年間総合とERC1ジュニア双方のタイトルを狙うソルベルグは「とても厳しいコンディションで、とても難しい朝だった」と、ステージへの知識不足と絶えず変化する状況の困難さをこぼしながらも、ノートラブルで7番手に付けた。

 同じく、1日を通じて雨量の変化に悩まされた“ロシアン・ロケット”ことルカヤナクも、ドライのSS5、SS6こそベストをマークするも、最終的に総合8番手で夜を越すこととなった。

 続くレグ2(デイ2)は、SS総距離102.10kmの全8ステージ。この日も早朝から雨が続いたターマックではフランス人ドライバーが躍進し、レグ1で総合4番手につけていたヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)がミシュランタイヤと路面のマッチングも活かして、オープニングのSS10、そしてSS12でベストを奪う速さを見せる。

■ソルベルグ「賞金1250万円の使いみちを考えないと」

 同じく、ミシュランタイヤを装着したフォード・フィエスタR5 Mk2のフルモーも早々に暫定首位浮上を果たすと、最後までミシュランタイヤ装着のフランス人対決を演じ、終盤まで25秒のリードを維持してフィニッシュ。開幕戦『ローマ・デ・キャピタル』では大クラッシュでラリーを終えていたフルモーが、その雪辱を果たすとともに、総合に加えてERC1ジュニアでの勝利も手にした。

 一方、3位に入ったピレリタイヤを装着するヒュンダイ、アレスの背後で4位に続いたのは、同じくピレリを履くポロGTIのソルベルグとなり、ERC1ジュニアのタイトルを争ったグレゴール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)が初日にパンクで後退した展開もあり、見事2020年のERC1ジュニアチャンピオンを獲得。来季に向け10万ユーロ(約1250万円)の助成金とERC2戦への優先出場資格のプライズが授与された。

「ジュニアタイトルに加えて、ルカヤナクに続く年間総合2位でシーズンを終えられたことも、簡単じゃなかった選手権を考えればスゴいことだね」と喜びを語ったソルベルグ。

「僕らはターマックの経験を積みたかったし、ERCはそのチャンスを充分に与えてくれた。すべてのラリーで厳しい競争が続いた後に、こうしてジュニアタイトルを獲得できたなんて驚きだよ。まだ19歳でこれまでのターマック経験を考えれば、素晴らしいことだと思う。2021年に向けて獲得した賞金の使い道を考えなくてはいけないね!」

 そして第4戦のウイナー、アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2 Evo)の背後、総合7位でフィニッシュしたルカヤナクが2年ぶり、自身2度目のERCチャンピオンを確定させている。

「世界中が困難に見舞われた今季は本当に厳しいシーズンだった。この週末はうまくいかなかったが、ここまでの自分のドライビングや信頼性の増したラリー運びには満足している。この成功はシトロエン、トタル、ピレリ、そしてチームのサポートなしには得られなかったものだ」と、周囲への感謝を語った“ロシアン・ロケット”。

「シトロエンにとっても、これは(現行ラリー2規定での)初のERCタイトルになるし、ピレリにとっても欧州選手権制覇の実績は重要だ。このような時期に献身的なサポートをしてくれたすべての人々に感謝したい」

 来季2021年のERCはコスト削減を目的として2週連続開催を含む全8戦のカレンダーを予定しており、12月16日のFIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)での最終承認を受ける見通しに。また今季のように新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響でキャンセルが出た場合に備え、3戦の代替ラウンドがノミネートされており、開幕は3月のポルトガルが予定されている。

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