怒鳴る指導・教育|トータルテンボス藤田の「ハンパねえ!学童野球」

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2020年12月01日 18:52  ベースボールキング

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ベースボールキング

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皆さんは練習や試合で怒鳴る指導・教育はどう思いますか?
漠然と絶対にダメ、有り得ない、今の時代に合っていない等、ほぼほぼ否定意見だと思います。
僕もどんな状況でも怒鳴るのはナシだと思います。
ですが、怒鳴ってしまう指導者側の考え方を聞いた事があるでしょうか?

怒鳴ってしまった人に対して「それは良くないですよ」と言ったとします。
「すみませんでした。以後気をつけます」となるのならば万事OKですが、元々怒鳴る人間というのは血気盛んであり、愛情深い人間でもあります。
そんな風に「はい、すみません」となる事はほぼ無いと思います。
そして、怒鳴ってしまった側も良かれと思っての行動であったりその子の為を思っての事だったり色々な思惑があると思います。
さらに言えば言ってしまった後ろめたさもあるのです。

ですが、それを指摘された時に自分は子ども達とちゃんと接している「から」心を掴んでいる「はず」という間違いや妄信から自分否定をされてしまった防衛策として、正当化する言い訳めいた返しをしてしまいます。
そこでジャッジをしてしまっては成長がないのです。
周りが変えてあげなければ。

例えば学童野球や中学野球であればチームが衰退して終わりますが、高校はそうはいきません。
高校野球でそのレッテルを貼られたらほぼジ・エンドです。教員でなければ職を失います。
人間は失敗をしてそこを正して成長していく生き物という一面もあります。
有名監督であればその失敗1回でレッドカードはないですが、新進気鋭の青年監督が愛情があり、やり過ぎてしまって1発退場は指導者の成長の糧にもなってないのが現状と思います。

ある監督がいます。
その監督は何回も甲子園に出ている高校野球の監督ですが、未だにそんな指導をしていて正直ヒキました。
その学校の関係者に聞いた所、本人も大変悩んでいると。自分がその環境で育ってきて、しばらくそのやり方で甲子園も出れて、未来永劫このカタチで良いと思っていたのが、子どもの気質が変わり、選手も敬遠する様になってきてネット上でも「あの高校は○○だ!」等リアルな批判があり、このままではダメだと、変えようと思ってもどうしても罵声を言ってしまう。
どうしたら良いか分からないのだと。

この話をTBSラジオ「全国こども電話相談室・リアル!」のDJやスポ根教育について講演活動を行っている、ラジオDJでスポーツメンタルコーチでもある山本シュウさんに伝えたところ、
「藤田くん、1番の被害者は子ども達や選手なのは変わりないんだけど、次の被害者はそれを分かりながらどう指導すればいいのか...... とできない時代に取り残された指導者なんだよ」とおっしゃっていました。

確かにそうなんです。
時代って素晴らしい反面、乗り遅れたトップランナーが地獄みたいな事になるんです。
皆さんの中にはそれは勉強不足だからとおっしゃる人が何人もいると思います。
そんなんです。勉強不足なんです。
ですが、勉強してるんです。
が!
出ちゃうんです。根付いてるんです!

このメカニズムが分かった時に思ったのは、結局、罵声や怒鳴る人間はビビりなんです。理路整然と腹を括って構えれないからカマしや言動で圧力をかけているんです。

では、どうしたら変われるか?
全てを飲み込むしかないのです。
これは僕が仲良くさせていただいてる指導者の方々が常々言ってる理論で、どこかで自分は間違ってると思う自己監査を常にやっていかないと時代に取り残されると。中には当時はゴッリゴリの暴力装置and罵声拡声器の方もいますよぉ〜。
ですが、自分の想いよりも子ども達の気質を重んじて変わりました。

その方よりも日本代表ぐらい厳しいゴリゴリのお爺さんも変わりました。
それぐらい野球って魔力があるんです!
さらに言えば、そこに加えて指導理論も常にアップデートしていかないといけないとおっしゃってました。

人間は失敗を繰り返して良い人間になります。完璧な人間などいません。例えば8割くらいの国民から「素晴らしい」と言われる人はいますよね? でも2割はアンチがいます。
それが文化だとも思います。
日本のアマチュア野球は日本の文化だと僕は思ってます。

どうかこれからの底辺を支える指導者の方々、自分に疑問を持ち、かつ技術的な指導理論は正しいのか? の疑問を持ちながら学習と反芻を繰り返していっていただければ少年野球の分母は増えると思います。

P.Sちなみに、僕は息子がダレた態度をした時に罵声を浴びせたことを今、猛省しております。



▼プロフィール
藤田憲右(ふじた けんすけ)
吉本興業所属のお笑いコンビ「トータルテンボス」のツッコミ担当。静岡県御殿場市出身。高校時代は野球部のエースとして3年夏の静岡県大会で2試合連続1安打完封勝利も記録。人気バラエティ番組「アメトーーク」(テレビ朝日)の人気企画「高校野球大大大好き芸人」で披露した高校野球への愛情、造詣の深さは全国の野球ファンの間でも有名。2016年には「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)も執筆しており、全国の野球指導者、選手との交友関係も広い。現在は息子の学童野球を応援する傍ら、色々な学童野球の現場を見て周り様々な情報発信や問題提議なども行っている。8月21日からamazonで配信されている「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン8にも出演中。

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