RTX 2080を確実に上回る実力! “手が届く”GPU「GeForce RTX 3060 Ti」発売前日レビュー

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2020年12月01日 23:12  ITmedia PC USER

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写真GeForce RTX 3060 Ti Founders Editionを使って実力をチェックする
GeForce RTX 3060 Ti Founders Editionを使って実力をチェックする

 NVIDIAは12月2日23時(日本時間)に、新型GPU「GeForce RTX 3060 Ti」を発売する。同GPUを搭載するグラフィックスカードの米国での想定販売価格は399ドル(約4万1600円)からと、12月1日現在において「GeForce RTX 30」シリーズの中では一番手頃な製品だ。



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 このGeForce RTX 3060 Tiは、価格帯的にはミドルハイクラスのGPUである。しかし、前世代のハイエンドGPU「GeForce RTX 2080 SUPER」を上回るほどの性能を発揮するなど、これまでのRTX 30シリーズに負けず劣らずパワフルな仕上がりとなっているという。



 この記事では、リファレンスカード(NADIAが自ら設計したグラフィックスカード)である「GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition」(日本未発売)を通して、その実力をチェックしていく。



●RTX 2080 SUPER超え! RTX 2060 SUPER比で平均40%以上の性能向上



 GeForce RTX 3060 Tiは、これまでのRTX 30シリーズ製品と同じくNVIDIAの最新GPUアーキテクチャ「Ampere(アンペア)」に基づいたGPUで、Samsung Electronics(サムスン電子)の8nmプロセスで製造されている。



 1つ上位のモデルに位置付けられる「GeForce RTX 3070」と同様に、GPUコアは「GA104」で、グラフィックスメモリは「GDDR6」規格となっている。主な仕様は以下の通りだ。



・CUDAコア数:4864基



・グラフィックスメモリ容量:8GB



・接続バス:PCI Express 4.0 x16



・消費電力:200W



 RTX 3070と同じGPUコアを採用するものの、当然ながらCUDAコア数は削減されている。その数は4864基と、総数にして1000基近くの差が付いている。とはいえ、GeForce RTX 2060 SUPERと比較すればほぼ2倍である。「CUDAコア数が多めである」というAmpere世代GPUの特徴は踏襲している。



 GPUの動作クロックもRTX 3070から若干低くはなっているが、グラフィックスメモリ回りのスペックは変わらない。カードの消費電力は200Wで、RTX 3070よりも20W低い。末尾に「Ti」が付くモデルということもあり、素性は多くの点で“RTX 3070寄り”だ。ちなみに、NVIDIAはRTX 3060 Tiのパフォーマンスについて「GeForce RTX 2080 SUPERを上回り、RTX 2060 SUPERよりも平均40%以上高速である」としている。



 RTX 30シリーズの既存製品は、フルHD(1920×1080ピクセル)やWQHD(2560×1440ピクセル)といった解像度のゲーミング用途であれば、十分すぎるほどの性能を確保している。ゆえに「RTX 3070以上のハイエンド製品は不要だ」という人も少なくないはずだ。499ドル(約5万2000円)だったRTX 3070よりもさらに100ドル手頃な本製品は、多くのコスパ重視のゲーマーにとって有力な選択肢となりうる。



●ベンチマークテストでGeForce RTX 3060 Ti実力を検証!



 ここからは、GeForce RTX 3060 Tiの実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。



 RTX 30シリーズはPCI Express 4.0接続をサポートする。そのため、同規格を利用できるCPU「Ryzen 9 5900XT」(3.7G〜4.8GHz、12コア24スレッド)と「AMD X570チップセット」を搭載するマザーボードを用意してテストを実施した。



 比較対象として、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3070、GeForce RTX 2080を搭載するグラフィックスカードも用意している。グラフィックスドライバーは、RTX 3060 Tiのみテストバージョンの「457.40」、それ以外は最新の公式バージョンである「457.30」を使用した。



3DMark



 まず、「DirectX Raytracing(DXR)」を使わないテストを進めていこう。



 始めに、3Dグラフィックスに関する定番ベンチマーク「3DMark」から、DirectX 12ベースの「Time Spy」シリーズ、DirectX 11ベースの「Fire Strike」シリーズのテストを実行した。今回は、フルHDで描画する無印テストとWQHDで描画する「Extreme」テストを試している。Fire Strikeについては、4K(3840×2160ピクセル)で描画する「Ultra」テストも行った。



 まずTime Spy系テストの結果だが、同世代のハイエンドGPUであるRTX 3080とRTX 3070を比べると、RTX 3060 Tiはスコアで明確な差を付けられている。ある意味で順当な結果といえる。



 注目すべきは前世代のRTX 2080との比較だ。どの解像度のテストでもRTX 3060 Tiの方がスコアが良い。Time Spyでは10%前後、Time Spy Extremeでは約15%の差が付いた。NVIDIAが言及した「RTX 2080 SUPER」との直接比較ではないものの、これだけでもRTX 3060 Tiのポテンシャルの高さが垣間見える。



 Fire Strike系のテストでも、傾向は変わらない。全GPUに明確な“序列”を見て取れる。



 399ドルのRTX 3060 Tiが、発売当時で699ドルだったRTX 2080を性能で軽く上回ってしまうことは、なかなかにインパクトの大きいことだが、これまでのRTX 30シリーズのテストを振り返ると「さもありなん」である。



FF14ベンチマーク



 次に、実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を実行した。描画品質は「最高品質」とし、フルHD、WQHD、4Kの解像度で計測した。



 このベンチマークにおいて、RTX 3060 TiがRTX 2080を上回るのは当然として、解像度によってはRTX 3070に迫る総合スコアを獲得していることが興味深い。RTX 3060 TiとRTX 3070とのスコア差は、フルHDでは1〜2%前後、WQHDでは7%前後、4Kでは10%前後となった。負荷が高いほど差が開く傾向にある。



 高解像度になるほど、GPUの自力の差が出てくるわけだ。



FF15ベンチマーク



 より負荷の高いベンチマークテストとして、DirectX 12ベースの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も実行した。描画品質は「高画質」とし、フルHD、WQHD、4Kの3解像度で計測した。



 全体的に高負荷なこともあって、いずれの解像度でもGPUの序列は3DMarkの時と同じである。RTX 3060 TiとRTX 3070とのスコア差は、フルHDで約10%、WQHDで約12%、4Kで約11%ほどとなっており、FF14ベンチマークと比べると解像度によるスコアの開きは少ない。



 RTX 2080との比較では、RTX 3060 TiはフルHDおよびWQHDで約8%、4Kで12%ほど良いスコアを記録した。



実際のゲームでフレームレートをチェック



 続いて、実際のゲームにおけるフレームレートも確認しておこう。



 まず「レインボーシックス シージ」のゲーム内ベンチマークモードで、平均レートと最小レートをチェックした。画質プリセットは“最高”とし、フルHD、WQHD、4Kの3解像度でそれぞれのレートを調べた。



 平均フレームレートを見る限り、各GPUの序列はこれまでのテストと大きくは変わらない。この作品は負荷の軽い部類に入るが、そのこともありフルHDではGPUごとのパフォーマンス差はそれほど大きくない。



 しかし、解像度を上げるに従って、GPUパワーに欠けるRTX 2080が順位を落とし、逆にRTX 3080の優位性が高まっていく。とはいえ、各GPUのパワー差は“順当”に出ており、特筆すべきことはあまりない。



 続いて「CONTROL」において一定コースを移動した際のフレームレートを確認しよう。今回は、画質プリセットは“最高”とし、フルHD、WQHD、4Kの3解像度において「FrameView」が表示する平均、最小のレートを記録している。



 なお、このタイトルはDXRや「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」にも対応するが、全ての解像度でDXRは無効、DLSSは有効とした。



 解像度が高まるほど、RTX 3080のフレームレートが際立つ。それ以外のGPUは順位の変動はなく、序列も崩れない。RTX 3060 TiとRTX 3070の比較では、どの解像度でも安定して13%前後のフレームレート差が出る。一方で、RTX 3060 TiはRTX 2080よりも9〜10%ほど高いレートを記録した。



DXR有効時は「RTX 2080 Ti」を上回る局面が増加



 続いて、DXRを有効にできるタイトルにおけるパフォーマンスを見ていこう。まず、3DMarkのDXRテスト「Port Royal」を実行した。



 それぞれのGPUの総合スコアは、非常に明確な差が出ている。RTX 3080がずば抜けたスコアなのはこれまで通りで、以下RTX 3070、RTX 3060 Ti、RTX 2080という順番できれいな階段状のグラフが出来上がる。



 リアルタイムレイトレーシング(RT)を有効にした環境においても、RTX 30シリーズとRTX 20シリーズとの間には、パフォーマンス面で「超えられない壁」があると考えても差し支えはないだろう。



 実際のゲームにおいてDXRを有効にするとどうだろうか。先ほどテストを行ったCONTROLにおいて、DXRを有効化してフレームレートをチェックしてみよう。DXRのプリセットは「高」に設定し、他は先述のテストと同じ設定としている。



 DXRを有効化すると、全体的なフレームレートは低下している。しかし、大まかな傾向は無効とした時と変わらない。



 ゲームの快適なプレイを念頭に置いてグラフを見てみると、フルHDではRTX 3060 Tiでも平均100fps超を達成できている。それに対し、RTX 2080は平均93fpsと、平均100fpsを下回っている。WQHDではRTX 3060 Tiの最小フレームレートは60fpsを上回った一方、RTX 2080はわずかに60fpsに届かない。



 RTX 2080と比較する限りにおいて、RTX 3060 Tiを選ばない理由はない。



●消費電力はRTX 3070よりわずかに下



 最後に、システム全体の消費電力をチェックしよう。3DMarkのTime Spy Extremeを実行中の最高消費電力を「高負荷時」、PCの起動後10分間何もせず放置した状態後の消費電力を「アイドル時」としてワットチェッカーで計測した。



 アイドル時の消費電力はいずれも60W程度。高負荷時にRTX 3080の電力消費がずば抜けているのは当然として、注目したいのはRTX 3060 TiとRTX 3070、RTX 2080の高負荷時の電力消費の関係だ。



 高負荷時の消費電力はRTX 3060 Tiが最大322W、RTX 3070が最大338W、RTX 2080が最大326Wと、いずれもあまり差はない。RTX 3070の優秀さが光るが、RTX 2080より安定して10%前後高い性能を発揮し、消費電力も4W少ないRTX 3060 Tiは決して悪くない選択肢といえるだろう。



●高解像度ゲーミングをより身近にする新世代のミドルハイGPU



 GeForce RTX 3060 Tiは、前世代のハイエンドGPUであるGeForce RTX 2080を明らかに上回るパフォーマンスを発揮しつつ、価格と電力の面において優位に立っている。RTX 30シリーズのご多分に漏れず、価格の割に優秀なGPUである。



 順当に性能はRTX 3070の「ワンランク下」であり、取り立てて特徴があるわけではない。しかし、シリーズで最も手頃な399ドルという価格は、ユーザー視点では非常に魅力的であることは間違いない。



 国内で発売されるGeForce RTX 3060 Ti搭載グラフィックスカードの実売価格は、おおむね5〜6万円台になることが予想される。安いとは言い切れないものの、これまでのRTX 30シリーズのグラフィックスカードと比べれば、非常に手を出しやすい価格ではある。4Kゲーミングが視野に入るGPUをこの価格で手に入れられるということは、ゲーマーにとってはありがたいはずだ。



 とはいえ、この価格帯より少し下位のグラフィックスカードを狙っている人が、少し予算を増やしてRTX 3060 Tiに飛びつくべきかどうかは悩ましい。というのも、そう遠くない時期に、より廉価な「GeForce RTX 3060(仮)」や、「GeForce GTX」シリーズの性能を向上した新モデルが投入されることも十分に考えられるからだ。



 また、競合のAMDが先般、「Radeon RX 6000」シリーズのハイエンド製品を投入した。順当に考えれば、Radeon RX 6000シリーズのミドル〜ミドルハイクラスGPUも近々登場するはずである。



 最近、GPUを巡る動向は激しさを増している。「どうしてもすぐに欲しい」ということでなければ、市場の動向をしばらく見守ってから購入するのも“アリ”だろう。


このニュースに関するつぶやき

  • 価格的にも現実的な激戦区、後は3070やAMDの6000番台との差ですが、今後はそのAMDも6700、6600と下位ナンバーが出るでしょうし来年は競争激化になると予想します
    • イイネ!1
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