「チーズ!チーズ!チーズ!」連呼しただけ…語彙力捨てた商品名がジワる コンビニ商品ネーミングの妙

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2020年12月02日 07:30  ORICON NEWS

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写真ローソンのパン「チーズ!チーーーズ!」の“ーーー”には語彙力を捨ててない担当者の想いが詰まっている
ローソンのパン「チーズ!チーーーズ!」の“ーーー”には語彙力を捨ててない担当者の想いが詰まっている
 ローソンのパンやパスタの商品名が、「語彙力を失ってしまった!?」とSNSで話題になっている。パンでは『ピーナッツ!! 』と潔いまでに簡素化され、パスタでは『ボロ!ボロ!ボロネーゼ!』『チーズ!チーズ!チーズ!』など具材を連呼するだけの商品が販売されている。ユーザーからは「ネーミングセンスはともかく美味しい」との評価もあるが、売れ行きの明暗をわける商品名に対して社内ではどのような議論があったのか? 今年9月1日には連呼系パスタの新商品が登場し、発売初週のパスタの販売高が、前週に比べ約130%のびた。これらの商品名が生まれた背景について担当者に聞いた。

【写真】語彙力失った…? 美味しそうだけど、ジワるローソン商品一覧

◆決して諦めたわけではない商品名、商品開発は3〜4ヵ月熟考する

 コンビニにずらりと並ぶ弁当やパン。新商品も続々と登場するが、購入する際のポイントは「美味しそう」といった見た目だけではないだろう。それに加えて商品の特性を的確にイメージさせてくれたり、思わず手に取ってみたくなるようなネーミングも重要な決め手になるはずだ。

 ところがこのところ、『つぶつぶ!たらこ!たらこ!たらこ!』『ぎゅっと!ミート!ミート!ミート!』など、ただ具材を連呼しただけのローソンのパスタやパンの商品名に対し、「語彙力崩壊!」「ついに商品名を考えるのを諦めたか…」といったユーザーからのツッコミが目立つ。

 そもそもローソンでは商品開発や商品名を決める議論の時間をどのくらい費やしているのか、広報担当の塚田賢太郎さんに聞いたところ「商品開発は、商品にもよりますが、商品名の決定も含めて合計で3〜4ヵ月かかることが多いですね」とのこと。考えるのを諦めたどころか、かなり熟考している事実が判明した。

「特に打ち出したい商品については、商品開発部とプロモーション部で10〜20個ほどの商品名のアイデアを出し合い、何度も話し合いを重ねた後、さらに絞り込んだ3〜4個を社内アンケートにかけることもあります。ちなみに商品コンセプト開発部ではローソンに今までなかった新機軸の商品の開発を担当しており、マチノパンシリーズの『ピーナッツ!!』や、一連の“連呼系パスタ”もこの部署から生まれました」(塚田さん)

◆商品名の“!!”や“ーーー”、ただの記号ではない担当者の熱い想いが詰まっている

 では、担当者たちはこれらのネーミングどのような熱い想いをに込めたのか。まず、マチノパンシリーズの「ピーナッツ!!」という極限までにそぎ落としたネーミングを担当した商品コンセプト開発部の村田文子さんは、「お伝えしたいことはたくさんあったのですが……。とにかく食べたときの実感と感動のすべてを、具材名と“!!”に込めました」と語る。

 同商品は「カナダ産小麦の小麦粉と石臼挽き粉を加えた香ばしいパン」に、「濃厚な味わいのピーナッツクリーム」をサンド。「ピーナッツの粒々食感とピーナッツバターの塩味」がアクセントとなっている。しかしパッケージにここまで詳しく書かれていても、コンビニの店頭ではスルーしてしまうかもしれない。

「そうなんですよね。お客さまが1つの商品に目を止めるのは長くて3秒。だいたい10秒ほどで購入するかどうかを決めるというデータもあります。目に止まった瞬間に商品の特徴がイメージできるネーミングは、セールスの明暗を大きく分けるんです」(村田さん)

 ちなみにマチノパンシリーズの「チーズ!チーーーズ!」という商品のネーミングも村田さんの担当で、「トッピングの香ばしさとフィリングのコクという、2つのチーズの魅力が味わえるのが特徴で、『チーーーズ』と長音記号を3つ重ねることでチーズが伸びるイメージを表現しました」と商品名の意図を語ってくれた。

◆「大事なことは3回言う!」右脳に訴えかけるアプローチで生まれたユニークな商品名

 一方、「ボロ!ボロ!ボロネーゼ!」や「チーズ!チーズ!チーズ!」などの開発に携わった小林愛花さんは、“連呼系パスタ”について「『大事なことは3回言う!』というセオリーに則りました」と、これまた潔い回答をしてくれた。そこにはコンビニのパスタ担当者たちの悲願に挑む熱い想いがあった。

「“コンビニパスタ”の概念を変える本格的な味わいを追求し、自信作が完成しました。ところが『パスタ好きの女性は多いのに、コンビニで購入する方が少ない』ということがユーザー調査で浮かび上がりました。なんとかその壁を超えてお届けしたいという熱い想いが『具材を連呼する』という右脳に訴えかけるアプローチに繋がりました」(小林さん)

 たしかに“連呼系パスタ”シリーズは、いずれも連呼したくなるほど具材やソースがたっぷり。さらにネーミングのインパクトと力強さは、「商品に目を止めるのは長くて3秒」という原則を超えて、思わず二度見させてしまう効果もありそうだ。

「おかげで多くのお客さまに手に取っていただけています。なかには『連呼系パスタソング』を作曲し、SNSに公開するほど愛着を持ってくださる方もいて、パスタチーム一同感激しています」(小林さん)

◆SNSでのさまざまな意見も大切なお客さまの声、真摯に受け止め新商品に反映

 コンビニフードは現代人にとって身近でありながら、パンであれば「町の焼きたてパン屋さん」、パスタであれば「本格イタリアン」からは格が下がると捉える人が多いかもしれない。しかしコンビニの商品開発の技術発展は目覚ましく、専門店に匹敵する味わいを実現した商品も増えている。

 とは言え、まずは目に止め、手に取ってもらわなければその味も伝わらない。さらにインパクトのあるネーミングであれば、実際に食べた感想とともに思わずSNSでつぶやきたくなる(=口コミが広がる)という効果も期待できる。だからこそ、商品開発担当者にとって「商品名を考えるのを諦める」という選択などあり得ないのだ。

「SNSなどを通じて、さまざまなご意見をいただくことがあります。それらすべて大切なお客さまの声だと真摯に受け止めています。そうしたご意見も反映し、来年3月のパスタリニューアルに向けて更に喜んでいただける商品開発を進めています」(小林さん)

 なお、一連のパスタシリーズの売れ行きも好調で、今年9月1日に「チーズ!チーズ!チーズ!6種チーズの生パスタ リングイネ」と「ボロ!ボロ!ボロネーゼ!角切り牛肉の生パスタ フェットチーネ」を発売したが、発初週のパスタの販売高が、前週に比べて約130%を記録した。当面はネーミングも連呼系押しで行くとのこと。さらに「近々、3連呼以上の連呼をする特別バージョンの新商品パスタを発売予定ですので、ぜひ盛り上がっていただけたら」(小林さん)と期待を寄せている。

(文/児玉澄子)

このニュースに関するつぶやき

  • 面白いネーム付ける前に、店内のパンコーナーの高さとか見せ方とか変えてほしいな〜。自分の目線より高い所にあるパンは、大抵一つずつ何パンなのか確認しなきゃいけないし、↓
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  • 「ボボボーボ・ボーボボ」は確かに目を引いた
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