写真![]() PS5公式サイトより |
新型ゲーム機のPS5とXboxが発売されて約3週間が経過し、ユーザーの反響も出始めてきた。いまだ予約合戦が続いているPS5、取扱店は少ないものの在庫が復活してきている新型Xboxの両者について、調査結果も発表されている。
まずは気になる本体の売上台数。「ファミ通」(KADOKAWA)調べによる初週の国内推定販売台数は、
●PS5は発売4日間(2020年11月12日〜11月15日)で約11.8万台
●Xbox Series X/Sは発売6日間(2020年11月10日〜11月15日)で約2.1万台
という数字を発表している。それぞれの内訳は、以下のとおり。
●PS5:103,901台/PS5デジタル・エディション:14,184台
●Xbox Series X:16,247台/Xbox Series S:4,287台
生産台数の関係もあるだろうが、PS5はドライブ内蔵版が全体の9割を占めている。デジタル・エディションは本体価格こそ安いものの、すべてのタイトルがダウンロードでの入手となるため、中古ゲームとして売却することができない。中古ゲーム市場がある程度確立されている日本では、この点がドライブ内蔵版の支持に影響している部分もある。
ちなみに、ファミ通では前世代機のPS4およびXbox Oneの初週の国内推定販売台数も発表しており、以下のとおりとなっている。
●PS4は販売2日間(2014年2月22日〜23日)で32万2,083台
●Xbox Oneは販売4日間(2014年9月4日〜7日)で23,562台
PS4とPS5の比較をすると調査期間の差を考慮に入れなくても3倍近い開きがあるためローンチはうまくいってないかのように数字上は見えるが、これはおそらく在庫数の問題だろう。PS4では海外と日本での発売時期が異なっていたため、ローンチ時の在庫がある程度国内にあったためだとファミ通でも分析している。
新型Xboxは、前世代機とほぼ同様の滑り出しとなった。ただ、調査期間が前回より長く、さらに前世代機は店頭販売を見かけることはレアで、取扱店そのものが都心でもほとんどなかったことを考えると苦戦中と判断されても仕方ない数字だ。
一方、ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファームのゲームエイジ総研は、2020年11月、全国10〜50代男女の何らかのゲームをプレイしている人を対象(サンプル:2,963)に行った調査結果を発表した。
同社によると、PS5の購入意向者は6.3%、新型Xboxの購入意向者は0.9%という数字を発表している。このうち、「すでに予約した」と回答したのは、PS5が0.6%、新型Xboxが0.1%となった。
この数字をどう見るかだが、個人的には思ったより購入意向が低いと感じる。どちらも売れ筋モデルは5万円オーバーの出費となるため気軽に買える額ではないにせよ、巣ごもり需要でゲーム産業は景気がいいという報道を見る割に、ちょっとさみしい数字と言えよう。
購入意向者の性年代も同時に発表された。これを見てみると、学生などの若い層ではなく、社会人層の購入意向が高いことがわかる。前述した本体価格の問題があることに加えて、スマホの高性能化によるゲームのリッチ化も影響しているように思う。
新型Xboxにおいて、10代での購入意向が最も高いのは、Series Sという廉価版モデルの存在があるからだろう。29,980円(税別)でいわゆる次世代ゲーム機の世界が楽しめることは学生には大きなメリットになることがわかる。
「PS5を購入しないと思う」が78.7%、「Xbox Series X/Sを購入しないと思う」が96.1%もの割合を占めているが、いったいこれはなにが理由なのか? これはローンチタイトルのラインナップに問題があるようだ。やってみたいゲームがないという意見が多く、逆に言うと今後の拡充次第でどちらのゲーム機本体の販売台数を大きく伸ばすことができる可能性を含んでいる。
一方でこれまでのゲーム機販売時にはない意見も出てきている。「ゲームはPCでするので購入しない」という意見だ。欧米ではPCでゲームをする文化は昔から根付いているが、日本ではあまり浸透していなかった。しかし、ゲームソフトデジタル販売の認知と普及、国内のeスポーツ活性化、ゲーミングノートPCの登場などで、着実にPCでゲームをする層が増加傾向にあることがわかる。
特に新型Xboxはマイクロソフト製ということもあって、中身はほぼWindowsパソコンのような作りになっているので、究極的には小型ゲーミングPCという見方も。購入者によるレビューでは、マウスやキーボードも接続・使用できるといったレポートも見かけるぐらいだ。
どちらかのプラットフォームでしかプレイできないオリジナルタイトルがシェア争いのカギを握っているのは間違いないが、これが本格化するのは早くても来年以降となる見込みだ。