市川紗椰が語る世界の"餃子的なやつ"「汁もの以外で、世界共通のひと皿はこれしか思いつきません」

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2020年12月04日 06:21  週プレNEWS

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写真モンゴル料理の教室で作った大きな揚げ餃子、ホーショール。最後まできれいにねじれなかった
モンゴル料理の教室で作った大きな揚げ餃子、ホーショール。最後まできれいにねじれなかった


『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は世界の「餃子的なやつ」について語る。

* * *

世界はユニークな食であふれているけど、初めて接する料理なのに親しみのある要素や共通点を見つけることがあります。そんな世界中をつなぐ料理に、ダンプリング、すなわち"餃子(ギョーザ)的なやつ"があります。

なんらかの生地に、なんらかの具を包み込んで、なんらかの調理をする。汁もの以外で、世界共通のひと皿はこれしか思いつきません(もちろん異論は認めます)。

アジアのダンプリングはもうおなじみ。中国の幅広い種類の点心、丸い形の韓国のマンドゥ、芋類などを入れて揚げるインドのサモサ、トマトのタレと分厚い皮が特徴的なネパールのモモ。タピオカ粉で作るベトナムのバンボロックの透明な見た目はあまりにも美しく、衝撃的でした。

日本の薄い皮×片面焼き×醤油ベースのタレの餃子は、中国人観光客がわざわざ食べに来るほど独自の進化を遂げたので、中国の餃子とは別ジャンルと認定し、日本式の餃子を日本代表にします。

でも、補欠としておまんじゅうも挙げさせてください。世界に甘い具を包むデザート系"餃子的なやつ"もたくさんあるので、意外とまんじゅうや大福も条件を満たしています。

南米全体で食べられているエンパナーダ(これもバリエーションが多すぎて一緒くたに語ってはいけない)や、薄い生地をパリッと揚げるブラジルのパステルなど、私が知る限りの南米の"餃子的なやつ"はずっしりくるものが多い印象です。

ヨーロッパに目を向けると、北欧はフルーツをアクセントに使うものが目立ちます。例えば、スウェーデンのピーテパルトは、ジャガイモの生地にベーコンなどを包み、ベリー系のタレで食べます。

イタリアは種類が豊富で、パスタ系のラビオリやトルテリーニがあれば、デザート系のムパナティッギもあります。ムパナティッギにはチョコ、アーモンド、シナモンのほかに、なんと牛ひき肉が隠し味として入っています。肉お菓子! 素晴らしい発想。

個人的に"餃子的なやつ"が熱いゾーンは中央アジア・東欧。幅広い地域で見られるのは、トルコやアルメニア、カザフスタンなどのマンティ。国によって味つけや中身はさまざまですが、スパイスとラムや牛のひき肉を卵入りの生地で包み、蒸すのが基本です。

私がいただいたのはトルコ式のヨーグルトソースのもので、小さな蒸し餃子がラビオリのようにソースと絡めてあってひと皿にたくさんある感じでした。マンティは大きさもバリエーションが豊富ですが、トルコでは、食べる相手を大切に思えば思うほど、小さく包むそう。私が食べたのはなんとなく中間的なサイズ。ん、リアル。

面白いものでは、ジョージアの小籠包(ショーロンポー)チックなヒンカリもあります。こぶし大と大きく、生地のてっぺんをねじって閉じるのも特徴的。ねじったところを取っ手のようにつまんで食べるのですが、肉汁をすすって本体を食べ終わったら、つまみの部分を残すのが伝統的な食べ方だそうです。

もったいないような気もしますが、そのほうが数は食べられるな、とピザの耳を行儀悪く残しがちな私には優しい食べ方です。

次回は、一番好きな"餃子的なやつ"、ピローギや、最近ハマっている餃子の作り方をご紹介します。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。愛知県名古屋市出身、米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。"餃子的なやつ"はどの種類も妙にホッとする、"セラピーフード"だと信じている。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

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