Xiaomi、Huawei、OPPO――スマホメーカーがスマート家電に“進撃” 中国で何が起きているのか

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2020年12月04日 07:12  ITmedia NEWS

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写真「小米之家」に並ぶXiaomiのスマートテレビ
「小米之家」に並ぶXiaomiのスマートテレビ

 中国でシェアを獲得している中国産スマートフォンメーカーには、日本にも進出しているHuawei、Xiaomi、OPPO、そして日本には未進出のVivoとHonorの5社がある。このうちHonorは、もともとはHuawei傘下のブランドだったが、Huaweiが「智信新信息技術」という会社に売却し、今は別会社となっている。これらの企業に対して、スマホやタブレット専門のメーカーだという印象を持つ読者が多いかもしれないが、実は中国を中心に、スマート家電にも積極的に進出している。



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 中でも、スマートスピーカーやスマートテレビなどに注力し、人気を得ているのがXiaomiだ。中国で流行している巨大ショッピングモールに足を運んだ経験がある読者がいれば、スマホに加えてスマートホーム製品やスマートテレビなどが多数売られているXiaomiの専門店「小米之家」を見たことがあるかもしれない。



 Xiaomiは中国だけではなく、インドなどの諸外国にも小米之家を展開している。同社製の格安スマートテレビはインドなどでも人気で、ある程度受け入れられているという。



●家電系スタートアップに投資する「Xiaomiエコシステム」とは



 Xiaomiのスマート製品は、小米之家で取り扱っているものだけが全てではない。スマートウォッチ「華米」、スマートLEDライト「Yeelight」といった小物や、傘下企業の「雲米」が開発する白物家電・キッチン家電など無数にある。雲米はディスプレイ付きのスマート冷蔵庫や、ハンドジェスチャーで操作できるスマートスクリーンなども展開している。



 中国のECサイト「淘宝」「天猫」「京東」などでは、Xiaomiのスマートネットワークで利用できる家電製品が数多く見つかるだろう。これらの中には、Xiaomi自身が作ったものだけでなく、雲米のようにXiaomiが投資する家電系スタートアップが開発したものも多い。Xiaomiはこのように、投資先にスマート家電の開発を任せる仕組みを「Xiaomiエコシステム」(Mi Ecosystem)と呼んでいる。



 中国市場では、たとえ技術力があっても、マイナー企業が家電ブランドで大成功を収めるのは難しい。だが、Xiaomiエコシステムはそうした企業の助け舟としても機能する。マイナー企業はXiaomiから資金を調達できるほか、Xiaomiのスマホアプリなどで操作できるスマート家電をリリースでき、何の後ろ盾もない場合よりも商品の売れ行きを伸ばせる。



 Xiaomiは開発や投資だけでなく、スマート家電の“ハブ”となることを目指し、これらの操作を効率化するテクノロジーにも磨きをかけている。例えば、Xiaomiが先ごろ発表した「UWBテクノロジー」は、操作したい家電にスマホを向けると、システム側でその家電が何かを認識し、対応するコントロール画面が自動で開くというもの。スマート家電を複数所有するユーザーには便利な機能だ。



●Xiaomiが成功したら、Huawei、OPPOも参入



 ただし、1社が成功したら、ライバル会社も参入するのが中国だ。Xiaomiがスマート家電と小米之家、そしてエコシステムで成功するやいなや、Huawei、OPPO、vivo、Honorも追随するようにスマート家電の開発を強化すると発表。小米之家と同様に、各社のショップで、スマホに加えて自社ブランドのスマート家電を販売するようになった。



 後発企業の製品ラインアップはXiaomiほど多くはないが、HuaweiやOPPOがリリースしたスマートテレビは中国で注目を集めている。



 両社のテレビは、オンデマンドで映像コンテンツを再生するだけにとどまらない。ユーザーはスマホをテレビ用のリモコンとして使えるほか、テレビの画面を分割し、その中でスマホゲームをプレイできる。オンラインでのフィットネスサービスやビデオ会議なども利用できる。単なるテレビではなく、スマホと共存し、番組も見られる大型ディスプレイといった方が正確かもしれない。



 まだ大きな動きは見せてはいないが、HuaweiやOPPOはこの次世代テレビを核としつつ、自社のエコシステムを構築し、このテレビに話しかけたり、スマホを接続したりすることで操作できるスマート家電を続々とリリースする可能性がある。



●AlibabaやBaiduもスマート家電に照準



 スマホメーカー以外では、AlibabaやBaiduがスマートスピーカーをハブとして、Xiaomiと同じようにエコシステムを構築し、家電メーカーを自社グループに取り込もうとしている。



 両社のスマートスピーカー「天猫精霊」「小度」は安価に出回っていて、場合によっては携帯電話を契約した際のおまけとして無料で配られることもある。新しいテクノロジーに敏感なアーリーアダプター層以外にも普及しており、これらと接続して音声で操作できるライトやカーテン、家電なども多数リリースされている。



 AlibabaやBaiduが出しているスマートスピーカーや、これらに対応するスマート家電はもちろん、Xiaomiなどのスマホメーカーが開発するスマート家電と競合する。現時点では各社が提携し、Xiaomi製のスマートスピーカーに話しかけると、他社製のスマート家電が動く――といったことは実現していない。各社はしばらく個別に勢力を拡大し、細かな機能追加や価格変更で“体力勝負”するチキンレースを展開するだろう。プラットフォーマーであるメーカー各社にとっては、安易に他社製品と連携するわけにはいかないのだ。



 中国のインターネット業界ではこれまでも、11月11日の「独身の日」におけるECサイトの低価格競争や、動画サイトの配信権購入競争など、多くの企業間でチキンレースがあった。その中で、提携している企業同士でいざこざが発生した場合は、もめ事の原因を作った企業が、怒らせてしまった企業から、製品やサービスの連携を遮断されてしまうことも珍しくない。



 スマート家電領域でもこれを懸念し、プラットフォーマーである大手企業は他社と提携したがらない。なにせ提携相手の機嫌を損ねたら、自社の製品の利便性が下がり、企業・ユーザーともに不利益を被るからだ。



●中国ならではの事情も



 大企業同士で手を組み、製品をさらにスケールさせるのが難しい中で、スマホメーカーやAlibaba、Baiduが相次いでスマート家電を打ち出している背景には、中国ならではの事情がある。実は中国政府は、経済の発展に向けた「5カ年計画」の中で、スマート家電の普及を国家の目標として挙げているのだ。



 そのため、スマート家電の提供元が乱立し、大小さまざまな家電メーカーが、価格や機能を競うチキンレースはしばらく続くだろう。経済やテクノロジーの進歩が著しく、国民の生活環境が変化している中国では、一般消費者の「家の中に新しい家電を置きたい」というニーズが日本よりも強い。



 メーカー側は大変だろうが、一般消費者の目線で考えると、激しい競争の末に、高性能なスマート家電をお得な価格で買えるのはありがたい。政府の方針も相まって、中国のスマート家電普及率は今後も高まりそうだ。


このニュースに関するつぶやき

  • 日本じゃ家電は10年くらい使うからな。2〜3年で壊れるようなものは安くてもだんだん売れなくなる。 https://mixi.at/ajqfIab
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  • (習近平)これが普及すれば人民の統制が楽になる�֥�(腰巾着役人)いざとなったら家電をリモートで操作して止めたり、誤動作させて反対派に損害を与えられますからなぁ🦊←政府に悪用されるかも������
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