子どもの「好きなこと」を伸ばすのがなぜ大切なのか? サイボウズ・青野社長の答えにお父さんも納得!

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2020年12月04日 11:30  AERA dot.

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写真子育ても100人100通りを目指して、と語るサイボウズ青野社長。
子育ても100人100通りを目指して、と語るサイボウズ青野社長。
 さまざまな価値観が変化した今年。「集団」よりも「個」が尊重される時代になり、子育てにおいても、「子どもには『自分の好きなこと』を見つけてそれを伸ばしていってほしい」と多くの親が考えるようになっています。『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、そのためにはどうしたらいいかを各方面に取材しています。まずは、先進的な会社運営が何かと話題のサイボウズ代表取締役社長、青野慶久さんにインタビュー。

*  *  *
 今年は「集まってはいけない」という新しいルールができたことで、働き方が大きく変わりました。初めてテレワークを経験した方も多かったはずです。「出勤しなくても働ける」「むしろ家で働いた方が生産性が高い」ということに気付いた方もいるかもしれません。

 これはマネジメントする側も同じです。「どうやってマネジメントをしたらいいのだろう?」と悩んでいた人が、「やってみたら意外とできる」とわかった。オンラインであれば、時間と場所の制約がないので、ミーティングの回数も増やせる、組織の生産性も上がる、ということがわかり始めたのです。

 働き方が変われば、評価の軸も変わります。「会社で長時間働く人」ではなく、厳密に個人の能力が評価されるようになります。

 そもそも時代の変化もあります。大量生産、大量消費という構造では、もはやインドや中国に勝てませんから、日本はもっとクリエーティブにモノやサービスを創造していかねばなりません。そのためには、どうすればいいか。

 答えのひとつは、「働く人自身が人生を満喫していること」です。

 これは社会の大きな変化です。つまり、個人の幸せを犠牲にしてガリガリ働くよりも、「個人の幸福を追求した方が、組織の生産性が上がる」ということが、明らかになってきたということです。子どもはもちろん、大人であっても、自分自身が没頭できるもの、好きなものを見つけ、人生を楽しまなくては他人がワクワクするような価値を生むことはできない、ということなのです。

 サイボウズは、「100人いたら100通りの働き方がある」と考え、仕事も人生も同時に楽しむ働き方を実現する会社を目指しています。私自身、3人の子どもが生まれるたびに3度の育児休暇をとりましたし、テレワークも以前から当たり前のように行っています。

 ただ、自由度が高いということは、「自分に向き合う力」が求められるということです。これは簡単なことではありません。例えばわが社では年に一度、上司との面談で「給与はいくら欲しいですか?」と聞かれます。これは実は難しい問いです。本当に自分が喜べる金額はいくらか。その金額を得ることで、自分が手にしたいものは何か。そしてその金額を自分はどう稼ぐか。そういったことに向き合わないといけないからです。

■「なりたい自分」から「やるべきこと」を考える

 このような時代になると、組織で求められる個人の能力は大きく変わります。上司の言いなりになるような働き方ではなく、自分でセルフマネジメントしながら働く人材が求められる。この傾向は加速していきます。そしてこの社会の変化に応じて、教育も変わっていかなければなりません。

 日本の教育は、相変わらず「言われたことをきちんとやる子」が評価されていますが、AIやロボットと共に働く今、人に言われたことを忠実に実行するだけの能力は価値として下がっています。

 たとえばもし今度の冬休み、宿題が1個も与えられなかったら、どうしますか?ずっと寝ている、ではつまらないですよね?そんなときは「この冬休みが終わったらどんな感じになっていたい?」「今週はどんな感じですごしたい?」と自分が想像できる範囲の楽しい未来をイメージしてみる。そこから課題を設定して取り組む。こうやって「なりたい自分」を設定して「やるべきこと」に落とし込む、という作業をぐるぐる回していくことが大事。これはわが社でやっていることと同じです。

 子育てでも、「その子が好きなこと」や「こうなりたい姿」という姿は違いますよね。子育てでも「100人100通り」を目指すことが大切だと思います。うちの子どもたちも3人それぞれ、まったく違う個性を持っています。

 私は常に「この子がしたいことは何か」「何をしている時に楽しそうにしているか」を観察するようにしています。それは、子ども自身の中にある目標を見つけるためです。

 また「決定権を委ねる」ことも意識しています。セルフマネジメントができる子にするためには、小さなことからでいいので「自分で決める習慣」を持つことがとても大切です。

 今号は他にも探究学舎・宝槻泰伸さんによる「子どもの才能の見つけ方、伸ばし方」も紹介しています。わが子の才能を伸ばすためにぜひ参考にしてみてください。(取材・文=黒坂真由子)

◎青野慶久(あおの・よしひさ)
サイボウズ株式会社代表取締役社長。松下電工(現・パナソニック)を経て、1997年にサイボウズを設立。政府の「働き方変革プロジェクト」の外部アドバイザーも務める。2男1女の父でもある。

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